スケベエルフさん、現代へようこそ!
~「ようこそ! スケベエルフの森へ」スピンオフ 巨乳で一途なエルフたちといちゃらぶする短編集~
2018年9月21日
ぷちぱら文庫
著:和知まどか
画:葵渚
原作:ルネ
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ノル・後編


 現代に来てもひたすらにマイペース、我が道を行くノルのことは……本音で言えば心配はしていなかった。
 けれど……ふたりで惰眠を貪った翌朝、眠い目をこすりながら起き上がったとき……ちっちゃな大長老様の気配が部屋の、いや家のどこにも感じられなかった瞬間にはさすがに肝を冷やしてしまった。

「ノル!? どこ行ったんだ、ノル!?」

 もしかしたら、寝ている間にアルフヘルムに帰ってしまったのかもしれない。
 もしくは、この世界にエルフが出現したことを知られ、何らかの研究組織にでも俺の知らない間に捕獲されてしまったんじゃ……。

(大変なことになった!)

 あちらの世界では溢れるほどいるらしいエルフも、こちらの世界……俺の育った人間世界では稀有かつ貴重な生体サンプルであることは間違いないだろう。

(探しにいくか? でも、どこに……?)

 寝間着のままオロオロしていた俺は、窓の外から耳慣れた愛らしい声が聞こえて思わず振り返った。

「だーっはっはっはっはっ! わるぅぅいダークエルフはわらわの大魔術で消し炭じゃ! 好きなだけ逃げ惑うがよい! 逃がさぬがな~っ!」
「……ん?」
「フッフッ、食らえ! 正義のエルフアターック!」

 ……子どもたちのキャーキャーというやかましい声、そしてその声に混じって響く、18万歳を遥かに越えた……自称『あだると』で『せくしー』なエルフの村の長老ノルの笑い声。

「近所の公園? ったく、勝手に外に出るなんて……!」

 俺はぶつくさ文句を言いながら、素足のまま靴をひっかけて外に出た。
 ざああああっ……と揺れる樹々、強い風。
 エルフの世界、アルフヘルムに比べればくすんだ色の自然、濁った空気。
 灰色がかった空に嫌気が差すけど、そんな重い感情を吹き飛ばすようにノルのはしゃいだ声は明るく、鮮やかだった。

「よしよーし、捕まえたぞ! これでわかったじゃろう? エルフはダークエルフになんぞ負けはせん……な・ぜ・な・ら、お日様を毎日たーっぷり浴びて心も身体もスクスク育っておるからのぉー!」

 小さく、遊具の数も少ない公園の中で数人の子どもたちと鬼ごっこをしていたらしい。『遊具使用禁止』と張り紙のされた、普段は人のいない砂場でノルは太陽のように輝く笑顔を見せていた。

「……お? どうした、救世主。おぬしも混ざりにきたのか?」
「何やってんだ、大長老が……」
「そ、それは今言うてくれるな! ち、違うのじゃ、おぬしがいつまでも寝ておって起こしてもまったく起きぬから……周囲をちーっと探検しようと思っての、窓から飛び出したら……ち、近くに緑の多い場所があったからのぉ!」
「なるほど。それで、玄関にカギかけておいたのに外に出られたのか」
「あの程度の高さから飛び降りるくらい、造作もないことよ」
「ふーん……」

 見れば、ノルと一緒に砂まみれになりながら遊んでいたのは同じくらいの身長の少女たちだった。
 もちろん、ノルとの年齢差は18万年とんで数千年はあるんだろうけど……。
 スクールバッグを背負った無邪気であどけない彼女たちとノルの姿に大きな違いはなく、なんだか不思議な気持ちになってしまった。

(むしろ、この子たちの方が発育がいいような気も……)

「む。何を考えておる。わらわの身体はちゃんと大人じゃぞ。おぬしがじっくり確かめたであろうに」
「……う、それを言われると反論できない」
「わらわはこの世界の幼き者たちを保護し、遊ばせてやっていただけじゃ。それは大人でなければできぬ所業じゃろうが!?」
「……はいはい、ご苦労様です」

