ムチムチデカパイマラ喰い魔王様とおんぼろ四畳半同棲生活
2019年9月4日
ぷちぱら文庫
著:男爵平野
画:Sian
原作:DWARFSOFT
「疲れた……」
薄暗い路地を帰路へとつきながら、鴫山陽彦は呟いた。
もっとも、本人に言葉を紡いだという自覚はない。極度の疲労で心中が無意識に漏れているのだ。まだ週の始まり、月曜日であるのだがその体力は消耗しきっている。
今日が特段激務だったというわけではない。陽彦の勤める大磨堂文具店は通常営業だった。いつものように事務仕事をこなし、外回りで営業へ行き、納品先でOA機器を設置し、大量の消耗品を納品し、帰社して新しい書類仕事を片付ける。
全てが終わる頃には定時はおろか、まともな食事処はほぼ閉まっているような時間帯だ。コンビニがなければ、陽彦は毎日食事を摂れるかどうかすら怪しい。
つまりは、いつも体力を極限まで疲弊させるブラック企業というだけだ。
一応は正社員という身分ではあるものの、時給に換算すると哀しくなるほどの安月給と連日のサービス残業、果たしてこれが自分の将来へと繋がる経歴になるかと問われると、全力で首を振る陽彦である。
かといって転職できるかといえば役立つスキルもなく、そもそも転職活動するための時間もない。そういった窓口も、陽彦の仕事が終わる頃にはとうに受付を終えている。
つまりは、詰んでいる。このまま安月給で生きていくだけの金を稼ぐ生活が続くのかと思うと、陽彦はげんなりする。さりとて新しく動く気力もない。
軋む階段を登り、自宅前へと辿りつく。鍵を回してドアを開け、ようやっと帰宅する。
「ただいま……」
これは意識して声を出すが、もちろん返事をしてくれる人などいない。いっそ恋人でもいれば無職期間を支えてくれて転職もできるかもしれないが、陽彦は生まれて三十年間一度も恋人ができたことがない。どころか女性経験もない。
風俗に行く蓄えぐらいはあるのだが、風俗へ行くにしても身なりをある程度整えなければならない。お仕着せの背広と部屋着のスウェット、後は襟が伸びたような外出着しか持たず、毎日極限まで疲労している陽彦にとって、そういった外出の身だしなみを整えることすら億劫である。
靴を脱いで室内に入ると、どこか饐えた匂いが出迎える。もう長い間掃除もしておらず、家賃が安いだけのおんぼろ四畳半は当然ながら通気も悪くかび臭い。
加えて陽彦の激務による無精でものが乱雑に積み重なり、さらに空気が淀んでいる。
「もう……無理……しんどい……」
電気もつけず、脱いだ背広のジャケットをハンガーにかけることすらせずに万年床へと倒れこむ。
毎日のように飲んでいる、翼を授けるドリンクもモンスターの動力源ドリンクももはや効果はない。効いている気がする、というプラシーボすら感じない。飲んだものは全て脂肪へと変換され、陽彦の肥満体を増加させているだけだ。
布団の周りへ散らかっている陽彦厳選のズリネタコレクションを開く元気すらない。それであるのに疲れマラというべきか、股間はギンギンにおっ勃っている。
布団へ倒れこんだまま、眠るでもなく目を開けて無為に時間を過ごす。理性は着替えて眠るなりなんなりするべきだと告げているが、その気力が湧いてこない。
眠ったところで起きたらまた今日のような時間が待っているのだ。そう思うと起き上がろうという気になれない。
このまま動かなければ死ねるだろうか、などとくだらないことを考え始めた瞬間??。
「うわっ!? なにっ、なにっ!?」
耳をつんざくような轟音が響き渡り、驚いて飛び起きる。近くで落雷があったのかと唯一の窓から外を見てみるが、誰も騒いでいる様子はない。少しの焦げ臭さと煙が出ているがなにかが燃えているような様子もなく、轟音もそれきりだ。
