ボクと彼女(ナース)と彼女(女医)の診察日誌
2019年12月3日
ぷちぱら文庫
著:望月JET
画:もねてぃ
原作:プレカノ
12月13日発売のぷちぱら文庫『ボクと彼女(ナース)と彼女(女医)の診察日誌』のお試し版です!
作品情報はこちら
晴れて研修医となったとたんに骨折なんてツイてない!
だけどナースになった幼馴染に世話してもらうなんてツイてる!
作品情報はこちら
晴れて研修医となったとたんに骨折なんてツイてない!
だけどナースになった幼馴染に世話してもらうなんてツイてる!
骨折してから数日が経った。検査の結果、順調に骨は治ってきているようで、車椅子での移動が可能になった。
片手で動かすのは大変だけど、おかげでトイレも行けるようになった。院内の障害者用トイレは広くて車椅子のまま入れるので助かる。無事なほうの手で手すりを掴んで、無事なほうの足で澪に支えてもらいながら立ち上がる。あとは便座に座るだけだ。用を足している間、澪にはトイレの外で待っていてもらう。つまり、お互い恥ずかしい思いをしないで済むわけだ。
(あれから何もないけどね……)
澪に口でしてもらってからは、なるべくそういう方向に話をもっていかないようお互い気を遣ってしまっている。
(当たり前だ。恋人でも何でもないただの幼馴染みに、あんなことを……澪はあのときは看護師として俺を助けたい一心でやったんだろうけど、冷静になって考えたら後悔していてもおかしくない。いや、当然だ)
表面上は変わらず明るく振る舞って世話を焼いてくれているが、こちらとしては余計にそれがいたたまれない気持ちになる。本当にトイレだけでもひとりでできるようになってよかった……。
「白沢先生、検温の時間です」
カーテンを開けて澪が入ってきた。会うのは、朝食のトレーを下げてから今日二度目だ。
「トイレは大丈夫ですか?」
「ああ、まだ大丈夫」
カーテンを開けたままなので、他愛ない話をして和やかにやり過ごそう。澪は丁寧語だし、俺も他人行儀な口調になっている。
「あの、お風呂、とかそろそろどうですか?」
澪から風呂と聞いて無意味にドキリとした。風呂? 風呂って……あの風呂だよな。
「ああ、風呂ね。うん」
「ええ。ずっと清拭だけだったから、そろそろ入れるんじゃないかと思って」
そういえばそうだ。骨折してから清拭といって、身体をタオルで拭いてもらっていたんだけど……。
すると隣のベッドにいるおじさんの患者が「久しぶりの風呂は気持ちがいいよ。生き返る」と嬉しそうに言ってきた。その言葉で変に澪を意識していた自分が恥ずかしくなった。
「じゃあ入ります」
「わかりました。まだ今日の夜のぶん空きがあったので、予約入れておきますね」
「お願いします」
風呂は予約制なのであらかじめ入りたい時間帯に予約申請しておくのだ。が、患者の数が多いと入りたい時間帯に入れない。見たいテレビ番組なんかが被ると熾烈だ。みんな起床時から風呂の予約をしに受付に向かう。動けないが風呂には入れる患者は一番分が悪い。 俺も澪に予約を取ってもらうことになったけど、正直どの時間帯でもいいや。
検温のアラームが鳴って終了。澪は特に雑談するわけでもなく戻っていった。
そんな姿に内心安堵しつつも、どこか複雑な気持ちになった。
夜になって澪が迎えに来た。無事に風呂の予約が取れたようだ。
車椅子で脱衣所に到着してから、石膏で固めている腕と足が濡れないように処置を行っていく。当然だが、石膏は濡れると脆くなってしまう。水を吸って重くなってしまうこともあるし、患部に巻いてある布に染みて不衛生でもある。
「はい、じゃあ洗っていくよ、卓也」
「お、おう……」
ふたりだけになったので澪の口調が砕けた。脱ぐのも手伝ってもらっていざ浴室に入ったんだが、当然のごとく澪も一緒に入ってきた。
「……澪が手伝うのか?」
「当たり前でしょ? ひとりでどうやって洗うつもり?」
「そ……うだよね」
今の俺は腰にタオルを一枚巻いているだけ。心許ない格好で澪の前にいることが、どうしても落ち着かない。その澪も、さっきから頬を赤らめてちらちらと俺の体に視線を向けてきていた。
……尿瓶の件以降、こういうことは避けてきたつもりなのに、一気に水の泡感。
「え、えっと、他の人に洗ってもらう?」
澪が上目遣いになって、じっと見つめてくる。そんな目で見るのはずるい。それでは断れるわけがないじゃないか。
いや、意識しないようにすればいいだけの話だ。よし、澪に洗ってもらおう。
「澪、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いされました♪」
澪は輝かんばかりの笑顔で頷いた。恥ずかしいのは確かだが、嬉しくないわけじゃない。それにあんなことはもう起こらないだろう……と思う。