 どう考えても、子どもたちの遊ぶ声を聞いてウズウズしてしまったノルがそこに乱入したとしか考えられない状況だった。
 けれどそれを口にすれば泥沼なのもわかっていたから、俺は何気なく手近にあったノルの頭をわしゃわしゃと撫でてしまった。

「んむむむ!? こ、こぉら! 子ども扱いするでない! 失礼極まりないのぉ、おぬし! ……んにゃっ? や、やめよ……! 気持ちいいではないか! んっ……んんん……っ! な、ナデナデなんぞでわらわを懐柔できるとおも……思うな……。ん~! 馬鹿者ーっ!」

(めちゃくちゃ嬉しそうにニヤニヤしてる……)

 口元をふにゃふにゃさせ、俺の手を小さな手で掴みながら……ちっとも力をこめてこない。
 甘やかされているノルを見て、お迎えが来たと思ったのだろう。
 子どもたちが『また遊ぼうね、ノルちゃん』と手を振って立ち去った後も、大長老はにまにまして俺の手のするがままだった。

「……んん!? つ、つい時を忘れてメロメロになってしまっておった! こ、子どもたちは……?」
「もうとっくに家に帰ったよ。ほら、俺たちも戻るぞ」
「……くぅうう……。それはならぬ!」

 顔を赤くして、ノルはばっと俺の手から飛びのいた。
 そしてくるーん! と大きく横に回転してみせる。

「……ありったけの魔力を解放し……出でよっ、ムチムチボディの『あだると』変化!」
「うわっ!?」

 元の世界に戻るために温存しておくべき魔力を使い……、ノルは一瞬で美巨乳、デカ尻、くびれた美味しそうな腰を兼ね備えた淫らで妖艶な大人の肉体に変身した。

(……なんてこった! 数秒前までぺたんこつるつるだったお子様ボディが豊満すぎる、詐欺みたいに熟したカラダに……!)

「……お? 目が離せぬか、正直な男よ。ほれほれ、触れてみたかろう? 味おうてみたかろう? んふふふん♪」











 巨大なバストを見せつけるようにして威風堂々と立つノルに、幻術だろうか、と手を伸ばす。
 と、それを見透かしたノルは、俺の手を掴み自分の乳房に押し当てた。

「……っ! む、むにゅむにゅぅっ……!?」

 こちらの指で簡単に形を変えるマシュマロのようなふわふわおっぱい。
 そのぬくもりと、蕩けるような揉みごこちは確かにこの世のものだった。

「むっふふ♪ こちらの世界では、どうやらアルフヘルムで使うていたわらわの杖は使えぬようじゃ。ゆえに、あちらに戻ることは叶わぬ」
「う、うん。それは見てたから知ってるけど……それとこの素っっっ晴らしい感触と、何の関係が!?」
「じゃから。……召喚は不可能じゃが、その他の魔法は種類によっては使えるようでのぉ。今はこれが、わらわの最大魔法ということらしい」
「……それを教えるためにこんな変身を……?」
「そ・れ・もあるがの……。おぬし、あまりにわらわを子ども扱いするでな。一発、ここで年長者の実力を見せてやろうと思ったまでよ!」

 口元に人差し指をあてて、にんまりと微笑むノル。 
 その種明かしの内容にも驚いたが、こちらの世界で肉体改造に近い、本物の魔法を……。
 手品でもトリックでもない純粋な魔法を操るノルを、改めて大魔法使いのエルフ……人ではない異種族の女の子なのだと強烈に意識した。

(そうか、ノルは今……俺の世界に存在するたったひとりのエルフ。この星で唯一のエルフなのかもしれないのか……!)