「&%&$#!」
その代わりというわけではないだろうが、よく分からない音が耳に届いて陽彦は窓枠にもたれかかる。
「ついに幻聴まで聞こえるようになったか……うわわわわわっ!」
そんな陽彦の肩をなにかが掴み、陽彦は大声をあげてしまう。自分しかいないはずの部屋で肩を掴まれれば、そうもなる。
「*&%$!」
「えええええ、なにっ、なに!? ていうか誰!?」
強引に振り返らされた陽彦の目の前に一人の人間がいた。その印象をひとことで表すならば、美女だ。それも、とんでもない美女だ。
艶のある褐色と、そこへ乗せられた意志の強さを感じさせる鋭く整った容貌は、絶妙なバランスで目鼻立ちを際立たせている。ごくごく自然に美しさを体現している、そう思わせる顔であり、街を歩くだけで男女を問わず耳目を集める、そんな類の美女だ。
ただ顔立ちが整っているというだけではなく、自身の容姿そのものへの自信が全身から満ちあふれている。
陽彦の目の前でかたどっている不満げな表情ですら、その美しさを際立たせていた。
それになにより、スタイルも抜群だ。その美しさと比例するようなデカパイが遠慮なく前へ突き出ており、しかもそれは水着のような露出度の高い服で惜しげもなく谷間がさらけ出されている。
頭についている立派な角を見て、陽彦は自分の知らないアニメか漫画のコスプレなのだろうと判断した。
「う……あっ」
そのコスプレ美女が不意に近付き、陽彦の額と自分の額を密着させる。漂ってきたあまく艶めかしい女性の匂いで陽彦の鼓動が一気に跳ね上がる。
瞬間、ばちりとなにかが弾けるような感覚が額へぶつかった。
「チッ、最悪だな。この知識転写魔法で魔力切れだ……っ!」
艶やかな唇から悪態を吐き、美女が身体を引く。その声も顔立ちを裏切らず、美しく澄んでいる。
「だが、言葉も通じないのでは状況も把握できん……必要な消費だと思わねばな」
「あ……あの、あなたは??」
「ここはどこだ?」
陽彦の言葉を遮って質問する。その眼光の鋭さで気圧された陽彦が思わず背すじをぴんと伸ばしてしまう。
「ええと、ここは俺の家ですけど……」
「ふん、狭くて汚らしい場所だ。気品の欠片も感じない」
高圧的に判断して辺りを見回し、部屋のあちらこちらへ視線を巡らせる。
「空気も淀んで匂いも酷い……が、屋根と壁で雨風を凌ぐ程度の知恵はある、か」
そこで眉を顰めるが、そんな憂いの表情でさえ美麗と言わしめるものだ。
「だが、建物に魔法の気配をまるで感じない。奴の言った通り、魔法原理もない場所であることは確かなようだ……厄介だな」
「あの、あなたは誰なんですか……? いきなり人の家に来てなにを言ってるんですか?」
一方的に貶められているうちに多少冷静になった陽彦が今度は最後まで問いかける。
「ああ? 私を知らないのか? 魔界の三分の一を治めるこのフリジア・オルンシュタインを知らないというのか?」
「魔界……? フリジア?」
魔界と言われて陽彦の頭に浮かんだのは、白塗りのメイクで歌うヘヴィメタルボーカリストの閣下と呼ばれる人物だが、それのファンというわけではないだろう。
「そう、フリジア・オルンシュタインが私の名前だ。一度で発音できる知性はあるようだな。その努力に免じて陛下と呼ばぬ不敬は許してやろう。だが、私がここを統治下に置いたのならば、呼称も改めろ」
「いや、魔界とか陛下とか、なにを言ってるんですか……?」
陽彦の質問に反応はなく、フリジアは男の全身をゆっくりと視線でなぞる。
「そんなことより魔力をよこせ」