骨折しているほうの足を庇いながら洗い場の椅子に座る。
「じゃあ、そのままジッとしててね」
澪は気軽にそう口にすると、そっと俺の背中へ身を寄せて来た。
「……っ!?」
うなじに柔らかい感触が押し当てられた。同時に澪の手が滑るように俺の胸元を撫で回していく。
「あっ、くすぐったかった?」
「い、いや、大丈夫。ちょっと驚いただけだから」
「そう? じゃあ続けるね」
澪の声が耳元から聞こえてくる。俺の体を洗うために動いているからか、少しだけ呼吸が荒くなっていた。その澪の吐き出す息の感触に、何とも言えない気分にさせられてしまう。
「ふふっ、すごく変な気分かも。卓也の背中をこうして流すなんて」
「それを言うなら俺のほうだ」
「一度も考えたことなかった?」
「当たり前だろ。いくら幼馴染みだからって」
そして俺のナニを咥えたこともね……あんなこと一度も考えたことないよね……。
「あのね、卓也。何だかよそよそしくなっててごめんね。ちょっと、どんな顔して会っていいのかわからなくて」
背中の向こうで澪が申し訳なさそうに言った。もしかして、あの“尿瓶事件”のことを悪く思っていたのか? そんな……むしろ、俺のほうが悪いことをさせてしまったって思っているのに。
「俺のほうこそごめん。あんなこと澪にやらせて」
「ううん、私は……」
澪が言葉に詰まった。すごく照れているのが背中越しに伝わってくる。
「よそよそしいなんて思ってなかったよ。むしろ、あれが本来の患者と看護師の関係というか、何というか」
「ふふ、でもちょっぴりつらかった。卓也のお世話するの好きだから、ぎこちなくなるのやだなぁって。でも恥ずかしくて」
そうか……澪は後悔していたのではなくて、恥ずかしくてよそよそしかったのか。
何だろう、それを聞いてまた俺、変に安心してるな。
「卓也の背中、流せて嬉しい」
「そ、そうか」
「卓也は?」
「俺も、うん。ぎこちないなって思っていたから。こうしてまた澪に世話されるの、嬉しいよ」
「えへへ、やったぁ」
よかった、お互い妙な気遣いはしたくなかったから……。
「はーい、次は腕を上げてね~。腋を洗うよ。んっしょ……んっ……」
体勢を変えたせいか、別の角度から胸が押しつけられた。しかも背後にいる澪に視線を向けると、ナース服が濡れて透けている。
(あ……やばいっ)
背中や首の辺りに感じられる柔らかい感触。耳元に感じられる澪の吐息。それにちらりと見えた透けたナース服。入浴のお世話をされているというのもあるだろう。
そんな特殊なシチュエーションに、体が勝手に反応し始めた。
「ん? 卓也、力が入ってるけどどうかしたの?」
俺の変化を不思議に思ったのか、キョトンとした様子でそうささやきかけてきた。そんな耳元からの言葉でも、どうしようもなくドキドキさせられてしまう。
「い、いや、何でもない。澪は気にしないでくれ」
「それならいいけど……もしかして痛かった? 患部に負担はかけないようにしたつもりだったけど、ごめん……大丈夫?」
無意識だろうけど、俺を心配するように軽く前のめりになって、さらに胸の膨らみを押しつけてきた。
濡れたナース服が背中に張り付く感触。同時にむにっとたわわな膨らみが押しつぶされたのがはっきりと伝わってくる。そのため股間を覆い隠していた布地を持ち上げ、ペニスが激しく自己主張をし始めてしまった。
軽く息を飲む音が耳朶を打つ。視線が俺の股間に向かい、一気に頬が紅潮する。
「た、卓也? それって……」
「くっ……仕方ないだろ。こんな状況なんだからっ」
「あ……う、うん、そうだよね。溜まってきちゃうよね」
澪は真っ赤になったまま小声でそうつぶやくが、少し勘違いしているような……自分の状態がわかっていないのかな? 濡れて透けたナース服を着たまま、胸を俺へと押しつけている。ほのかに伝わってくる体温だけでも、かなり興奮させられてしまうというのに。
「と、とりあえず少し離れてもらえるかな? そうしたら落ち着くと思うから」
「……でも、大きくしたままだったら辛いよね? それなら……」
「え……いやいやいやいや?」
かろうじて勃起したモノを隠していたタオルをはぎ取られてしまった。ギンギンになったペニスが露わになり、天を突く勢いでそそり立つ。
「わ……すごい、大きい……それにカチンコチンになってる……」
恐る恐るといった手つきで、ペニスに指が絡みついてきた。その瞬間に痺れるような快感が這い上がってきて、思わず強く息を飲む。
「み、澪っ」
「きゃっ……や、やだ、今ビクンって……それに熱くて……脈打ってる。こ、この前、これをお口でしたんだよね?」
そう、前回これを澪がその美味しそうな唇で舐めてしゃぶってくれたところだけど、この展開は、また……同じじゃないか?