 もしかしたら、アマゾンの奥地や誰も知らない未開の土地に隠れ住んでいるかもしれないけれど、それは例外だ。
 俺は……人類が認識している中でただひとりのエルフを独占している。
 そう考えると、どっと緊張してくると同時に……とにかくそれが、人類史上とてつもなく稀有な状況であることを自覚する。
 が、当の本人といえば……そんな歴史のことなどどこ吹く風で、ひたすらこちらの反応を楽しんでいるようだった。

「どうじゃどうじゃ~? わらわとてこちらの姿になればおぬしを容易く魅了し、誘惑出来る。『大人』のエルフじゃからな!」

 ユッサユッサとわざと胸の膨らみを上下させ、身体をくねらせ挑発的なポーズをとる。
 すると持ち主の元が小さすぎるせいか、肥大化した胸肉、たゆんたゆんに成長した尻たぶに無理に引き延ばされた衣装が悲鳴をあげていた。
 今にもバツンっと引きちぎれてしまいそうな生地が柔らかそうな乳房の脂肪に、まん丸に拡がるお尻の谷間に食いこんで……とてもじゃないが人目に晒せないドスケベボディに股間がソワソワしはじめる。

「おお~。素直じゃのぉ、おぬしのおちんぽは……。ズボンがモッコリしてきたぞ?」
「平和だった公園に痴女がひとり登場してしまったって感じなんだけど!」
「む? そうか? ……のう、救世主や。せっかくじゃから、ここで一発抜いてゆけ。そして二度とわらわをお子様扱いできぬよう、おぬしを教育してやろう♪」
「……こ、こんなところで? 誰かに見つかるかもしれないだろ!」
「うむ? そうじゃなぁ。では、これでどうじゃ……《結界》!」

 ノルが手を高く掲げると、またばるんばるんと両胸が暴れる。
 キィイン、と高音が聞こえたかと思うと彼女はニヤッと悪戯な表情で笑った。

「……これで人の目なぞ気にせずに、しっぽり教育が始められるのぉ♪」
「……うーん……」

 一秒前とまったく変わったところの見当たらない景色に、俺は不安を覚えた。
 本当に結界なんて張れているんだろうか、もしかしたら誰かに見られてしまっているんじゃないだろうか……。

「この美しく偉大なるわらわを信じよ。平気じゃよ、わらわたちのすぐ隣を人が歩いたとて、存在を気取られることはない。衆人環視っぽい『しちゅえーしょん』は嫌いかの?」
「嫌いじゃない……けど。けど、そんなにバンバン魔法を使って大丈夫なのか? それこそもう転移できなくなるぞ」
「平気じゃよ。アルフヘルムの森に近い環境……ここのような公園や川や海。自然の多い場所に触れておれば、微量ではあるが魔力はこの身に蓄積される。ま、今ので今日溜めたぶんはすっかり綺麗にすっからかんになってしもうたが」
「なんて計画性のない大長老様だ……!」
「ゆえに、いずれはまた森に戻ることも可能じゃと思うてな。それまでの短い間、おぬしの世界を楽しみ尽くすことにしたというわけじゃ」
「なるほど。そう言われてみると理屈は通っている気がするけど……」
「ええい、ごちゃごちゃ面倒くさい! とぉっ、食らえ! ボインボインアターック!」

 だっ、と勢いをつけて地面を蹴ったノルが、いきなり両腕で飛びついてきた。

「おっ……おああああっ!?」

 砂場の上に押し倒され、むぎゅむぎゅとノルの爆乳で顔を潰される。
 呼吸ができずにバタバタ手を動かしていると、彼女は身体を起こしてにんまりした。

「もう逃がさぬぞ、わらわは最強のエルフ! 大長老ノル様じゃ! おぬしはここでわらわと堕落の極みを、悦楽の限界を楽しむのじゃよ!」
「あ、ああああ……」
「そーれ、脱ぎ脱ぎじゃ。お、いいのぉいいのぉ……口では何を言うておっても、こっちはとーっても素直じゃな。もうビンビンではないか♪」

 俺のズボンを下ろし、シャツをめくりあげて胸板を日光に晒すと、ノルは露わになった素肌の上に自分の胸を置いた。

「っ……!」

 むにゅう……と身体の上に広がるぬくもり、そしてこんな公共の場所で……ついさっきまで子どもたちが戯れていた場所でノルにペニスを握られる背徳感に、俺は信じられないくらい興奮してしまっていた。

「はぁ、はぁ、はぁ……! け、結界が作動してなかったらお縄になって終わりだぞ!」
「ぬふふ……そのときにはわらわがまた助けてやる。余計なことを考えるな、おぬしはいつも悩みすぎじゃ。頭を一度カラッポにして、わらわの手と胸に集中してみよ。いいんじゃよ、馬鹿になっても……」