「魔、魔力ぅ?」
素っ頓狂な声を出す陽彦に構わず、フリジアはその端正な眉を小さくしかめる。
「とぼけても無駄だ。お前が魔力を蓄えているのはひと目で分かる??いや、待てよ」
ほっそりとした指を顎に当て、視線をさまよわせる。そんな仕草ですら、どこか艶を含んで生々しいものが見え隠れしている。
「魔法原理を感じないのに魔力はある。むしろ掘り出し物は辺境にすらある、ということか。ふふ、ふふふふ。面白いではないか」
「あの、なにを言って……魔力とか魔法とか、オカルト関係は好きじゃないんだけど」
呟く陽彦をじろりと見据える眼光の鋭さで、また背すじが伸びる。だが、それは恐怖ではない。
確かに突然の事態で陽彦の頭は混乱しているが、それ以上に目の前の美女に魅了されている。
電気の消えた部屋にあってなお艶やかさが分かる褐色の肌と、一流の彫刻家によって作られたような美麗な顔立ち。そしてなにより露出度の高い服で包まれたスタイルは有り体にいって陽彦の好みに合致している。というよりはど真ん中だ。
フリジアが今少し周りに散らばっているものに注意を向ければ、自分と同じような体型の女性が多いという事実に気付いたはずだ。
「ふふ、そっちでもとぼけるのか? それともそれがここの風習か?」
そのフリジアが濡れた瞳で陽彦を見やる。そこには女が男を求める光、情欲がちろちろと灯っている。
不意にフリジアが両腕を組む。それだけでデカパイがさらに強調され、陽彦へ突き出すようにゆさりと揺れる。
思わず喉がごくりと動き、疲れマラで勃起していた股間がさらに硬くなってしまう。
「さあ、さっさと私に魔力をよこせ。私は焦らされるのが好きじゃない」
「いや、だから魔力ってなんのことだか……」
「まだとぼけるのか? そこにそんなに魔力を溜めこんでおきながら……んんっ」
フリジアの真っ赤な舌が唇を舐め、こくりと喉を動かす。たったそれだけの仕草が異様なほど淫蕩に映り、それでいて彼女の美しさは欠片も損なわれていない。
「やはり辺境の民では魔王たる私に魔力を捧げるということの栄誉は理解できないか」
フリジアの腕が解かれ、またデカパイが揺れる。それを本能的に眼で追った瞬間、また柔らかな身体が迫る。
「ならば、魔界の流儀に従って力尽くだ!」
「う、わっ!」
獲物に飛びかかる女豹の如く飛びかかってきたフリジアに押し倒され、せんべい布団へと倒れこむ。
「あうっ、ちょっ、なにを??」
「ええい、暴れるな!」
一喝され、思わず身を竦ませた隙にフリジアが陽彦のズボンを下着ごとずり下ろす。跳ねるような勢いで飛び出したチンポを慣れた手つきで柔らかく握る。
「ふふ……やはりたっぷりと溜めこんでいるではないか。こんなものをぶら下げておいてしらばっくれるとは、腹芸のつもりか?」
「おっ、あっ!」
陽彦は意味のある言葉を紡げない。生まれて初めて自分の勃起を他人の手で握られて、呻くばかりだ。がちがちになった竿へ細い指が絡みついているというだけで、さらに股間が充血するのが分かる。
「触っただけで硬くなったな……竿が太くて亀頭が張り出している。文句のない逸品だ。しかし??」
いきり立っているチンポに顔を近づけ、小鼻をひくつかせる。
「お前、ちゃんと洗っているのか? 凄い匂いだ……んんっ!」
一日の労働で汚れたチンポは汗と垢で陽彦自身の鼻に届くほど濃厚な匂いとなっている。
「んっ……けほっ、えほっ、はぁ、んっ、くうっ……」
フリジアはそれを何度も吸いこみ、嫌がるどころか香しい料理を嗅いでいるかのようにうっとりと目を細める。