「何か、明るいところでみると……すごいかも」
両手でペニスを掴むようにして触れてくる。まるで俺のモノの形を確かめるかのように、ゆっくりと指で撫でられた。
「くっ……う、ダメだって、それはっ」
「えっ、でも……ここは嫌なんて言ってないよ? こういうことは全然慣れてないけれども、それくらいはわかるんだから」
「いや、あのっ」
「んっ……まだ、大きくなるんだ。わぁ、こんなに大きいのを口に入れてたんだ、私……」
口でしてくれたことを思い出したのか、興奮したような、うわずった声を上げる。呼吸が少しだけ荒くなっているのか、耳の裏や首筋の辺りにかかる吐息がくすぐったい。
「あっ、でもこの感触は覚えてる。膨らんだところとか、くびれたところが特に気持ちよかったんだよね?」
指先がゆっくりすべるようにして、亀頭から裏筋のラインを撫でていく。カリのくびれたところで動きを止めると、そのまま撫で回してきた。
「きゃっ、すごい。卓也のオチンチンってば、こんなに元気に動いてる。もう、仕方ないんだから……。また我慢できないくらい溜まっちゃったんだ……?」
ぎゅっと指を絡ませ、ペニスを握ってきた。力加減がわからないのか恐る恐るだが、ゆっくりと上下にこすり始める。
「いいよ、このまま出しちゃお……? 勃起したままだと辛いもんね」
「そ、それじゃこの前のときと同じじゃないか? こんなのは……」
「うん……私は全然構わないよ? むしろ、卓也のここに触れられて……ちょっと嬉しい」
(ど、どういう意味だ? 男のペニスに触れて嬉しいって……)
「それに、一回お口でしてるんだもん。手でするくらいべつに、何でもないし……?」
そう言う澪の声は、少しだけ緊張しているようだ。それでもしっかりと俺のペニスを握った状態で、先っぽから根本まで何度も扱いてくる。
「もし痛かったりしたら言ってね? 変な体勢になって、足とか悪化させちゃったら大変だから」
「い、いいのか? また澪に、こんなこと」
「いいの。卓也だから……」
そう言って、少しだけ股間を扱く手つきを強くしてきた。濡れた手で股間をまさぐられているため、くちゅっ、ぬぷっと音が鳴る。その音を聞いてるだけで、恥ずかしいほど興奮してくる。
「ふふっ、ピクンピクンしてる……それに先っぽからヌルヌルが出てきたね」
先っぽから先走り汁がにじみ出る。それを指先で何度もすくいつつ、亀頭全体に塗りつけるようにして触れてきた。思わず声が漏れる。
澪の細くてしなやかな指が、ヌルヌルの亀頭を撫で回す。竿を根本から先まで丁寧に何度もこすっては、俺の感じるポイントを重点的に弄ってくる。
まだぎこちなさが残っているものの、思わず息を飲んでしまうくらい、いい。
「今の、気持ちよかった?」
俺が体を緊張させたのが伝わったのだろう。澪は嬉しそうに声を上げた。
俺の肩ごしに股間を見下ろしているためか、ますます体を密着させてくる。
「あ、ああ、よかったよ、澪」
「ふふ、そうなんだ? 卓也ってばオチンチンのここを弄られるのが気持ちいいんだ。じゃあ、今度はこんなのはどう?」
亀頭をぎゅっと手で包み込んできた。そのまま一番膨らんでいるところを、少し強めにして小刻みに扱いてくる。
「きゃっ、すごい……手の中でビクンビクンって暴れ始めた。先っぽから、ヌルヌルがもっと出てきたし。卓也、そんなに感じてくれてるんだね。私も何だか……」
熱の籠もったため息をゆっくりとつく。耳をくすぐるように抜けていくその吐息に、ぞくりと背すじがざわめいた。肩越しに澪の顔を見てみると、興奮しているかのように赤らんでいる。
「こうして触っていると、すごく不思議な感じ。男の人のって、こんなにすごいんだ……」