(馬鹿になる? そんなこと許されるわけが……)

「……なぜじゃ? おぬしには大魔法使いがついておる。その時点で無敵『もーど』じゃ……もういいんじゃよ。そんなに心配ばかりせずとも、おぬしはもう自由じゃ。わらわが傍におるんじゃからな。……それ」

 ぐっ、と手のひらでペニスの幹を握ったかと思うと、それを持ち上げる。亀頭が天を向き、太陽の温かさを感じると……もう何がどうなってもどうでもいい気がした。

「超天才大魔法使い、このノルに気に入られ……愛でられておることをもっともぉっとしっかり認識せよ♪」
「そ、それはいいオモチャを手に入れたってことじゃなくてか!?」
「当然違う。んん? まだわからぬか。わらわは嘘はつかぬ。……おぬしはもう、人生まるごと大丈夫なのじゃ……嬉しかろう? にひひひっ♪」

(裸になって、ノルとやらしいことばっかりして生きていく……)

 そのイメージは、楽園のような天国のような……俺の知らない世界だった。

「うむ。おぬしの仕事は、わらわでおチンポを硬く太くさせること、それだけじゃ。ふふ……おそらく天職ではないか? じゃって、こんなにビクビクしておるぞ?」

 ペニスに緩くまとわりついている包皮、それごとゴシゴシと心地よい力加減でノルの指がしごきはじめる。

「は……ぁ、ああ……うぁあ……!」
「さっきはしこたまナデナデしてくれたからの。お礼じゃ。おチンポを……そうじゃな、亀頭も棒もタマタマも、わらわが嫌というほどナデナデしてやろう」

 五本の指が別々に動き、裏筋を薬指がなぞりあげたかと思えば親指が亀頭をムニムニと刺激してくる。
 あえて尿道口あたりには触らないようにしながら、ノルの手は巧みに男根の根元から先端までを愛おしそうに何度も往復する。

「んっ、んっ……んっ……あぁ……この熱、このゴリゴリとした感触たまらぬわ……」

 丸い輪を作った親指と人差し指で肉笠をズリズリと圧迫し、滲み出してきた透明な雫を見て目を細める。

(心の底から楽しそうにイジってくるな)

 俺のペニスの先っちょからトロっとカウパーが垂れると、それをすくって上手に肉幹へとなすりつける。

「は、ぅ……!」

 次々に垂れる先走り汁を利用して、乾いていた手を濡らすとノルはわざとゆっくりとスピードを落としてぬちゃっ……にちゃっ……とこちらに水音を聞かせながら手コキを続けていく。

「なんとナデナデしがいのある、大きなおチンポじゃ……。その上この、濡れやすい鈴口……。おぬし、とんでもなく感じやすいのじゃなあ?」











 糸を引き、ノルの指と肉筒との間にかかる我慢汁の橋を観察しつつ、ノルは自分の胸を俺の肌の上でぷるぷる揺らす。

「胸、胸……触りたい!」

 股間に絶えず与えられる快楽で、本当に頭が悪くなってきた。
 語彙力を失いながら手を伸ばす俺に、ノルはくすっと微笑んだ。

「そうかそうか、おっぱいが好きか……。しょうがないのぉ。ま、これはおぬしのモノじゃから……? 焦るまでもなく、好きにすれば良いが」
「手が届かない……もっとこっちに来てくれ!」
「無論。それが救世主の願いであれば。よっと……!」

 ずりゅっ……、と俺の身体の上を流れる美巨乳。
 それを必死で手で握ると、チンポも腕も一度に幸福でいっぱいになった。

(ああ……もうどうなってもいい! 一生こうしてノルとイチャついていたい!)
「んっ♪ んはっ……や、やめよ。くすぐったい♪」

 俺がノルの白い乳房を撫で回し、乳首をつまむと優しく叱られた。

「おぬしと違ってわらわの身体は『でりけぇと』なのじゃぞ? 乱暴に扱ってからに……ま、そういう『ぷれい』も嫌いではないが」
「だろうな、ちょっといじっただけで勃起してる」
「……ば、馬鹿。おぬしのきかん棒、このデカブツに比べれば些細なものじゃ! んっ、じゃから……んぁあっ♪ クリクリするな、困った奴めぇ……♪ はぁぁう……っ♪」