「ふうっ、うっ、こんな匂いになるまで魔力を溜めこむとは……どれほど濃厚な魔力か、楽しみになってきた……んんっ!」
綺麗な鼻を近づけ、大きく吸いこみながら指の力を強くすると、それだけで陽彦は敏感に反応して腰を跳ねさせる。
「くあっ、あっ!」
「んん? ちょっと竿を握っただけで情けない声を出すな……と言いたいが、私のような美しく高貴な者に触られたことはないだろうな。いいぞ、許す。存分に情けなく啼け」
「そうじゃなくて、いきなりなにを……おおうっ!」
フリジアが手を少し握るだけで指摘されたような情けない声をあげる。その声でにんまりと笑いながら、フリジアの手が動く。
「ほれ、ほれ、ほーれ」
「はうっ、あっ、くああっ!」
手袋に包まれた手がゆっくりと上下にしごく。そうすると陽彦の竿はさらに張りつめ、先端からじわりと先走りが滲み出る。
「ふうっ、おっ、ぐっ、ぶっ!」
「はははっ、まるで豚の鳴き声だな、そら、もっと喘げ! そら、そらそら!」
「おうっ、おっ、おおっ!」
フリジアが手を動かすたびに陽彦の不様な喘ぎが漏れ、身体を跳ねさせる。脂肪でたるんだ腹がうねり、たぷたぷと揺れる様を褐色の魔王は唇を歪めながら眺めている。
「んっ……ガマン汁だけで火傷しそうなほど熱いな。見ろ、もう私の手袋がびしょ濡れだ。どうしてくれる。ん? んん?」
「あうっ、そんなっ、そっちが勝手に、おおおうっ!」
先端から漏れた先走りが亀頭を伝ってフリジアの白い手袋に染みこみ、そのうちにっちゃにっちゃと粘質の音を奏で始める。
今まで自分でしごいたことしかなかった陽彦にとって、信じられないほどの快感が全身に響く。
陽彦の脚を開かせているもうひとつの手が撫でるように動いただけでも、腰が蕩けそうな気持ちよさが伝わってくる。
「ううっ、おっ、おふうっ!」
「いいぞ、濃厚なザーメンを私にかけることを許す。好きなタイミングでイってしまえ!」
その言葉でフリジアの顔を見る。輝くような銀髪と艶のある褐色の肌という美しい組みあわせを自分のザーメンで汚す。誰も触れていない新雪を踏みしだくような背徳と快感がそこにある。
だが、陽彦の亀頭からは先走りが漏れるだけで絶頂の気配はない。情けなく喘ぎ続けているが、まだ限界ではないのがフリジアには分かる。
「ふむ、豚のような身体だが骨のあるチンポだな。しかし私を焦らすなど不敬の極みだぞ? そんな悪いチンポはこれか? ん?」
「おぶっ、うっ!」
陽彦が我慢強いわけではない。もしも普通の状況でこうなっていればとうに射精していただろう。ただ単にフリジアの登場と状況でまだ混乱が残っているだけだ。
しかしさすがのフリジアもそこまで知る由はない。ゆえに、陽彦の玉袋にねっとりとした視線を注ぐ。
「ふむ……我慢しているおかげでよりいっそう濃厚な魔力が醸成されているな。こうなったら、極限まで濃くするか」
「へ??」
「んんっ、れるっ!」
「ふおっ、おおおっ!」
フリジアが唾液をたっぷりと乗せた舌で竿を舐め、汚れをこそげとるように巻き付く。
「んっ、暴れるなこの不敬者め」
「ううっ、おっ!」
フリジアが人差し指と親指で輪を作り、竿の根本をきゅっと締め付ける。それで陽彦の動きが止められ、なま暖かい感触が竿へまとわりつく。
「ふああっ、ああっ!」
「じゅる、むっ、んんっ、んぐっ、んっ……こんどは子供の泣き真似か? こっちの味は子供どころか大人も驚く酷いものだが。んむっ!」
弾力と柔らかさが両立したフリジアの舌が亀頭を舐め回す。それでも根本を強く締め付けられたチンポは射精することができず、濃厚な快感だけが玉袋に溜まり続ける。
「んぶっ、んっ、イきたいか?」
「はうっ、うっ、うんんっ!」