さらに澪の手がペニスを扱いてくる。くちゅくちゅと湿った音が浴場に大きく響いた。
「はぁ、んんっ……あん、んっ……」
澪がペニスを弄りながら、悩ましい声を上げだした。しかも、もしかしてノーブラなんだろうか? 背中に押し当てられている大きな胸の感触の中に、服越しなのにコリッとしたモノを感じていた。
「きゃっ!? な、何、もっと大きくなって……どうかしたの、卓也……?」
「い、いや、何でもないっ」
どうやら澪は自覚していないようだ。手でペニスを扱くことに集中していて、胸を押しつけていることに意識が向いていない。
(これはマズイ。あまり持たなさそうだ……)
イクのを我慢する必要はない。だが、男として簡単にイカされてしまうのは少し情けないモノがある。
「んっ……どうしたの、卓也。何か我慢してる? さっきから、すっごく体に力が入っているみたいだけど……」
「気のせい、じゃないか? くっ……はぁ、はぁ」
「うーん……やっぱり我慢してない? 出したいときに、好きに出していいんだよ?」
「わかってる……くっ、はぁ、はぁ」
どんどん澪の手の動きが速くなってきた。ギンギンに勃起してしまっているペニスを少し乱暴なくらい激しく扱かれる。
すぐに激しい快感が膨れあがり、我慢の限界を超えてしまった。
「ダメだっ……澪、出る……!」
「うん、いいよ、卓也。精液、いっぱい出して……?」
背後から微笑むような気配が伝わってきた。同時に澪の指先が亀頭を集中して撫で回してくる。
「くぅぅぅっ、出る……くぁああぁぁっ……!」
思わず腰を突き出してしまう。込み上げてくる快感に突き動かされるまま、思いっきり射精してしまっていた。澪の手の中に白濁液を飛び散らす。
「きゃっ!? んっ……あんっ、すごいっ……熱くて、どろどろしたのが先っぽから出てくる。それに、オチンチンがすごいビクンビクンって……」
澪の手に包み込まれながら、ペニスは激しく脈動を繰り返す。下手に我慢したからだろうか、かなりの勢いで撃ち出されていた。
澪の手はあふれ出た精液にまみれてドロドロになり、白濁色に汚れていく。それを見てまた精液が飛び出た。
「くっ……あぁ……はぁっ、はぁっ……」
「いっぱい出たね、卓也……溜まってた?」
尿道に残っている精液まで搾り出すようにして、強く握って手を上下に動かしてくる。 気持ちいいようなくすぐったいような、イきすぎるとこういう感じになるのか、変な声が出てしまう。
やがて、最後まで扱かれたように、ドロリとした精液が垂れて射精が止まった。
「はぁっ、はぁっ……」
「ど、どうかな? 足、痛くない?」
「大丈夫……ありがとう、澪」
「うん……えっと、どういたしまして……? って言うのも何か変な感じだけど」
まだ俺のペニスを弄りながら、澪は照れたようにはにかんだ。
確かにこの状況でお礼も変な感じがする。思わず笑い出しそうになった。
「おかげで溜まってたものが全部出たよ」
「よかったぁ」
とそこへ、使用時間終了を知らせるアラームが鳴った。予約制なので次に使う人の時間になったら知らせてくれるのだ。
「まずい」
「い、急いで、でも骨折に触らないように洗うね!」
俺も空いている手で自分の身体や頭を洗っていく。
「ちょ、ちょっと、待って卓也。私にも泡飛んできてるっ」
「もうそんだけ濡れてるんだから澪も洗えば?」
「そういうわけにはいかないって。ああん、もうだからっ、私が洗うから卓也はじっとしてて……きゃあっ」
俺がめちゃくちゃに自分の頭を洗うので、泡が澪にたくさん飛んだ。
俺たちは思わず笑い合った。
この続きは、12月13日発売のぷちぱら文庫『ボクと彼女(ナース)と彼女(女医)の診察日誌』でお楽しみください!!