 気持ち良さそうに身体を揺らし、俺の手の中で膨らみをもてあそばれている。
 ノルは敏感な胸先をけなげに尖らせ、よがりながらも俺のモノを手放さず……むしろますます熱のこもった手つきでまとわりつくように滑らかに動き続ける。

「はぁ、はぁ、はぁ、はあっ……!」
「……ん? 持ち主と違って、チンポの方は甘えん坊でお利口じゃなぁ~? どうすればわらわにもっと気持ち良くしてもらえるか、もう理解しておるぞ?」
「~っ……!」

 無意識にノルの手にペニスを押しつけようと、腰がカクカク動いてしまう。

「あはっ♪ これこれ……はしゃぐでない。んふ……なんと大きなイチモツじゃ。手で握りきれん……。しかも脈打って、ここに心臓があるかのよう……。力強く、逞しく……。ああ、見ているだけでウズウズしてくるのじゃ……っ」

 ぎゅううう……と力をこめてペニスの根元を搾っていたノルはもう片方の手で陰嚢を揉みはじめ、その重みに、感触に感嘆の息をつく。

「おぉ……こんなにズッシリと……。まったく、救世主どのは最高じゃな。この中から特濃の精液がビュクビュク迸るかと思うと……わらわの雌が疼き出すわ……」

 ちゅくっ、にゅるっ、ちゅっこっ、ちゅこっ、ちゅこ……っ!
 どんどん速度を増してペニスを愛撫しながら、ノルは何を思ったか俺の腹にチュッと口づけをした。

「……お!? おっ……あっ、ふ、不意打ち!?」
「んふふふ……あんまりにも可愛いおなかじゃったからのぉ。ほーれ、ちゅっ、チュッ、ちゅっ、ちゅっ……♪」
「んああああ……!」

 俺の手にはノルのおっぱい、ノルの手には俺のたかぶった肉棒。
 その上愛情いっぱいに唇でちゅうちゅうと腹にキスの雨まで降らされては、我慢のしようがなかった。
 陰嚢の中をぐるぐる渦巻き、巡っていた精液がビュッ! とひとすじ宙を舞う。

「お……♪ 出た出た。じゃが、まだまだこんなものではないよなぁ? 次々出してもらうぞ? ……このノル、容赦せん♪ ほれほれほれ♪」

 俺の玉袋から肉筒、亀頭から尿道口までをリズミカルにしごきあげ、びゅるっ、と精子を放たせると素早く手を根元に戻し、また先端までを一気に搾り抜く。

「っぁっ、あ!」
「おおおお……♪ ビュルビュルと面白いくらいに射出されておる♪ もっと、もっとじゃ……もっとぴゅるぴゅるせよ♪」
「ノ、ノル……!」

 ノルの手に射精を操作されているみたいに、ひと搾りごとに1回白い樹液を漏らし、盛大に公園に撒き散らす。

(……も、もう何も考えられない……!)

 獣のように腰を振り、ノルに導かれながら何度も繰り返し射精する。
 大きくのけぞって脚をけいれんさせながら発射を続けていると、照準を誤ったぶんがノルの顔や胸にかかって、あたりがイカくさい臭いに包まれていく。

「あぷ……っ、やたらめったらに精を吐き出して……。じゃが、その顔。蕩けきったその顔をわらわは見たかったのじゃよ……。最後の一滴まで遠慮せず撃ち出すがよい♪」

 ペニスを握られているだけなのに、ノルの愛情に全身を抱きしめられているみたいだった。
 何でも自分でやらなきゃいけない、そんな苦しい世界で今だけは……ノルの母性に抱かれ下の世話も、射精の管理も全部やってもらえる安堵……。
 それはノルがこちらの世界に来るまで、感じたことのない初めての解放感だった。