ちろちろと舌を動かしながら問うてくるフリジアへ陽彦は必死に頷く。その情けない顔を見たフリジアはにんまりと笑う。
「くふふふふ、いい顔だ。だが、まだ駄目だ」
「あううっ、そんっ、どうして!?」
もはや陽彦のチンポは息を吹きかけられただけでも絶頂しそうなほど張りつめきっているが、強く締め付けるフリジアの指がそれを許さない。
「魔力を極限まで濃くすると言っただろう。ほら、私のために頑張って耐えてみろ。れるっ、れろっ、れるるっ!」
「あぐうっ、うっ、うあああっ!」
雄叫びのような喘ぎを上げ、チンポは射精させてほしいとせがんで何度も何度も跳ねる。
「いいぞ、どんどん溜まってきている。ふふ、極上の魔力を私に供することの名誉、喜ぶがいい」
「はうっ、ううっ、そんな、玉までっ!」
空いた手で玉袋をやわやわと揉む。精液が攪拌されるような気持ちよさで陽彦の視界が真っ白に明滅し、イッてないのにイッたような感覚が延々と脳を蕩かせてくる。
「いい、いいぞその顔。情けなく射精を懇願する顔、もっと見せろ! んむっ、れろっ、れるっ、ちゅぶっ、ちゅっ!」
「あううっ、あっ、おかしくっ、なるっ、うああっ!」
フリジアの手玉にとられている陽彦は喘いで身体を跳ねさせるばかりで、射精の代わりと言わんばかりに先走りをどくどくと漏らし続ける。
「しっかりせき止めているのにチンポ汁を漏らしおって。そんなに射精したいのか? れるっ、んっ」
「ふうっ、うっ、お願い、イかせて……くううっ!」
「いいのか? もう少し我慢すれば、私が直々に咥えてやろうと思っているのだがな」
その言葉で陽彦がフリジアを見る。魔界の女王は蠱惑的な笑みを浮かべ、竿に押しつけた舌をくりくりと蠢かせている。
その舌の奥、真っ赤な口内へ自分のチンポが咥えられる光景を想像して、陽彦の喉がごくりと動く。
「じゅるっ、れるるっ、れろぉっ!」
「くっ……あああああっ!」
その瞬間、フリジアの舌が深く強くこすり上げる。陽彦の喘ぎが喉から絞り出されるが、それでも射精へは至らない。その気になればフリジアの指を振りほどけるにも関わらず、ただ耐え続けている。
「ふふっ、切なそうな顔で耐えているな……そんなに私に咥えて欲しいのか? んんっ、れるっ、ちゅぶっ、れろっ」
「ふおおっ、そこ、ほじったら……ああぐっ!」
フリジアの舌が竿の根本から上まで登っていき、カリ首を丁寧になぞり、鈴口を先端がほじってくる。
どろりとした快感が浸透してくる感触で陽彦の射精感がさらに高まり、恥も外聞もなく鼻の穴をいっぱいまで広げた顔で快感を抑えこむ。
「れるっ、んっ、先走りだけでもこんなに濃厚とは……れろぉ、こくっ、んっ、凄まじいな、れろれろれろっ!」
「うっ……ぐっ!」
まるで極限の死闘を繰り広げているかのような呻きが陽彦から漏れる。もはやフリジアの言葉に応える余裕??聞いている余裕すらない。ただただ全身へ広がる快楽の火花を抑えこむことだけを考えている。
「ん……このまま出させてどんな射精か眺めるのも見物だが、王として約束は守らねばな」
「ふっ、はっ、はあっ、はっ」
つ、とフリジアの舌がゆっくりと離れる。唾液と先走りの混ぜものでできた橋を舌先がたぐり寄せ、うまそうにこくりと褐色の喉が動く。
「喜べ、お前のチンポを咥えてやる。涙を流して感謝するのだな。あー……んっ、むっ」
艶のあるぽってりとした唇が亀頭へと覆いかぶさり、ゆっくりと呑みこんでいく。
「おっ、おおおおおおおおおっ!」
なま暖かくぬめった感触で、陽彦が雄叫びのような喘ぎを漏らす。