(C)JET MOCHIDUKI/プレカノ
片手で動かすのは大変だけど、おかげでトイレも行けるようになった。院内の障害者用トイレは広くて車椅子のまま入れるので助かる。無事なほうの手で手すりを掴んで、無事なほうの足で澪に支えてもらいながら立ち上がる。あとは便座に座るだけだ。用を足している間、澪にはトイレの外で待っていてもらう。つまり、お互い恥ずかしい思いをしないで済むわけだ。
(あれから何もないけどね……)
澪に口でしてもらってからは、なるべくそういう方向に話をもっていかないようお互い気を遣ってしまっている。
(当たり前だ。恋人でも何でもないただの幼馴染みに、あんなことを……澪はあのときは看護師として俺を助けたい一心でやったんだろうけど、冷静になって考えたら後悔していてもおかしくない。いや、当然だ)
表面上は変わらず明るく振る舞って世話を焼いてくれているが、こちらとしては余計にそれがいたたまれない気持ちになる。本当にトイレだけでもひとりでできるようになってよかった……。
「白沢先生、検温の時間です」
カーテンを開けて澪が入ってきた。会うのは、朝食のトレーを下げてから今日二度目だ。
「トイレは大丈夫ですか?」
「ああ、まだ大丈夫」
カーテンを開けたままなので、他愛ない話をして和やかにやり過ごそう。澪は丁寧語だし、俺も他人行儀な口調になっている。
「あの、お風呂、とかそろそろどうですか?」
澪から風呂と聞いて無意味にドキリとした。風呂? 風呂って……あの風呂だよな。
「ああ、風呂ね。うん」
「ええ。ずっと清拭だけだったから、そろそろ入れるんじゃないかと思って」
そういえばそうだ。骨折してから清拭といって、身体をタオルで拭いてもらっていたんだけど……。
すると隣のベッドにいるおじさんの患者が「久しぶりの風呂は気持ちがいいよ。生き返る」と嬉しそうに言ってきた。その言葉で変に澪を意識していた自分が恥ずかしくなった。
「じゃあ入ります」
「わかりました。まだ今日の夜のぶん空きがあったので、予約入れておきますね」
「お願いします」
風呂は予約制なのであらかじめ入りたい時間帯に予約申請しておくのだ。が、患者の数が多いと入りたい時間帯に入れない。見たいテレビ番組なんかが被ると熾烈だ。みんな起床時から風呂の予約をしに受付に向かう。動けないが風呂には入れる患者は一番分が悪い。 俺も澪に予約を取ってもらうことになったけど、正直どの時間帯でもいいや。
検温のアラームが鳴って終了。澪は特に雑談するわけでもなく戻っていった。
そんな姿に内心安堵しつつも、どこか複雑な気持ちになった。
夜になって澪が迎えに来た。無事に風呂の予約が取れたようだ。
車椅子で脱衣所に到着してから、石膏で固めている腕と足が濡れないように処置を行っていく。当然だが、石膏は濡れると脆くなってしまう。水を吸って重くなってしまうこともあるし、患部に巻いてある布に染みて不衛生でもある。
「はい、じゃあ洗っていくよ、卓也」
「お、おう……」
ふたりだけになったので澪の口調が砕けた。脱ぐのも手伝ってもらっていざ浴室に入ったんだが、当然のごとく澪も一緒に入ってきた。
「……澪が手伝うのか?」
「当たり前でしょ? ひとりでどうやって洗うつもり?」
「そ……うだよね」
今の俺は腰にタオルを一枚巻いているだけ。心許ない格好で澪の前にいることが、どうしても落ち着かない。その澪も、さっきから頬を赤らめてちらちらと俺の体に視線を向けてきていた。
……尿瓶の件以降、こういうことは避けてきたつもりなのに、一気に水の泡感。
「え、えっと、他の人に洗ってもらう?」
澪が上目遣いになって、じっと見つめてくる。そんな目で見るのはずるい。それでは断れるわけがないじゃないか。
いや、意識しないようにすればいいだけの話だ。よし、澪に洗ってもらおう。
「澪、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いされました♪」
澪は輝かんばかりの笑顔で頷いた。恥ずかしいのは確かだが、嬉しくないわけじゃない。それにあんなことはもう起こらないだろう……と思う。
骨折しているほうの足を庇いながら洗い場の椅子に座る。
「じゃあ、そのままジッとしててね」
澪は気軽にそう口にすると、そっと俺の背中へ身を寄せて来た。
「……っ!?」
うなじに柔らかい感触が押し当てられた。同時に澪の手が滑るように俺の胸元を撫で回していく。