「あ、ああ……止まらない、永遠に出る……!」
「ああ。出せ出せ。おぬしの身体の奥に潜んでおったドロドロの膿を……。わらわにだけは隠さず見せてくれ」

 白濁まみれになりながら聖母めいた微笑を浮かべるノルに、木漏れ日が射し、まるで幻想的な絵画みたいに美しかった。

「どちらの世界でも、おぬしにはわらわがついておるゆえ。好きなように生きるがいい。あはっ……♪ 見よ。精子まみれになってもわらわは笑っておるじゃろう? おぬしがおれば……わらわもまた、どんな世界でも幸福じゃということ。もっと自信に思え♪」

 おぬしはわらわの赤ちゃんになって良いのじゃよ。
 ……ノルのその台詞に、最後の理性が弾け飛び、股間で精液が爆発した。

「んんんぅっ!? ちと搾りすぎた……!」

 びゅるっ、びゅぶっ、ぶびゅるるるっ!
 慌てるノルを子種で覆い、激しくマーキングする。

「……ッ、こ、こんなに種汁をぶっかけられたら……わらわも、わらわも感じてしまうじゃろが……んんんんんーっ……!」

 軽く絶頂したノルの、呆けた顔を見てきっと自分も同じくらい……それ以上にだらしない顔をしているんだろうと思った。

(嫌いだったこっちの世界を、ノルとめちゃくちゃに汚すのは……楽しい)

 もちろん、建物を魔法で蹂躙したり誰かを傷つけるのには躊躇があるけれど。
 ノルがいれば、もしかしたら伝説の魔王にだってなれるかもしれない、と一瞬考えた。
 
(ノルがいてくれたら)

 俺はもしかしたら、どこにでもいる伊藤祐一じゃなくて、今まで想像もしなかった何かに、何にだってなれるかもしれない、と思いながらする射精は……自分史上最高に気持ち良かった。
 ずっと心の中に溜まっていた毒が、わだかまりが、憎しみが、ノルの手で解き放たれていく。
 そんな快感を知って、もう……俺はノルなしで生きていく自分が、まるで想像できなくなってしまった。

 ※※※

「……それで、魔力が溜まったらすぐにアルフヘルムに戻るつもりなのか?」

 射精が終わっても、なかなか興奮が冷めやらず、半裸のままで問いかけると……自分の顔に、胸についた精液を指でぬぐい、ペロペロと舌で舐めていたノルは悪役めいた笑みを見せた。

「そうじゃな。じゃが……シコシコする前に言うたじゃろ。それには莫大な魔力が必要なのじゃ。ゆえに、おぬしがわらわを……この世界のありとあらゆる美しい場所。あらゆる自然の集う場所へと、で、『でぇと』で連れていかねばならぬ」
「デート……?」
「そう。『でぇと』じゃ。じゃが……『でぇと』をすればするほど、きっとその場所でHしたくなってしまうじゃろからな。せいぜい体力にだけは気をつけるがよい」
「世界のありとあらゆる場所でエッチしないと戻れない……ってことか?」
「うむうむ♪ その通り! 物分かりが良くて助かるぞ」
「……わかった。付き合おう」
「……それは誠か!?」

 自分が世界中を連れ回すと宣言したくせに、了承されてびっくりしている。
 目を丸くしていたノルは、本当だって、と俺が言うとすぐにご機嫌になって……本当に嬉しそうに抱きついてきた。

「んふふふっ! さすがはわらわの見込んだ救世主どのじゃ。心意気が男前じゃの♪ これから末永く……永久によろしく頼むぞ!」
(やれやれ。魔法で身体を大きくしても、中身はいつものノルなんだよなぁ)
「好きじゃ、大好きじゃ、……ふふふ♪ 救世主どのを独り占めできるのならば、こちらの世界に来て良かったかもしれぬのぉ♪」

 ぐりぐりぐり、と顔を胸板に押しつけられながら、俺はふいに空を見上げ……。
 雲の垂れこめていたその天が、いつの間にか青く澄み渡っているのを見つけたのだった。





  ◆◆◆ノル編・おわり◆◆◆

次回は『フィリス・前編』更新は9月28日(金)の予定です。お楽しみに!!


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