今まで自慢のセンズリコレクションでオナニーしながら想像していたフェラチオの気持ちよさとは全く違う、遥かに超えた快感がチンポから広がってくる。
しっとりとして柔らかく、ぬめっていて暖かい。その感触が巻き付きながら根本まで下りてくる。
「ほもっふぁほおり、ふごいにほいふぁな。あふぁまのなふぁまへヒンポのにほいふぇひっはいふぁ」
「うあっ、咥えたまま喋ったら……ううっ!」
根本まで呑みこんだフリジアがもごもごと喋るたび、その舌が竿にぶつかってぐりぐりと動く。未知の感触が陽彦の頭をがんがんに揺さぶり、甘美な快感を運んでくる。
そしてそれは新たなガマン汁となってフリジアの口内へぴゅるぴゅると吐き出される。
「んっ、んくっ、んっ、ひいぞ、もっほわらひに魔力をよこへ」
その全てを飲み下し、フリジアが眼を細める。そんな仕草ですら陽彦の快感を加速させ、真っ白な火花を散らせる。
「んっ、んんんんんっ、んむっ、れるっ」
「うああっ、あああっ!」
ゆっくりと唇を上げていくと、てかてかと光る竿が姿を現わす。フリジアの唾液でワックスがけされたチンポは血管が出るほど張りつめ、一刻も早く射精をしたいと跳ね回る。
亀頭に浮かんだ先走りの玉雫をフリジアの舌がこそげ取り、唇を吊り上げる。
「まだだ、まだ我慢しろ。そら、あー……むっ、んんんっ!」
「ああっ、あっ、あぐうっ!」
再度フリジアがチンポを咥え、唾液によるワックスがけを開始する。何度も何度も頭が上下して、フリジアの銀髪が乱れながら揺れる。
未知の快楽に陽彦はすでに呻くことしかできず、頭の中は射精のことだけで占められていく。
「じゅるるっ、んむっ、んぶうっ、んんぐっ、んっ、私を焦らした悪いチンポのくせに、早く射精したいというのが伝わってくるぞ。自分のことしか考えていない、なんとふてぶてしいチンポだ。お仕置きをせねばならんな。んぐっ!」
「ふあああっ、あっ、あひっ、ひいっ!」
ゆっくりだった上下運動が速くなり、今まで舐めるだけだった舌がこそげるような動きで竿を摩擦してくる。陽彦の頭はすでに快感の火花で埋め尽くされ、視界すらちかちかと瞬くような快感で明滅している。
「んんぶっ、んっ、んぐっ、ふっ、れるっ。まるで犯される生娘のような声だな」
「あううっ、ひっ、あっ!」
軽く咥えて舌を押しつける、そんな小さな刺激ですら陽彦は全身を跳ねさせて反応してしまう。それを愉しげに眺めていたフリジアが、ゆっくりと問いかける。
「そろそろ、出したいか?」
「ふあっ、あっ、あうっ! うんっ!」
問いかけるまでもない。唾液まみれのチンポはとめどなく先走りを流し続け、陽彦の顔は昂奮で真っ赤になっている。フリジアの指でせき止められているとはいえ、むしろここまでよく耐えたといっていい。
だから陽彦は必死に頷くが??。
「んん? 言わねば分からんぞ? 出したいのか? 出したくないのか? どっちだ?」
「出、出しいいいいああっ!」
陽彦が必死に言葉を紡ごうとした瞬間、またフリジアがチンポを咥える。それも咥えた瞬間に唇で吸いつき、舌を絡めながら頭を動かすという本気のフェラチオだ。
当然、陽彦は喋るどころではなくなる。
「ほうひたほうひた? はひたいならふぁんといえ」
「あううっ、あっ、はぐうっ!」
じゅっぽじゅっぽと下品な音が四畳半に響く。フリジアの舌技と唇が残酷なほど快感を増幅させる。
このままでは快楽で狂ってしまう。玉袋はぱんぱんに張りつめ、竿の根本までぐつぐつと煮えたぎった精液がスタンバイしている。そしてそれはフリジアの口でどんどん追加されてくる。
頭の中を快感のハンマーで殴られながらも、陽彦は大きく息を吸いこむ。