「あっ、くすぐったかった?」
「い、いや、大丈夫。ちょっと驚いただけだから」
「そう? じゃあ続けるね」
澪の声が耳元から聞こえてくる。俺の体を洗うために動いているからか、少しだけ呼吸が荒くなっていた。その澪の吐き出す息の感触に、何とも言えない気分にさせられてしまう。
「ふふっ、すごく変な気分かも。卓也の背中をこうして流すなんて」
「それを言うなら俺のほうだ」
「一度も考えたことなかった?」
「当たり前だろ。いくら幼馴染みだからって」
そして俺のナニを咥えたこともね……あんなこと一度も考えたことないよね……。
「あのね、卓也。何だかよそよそしくなっててごめんね。ちょっと、どんな顔して会っていいのかわからなくて」
背中の向こうで澪が申し訳なさそうに言った。もしかして、あの“尿瓶事件”のことを悪く思っていたのか? そんな……むしろ、俺のほうが悪いことをさせてしまったって思っているのに。
「俺のほうこそごめん。あんなこと澪にやらせて」
「ううん、私は……」
澪が言葉に詰まった。すごく照れているのが背中越しに伝わってくる。
「よそよそしいなんて思ってなかったよ。むしろ、あれが本来の患者と看護師の関係というか、何というか」
「ふふ、でもちょっぴりつらかった。卓也のお世話するの好きだから、ぎこちなくなるのやだなぁって。でも恥ずかしくて」
そうか……澪は後悔していたのではなくて、恥ずかしくてよそよそしかったのか。
何だろう、それを聞いてまた俺、変に安心してるな。
「卓也の背中、流せて嬉しい」
「そ、そうか」
「卓也は?」
「俺も、うん。ぎこちないなって思っていたから。こうしてまた澪に世話されるの、嬉しいよ」
「えへへ、やったぁ」
よかった、お互い妙な気遣いはしたくなかったから……。
「はーい、次は腕を上げてね~。腋を洗うよ。んっしょ……んっ……」
体勢を変えたせいか、別の角度から胸が押しつけられた。しかも背後にいる澪に視線を向けると、ナース服が濡れて透けている。
(あ……やばいっ)
背中や首の辺りに感じられる柔らかい感触。耳元に感じられる澪の吐息。それにちらりと見えた透けたナース服。入浴のお世話をされているというのもあるだろう。
そんな特殊なシチュエーションに、体が勝手に反応し始めた。
「ん? 卓也、力が入ってるけどどうかしたの?」
俺の変化を不思議に思ったのか、キョトンとした様子でそうささやきかけてきた。そんな耳元からの言葉でも、どうしようもなくドキドキさせられてしまう。
「い、いや、何でもない。澪は気にしないでくれ」
「それならいいけど……もしかして痛かった? 患部に負担はかけないようにしたつもりだったけど、ごめん……大丈夫?」
無意識だろうけど、俺を心配するように軽く前のめりになって、さらに胸の膨らみを押しつけてきた。
濡れたナース服が背中に張り付く感触。同時にむにっとたわわな膨らみが押しつぶされたのがはっきりと伝わってくる。そのため股間を覆い隠していた布地を持ち上げ、ペニスが激しく自己主張をし始めてしまった。
軽く息を飲む音が耳朶を打つ。視線が俺の股間に向かい、一気に頬が紅潮する。
「た、卓也? それって……」
「くっ……仕方ないだろ。こんな状況なんだからっ」
「あ……う、うん、そうだよね。溜まってきちゃうよね」
澪は真っ赤になったまま小声でそうつぶやくが、少し勘違いしているような……自分の状態がわかっていないのかな? 濡れて透けたナース服を着たまま、胸を俺へと押しつけている。ほのかに伝わってくる体温だけでも、かなり興奮させられてしまうというのに。
「と、とりあえず少し離れてもらえるかな? そうしたら落ち着くと思うから」
「……でも、大きくしたままだったら辛いよね? それなら……」
「え……いやいやいやいや?」
かろうじて勃起したモノを隠していたタオルをはぎ取られてしまった。ギンギンになったペニスが露わになり、天を突く勢いでそそり立つ。
「わ……すごい、大きい……それにカチンコチンになってる……」
恐る恐るといった手つきで、ペニスに指が絡みついてきた。その瞬間に痺れるような快感が這い上がってきて、思わず強く息を飲む。
「み、澪っ」
「きゃっ……や、やだ、今ビクンって……それに熱くて……脈打ってる。こ、この前、これをお口でしたんだよね?」
そう、前回これを澪がその美味しそうな唇で舐めてしゃぶってくれたところだけど、この展開は、また……同じじゃないか?
「何か、明るいところでみると……すごいかも」
両手でペニスを掴むようにして触れてくる。まるで俺のモノの形を確かめるかのように、ゆっくりと指で撫でられた。
「くっ……う、ダメだって、それはっ」
「えっ、でも……ここは嫌なんて言ってないよ? こういうことは全然慣れてないけれども、それくらいはわかるんだから」
「いや、あのっ」
「んっ……まだ、大きくなるんだ。わぁ、こんなに大きいのを口に入れてたんだ、私……」
口でしてくれたことを思い出したのか、興奮したような、うわずった声を上げる。呼吸が少しだけ荒くなっているのか、耳の裏や首筋の辺りにかかる吐息がくすぐったい。
「あっ、でもこの感触は覚えてる。膨らんだところとか、くびれたところが特に気持ちよかったんだよね?」
指先がゆっくりすべるようにして、亀頭から裏筋のラインを撫でていく。カリのくびれたところで動きを止めると、そのまま撫で回してきた。
「きゃっ、すごい。卓也のオチンチンってば、こんなに元気に動いてる。もう、仕方ないんだから……。また我慢できないくらい溜まっちゃったんだ……?」
ぎゅっと指を絡ませ、ペニスを握ってきた。力加減がわからないのか恐る恐るだが、ゆっくりと上下にこすり始める。
「いいよ、このまま出しちゃお……? 勃起したままだと辛いもんね」
「そ、それじゃこの前のときと同じじゃないか? こんなのは……」
「うん……私は全然構わないよ? むしろ、卓也のここに触れられて……ちょっと嬉しい」
(ど、どういう意味だ? 男のペニスに触れて嬉しいって……)
「それに、一回お口でしてるんだもん。手でするくらいべつに、何でもないし……?」
そう言う澪の声は、少しだけ緊張しているようだ。それでもしっかりと俺のペニスを握った状態で、先っぽから根本まで何度も扱いてくる。
「もし痛かったりしたら言ってね? 変な体勢になって、足とか悪化させちゃったら大変だから」
「い、いいのか? また澪に、こんなこと」
「いいの。卓也だから……」
そう言って、少しだけ股間を扱く手つきを強くしてきた。濡れた手で股間をまさぐられているため、くちゅっ、ぬぷっと音が鳴る。その音を聞いてるだけで、恥ずかしいほど興奮してくる。
「ふふっ、ピクンピクンしてる……それに先っぽからヌルヌルが出てきたね」
先っぽから先走り汁がにじみ出る。それを指先で何度もすくいつつ、亀頭全体に塗りつけるようにして触れてきた。思わず声が漏れる。
澪の細くてしなやかな指が、ヌルヌルの亀頭を撫で回す。竿を根本から先まで丁寧に何度もこすっては、俺の感じるポイントを重点的に弄ってくる。
まだぎこちなさが残っているものの、思わず息を飲んでしまうくらい、いい。
「今の、気持ちよかった?」
俺が体を緊張させたのが伝わったのだろう。澪は嬉しそうに声を上げた。
俺の肩ごしに股間を見下ろしているためか、ますます体を密着させてくる。
「あ、ああ、よかったよ、澪」
「ふふ、そうなんだ? 卓也ってばオチンチンのここを弄られるのが気持ちいいんだ。じゃあ、今度はこんなのはどう?」
亀頭をぎゅっと手で包み込んできた。そのまま一番膨らんでいるところを、少し強めにして小刻みに扱いてくる。
「きゃっ、すごい……手の中でビクンビクンって暴れ始めた。先っぽから、ヌルヌルがもっと出てきたし。卓也、そんなに感じてくれてるんだね。私も何だか……」
熱の籠もったため息をゆっくりとつく。耳をくすぐるように抜けていくその吐息に、ぞくりと背すじがざわめいた。肩越しに澪の顔を見てみると、興奮しているかのように赤らんでいる。
「こうして触っていると、すごく不思議な感じ。男の人のって、こんなにすごいんだ……」
さらに澪の手がペニスを扱いてくる。くちゅくちゅと湿った音が浴場に大きく響いた。
「はぁ、んんっ……あん、んっ……」
澪がペニスを弄りながら、悩ましい声を上げだした。しかも、もしかしてノーブラなんだろうか? 背中に押し当てられている大きな胸の感触の中に、服越しなのにコリッとしたモノを感じていた。
「きゃっ!? な、何、もっと大きくなって……どうかしたの、卓也……?」
「い、いや、何でもないっ」
どうやら澪は自覚していないようだ。手でペニスを扱くことに集中していて、胸を押しつけていることに意識が向いていない。
(これはマズイ。あまり持たなさそうだ……)
イクのを我慢する必要はない。だが、男として簡単にイカされてしまうのは少し情けないモノがある。
「んっ……どうしたの、卓也。何か我慢してる? さっきから、すっごく体に力が入っているみたいだけど……」
「気のせい、じゃないか? くっ……はぁ、はぁ」
「うーん……やっぱり我慢してない? 出したいときに、好きに出していいんだよ?」
「わかってる……くっ、はぁ、はぁ」
どんどん澪の手の動きが速くなってきた。ギンギンに勃起してしまっているペニスを少し乱暴なくらい激しく扱かれる。
すぐに激しい快感が膨れあがり、我慢の限界を超えてしまった。
「ダメだっ……澪、出る……!」
「うん、いいよ、卓也。精液、いっぱい出して……?」
背後から微笑むような気配が伝わってきた。同時に澪の指先が亀頭を集中して撫で回してくる。
「くぅぅぅっ、出る……くぁああぁぁっ……!」
思わず腰を突き出してしまう。込み上げてくる快感に突き動かされるまま、思いっきり射精してしまっていた。澪の手の中に白濁液を飛び散らす。
「きゃっ!? んっ……あんっ、すごいっ……熱くて、どろどろしたのが先っぽから出てくる。それに、オチンチンがすごいビクンビクンって……」
澪の手に包み込まれながら、ペニスは激しく脈動を繰り返す。下手に我慢したからだろうか、かなりの勢いで撃ち出されていた。
澪の手はあふれ出た精液にまみれてドロドロになり、白濁色に汚れていく。それを見てまた精液が飛び出た。
「くっ……あぁ……はぁっ、はぁっ……」
「いっぱい出たね、卓也……溜まってた?」
尿道に残っている精液まで搾り出すようにして、強く握って手を上下に動かしてくる。 気持ちいいようなくすぐったいような、イきすぎるとこういう感じになるのか、変な声が出てしまう。
やがて、最後まで扱かれたように、ドロリとした精液が垂れて射精が止まった。
「はぁっ、はぁっ……」
「ど、どうかな? 足、痛くない?」
「大丈夫……ありがとう、澪」
「うん……えっと、どういたしまして……? って言うのも何か変な感じだけど」
まだ俺のペニスを弄りながら、澪は照れたようにはにかんだ。
確かにこの状況でお礼も変な感じがする。思わず笑い出しそうになった。
「おかげで溜まってたものが全部出たよ」
「よかったぁ」
とそこへ、使用時間終了を知らせるアラームが鳴った。予約制なので次に使う人の時間になったら知らせてくれるのだ。
「まずい」
「い、急いで、でも骨折に触らないように洗うね!」
俺も空いている手で自分の身体や頭を洗っていく。
「ちょ、ちょっと、待って卓也。私にも泡飛んできてるっ」
「もうそんだけ濡れてるんだから澪も洗えば?」
「そういうわけにはいかないって。ああん、もうだからっ、私が洗うから卓也はじっとしてて……きゃあっ」
俺がめちゃくちゃに自分の頭を洗うので、泡が澪にたくさん飛んだ。
俺たちは思わず笑い合った。
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