「出、出したい! フリジアの口の中に出したいっ! あぐうううっ!」
「んんんんむっ、じゅる、んぶうっ! くふ、くふふふふふ! いい声だ。そこまで言われたのなら、王の度量を見せてやらねばならんなあ。ちゅっ」
口の中からチンポを吐き出し、亀頭へキスする。それだけでびくりと先走りを漏らした陽彦に笑いかけながら、ゆっくりと指の締め付けを解く。
「では、練りに練った濃厚な魔力ザーメン、頂くとするか。女を孕ませたくて仕方のない牡ザーメンを、私の口の中で出しきるがいい。あむっ、じゅるるるるるるっ!」
「ふあっ、ああああああああっ!」
枷から放たれたチンポが咥えられ、最大の喘ぎが漏れる。すぐさま絶頂するかと思いきや、まだ射精には至らない。
陽彦の男としての本能が、フリジアの口を最後まで楽しみたいと耐えている。
「んんぐっ、出していいと言っているのに、どこまでも生意気なチンポだ。仕方あるまい、私の本気を見せてやろう。んぐっ、んんんんっ!」
「くおっ……あっ!」
フリジアが大きく口を開け、今までよりも深くチンポを呑みこむ。亀頭が喉奥まで辿り着き、こりこりと硬い感触が伝わってくる。
「んんぶっ、んぐっ、うぶっ、じゅぼっ、んぐうっ!」
「ああっ、あっ、凄っ、うあああっ!」
さらにはそこから先ほどまでと同じように上下に動き出す。口の端からこぼれた唾液が頬や陽彦の陰毛を汚し、ねとねとと張り付いてくる。
「んぐっ、ぐっ、ぶっ、じゅぽっ、じゅるっ、んんぶっ!」
「うあっ、出るっ、出るっ、出る出る出るっ、うああああああああっ!」
待ちに待った瞬間がついに訪れる。限界までせき止められた快感が竿を駆け上ってくるのが分かる。
「んんぶっ、ほまえはよふはんはっふぁ、わらひのふひマンコにへんりょなふはふふぁいい!」
優しい声と激しい吸いつきで陽彦の腰が跳ね上がり、それでフリジアの喉奥を亀頭が小突いて快楽が決壊する。
「ふぐっ、あああああああああああああっ!」
「んんんんんっ!」
どびゅっ、と最初の射精が迸り、その後はダムの放水の如く精子が勢いよくフリジアの口を満たす。
間違いなく、陽彦の人生で一番濃厚な射精が始まっている。
「んぶうううっ、んっ、んんんんっ、んんんんんっ! んぐっ、ごきゅっ、んんぐっ!」
もはやゼリーのような精液をフリジアは懸命に飲み下し、喉を鳴らす。ごきゅりごきゅりと飲みこむそばからおかわりが追加され、鼻で息をしながら飲みこみ続ける。
「んふうううう、んんっ、ごくっ、んぐうっ、んふうううっ!」
固形物のような精液を必死で飲みこむフリジアという光景がさらに射精を促し、陽彦の腰を跳ね上げる。
「んんぐっ、まらへるのふぁ、ん、ぐっ、ごきゅっ、んぶっ!」
快感を吐き出すたびに、フリジアの喉がごくごくと動く。自分の精液がフリジアの中へ摂取されているという事実が陽彦の鼓動を跳ね上げさせる。
これほどの美人が、自分の精液を飲みこんでいる。男の夢のような状況で昂奮しない男はいないだろう。
「んふうっ、むふうっ、ごきゅっ、ごきゅっ、んっ、んっんっんっ」
ようやく収まってきた射精の全てを飲み下し、ちゅぱちゅぱと吸いつきながら口の中に残る精子も舌で集めて飲み尽くす。
「んんっ……むふうっ」
フリジアが満足げな鼻息を漏らす。きっとその口の中、鼻の奥はザーメン臭でいっぱいだろう。陽彦の鼻へ届くほどの性臭がフリジアの口で香っていないはずがない。
「んっ……ぷはあっ。練りこんだだけあって、いい魔力だったぞ。んっ、げふっ」
唇の端をぺろりと舐め、満足げなおくびを漏らす。
「はっ、ふっ、あっ……」
フリジアの唇が離れて、陽彦は呼吸を再開する。射精する間、無意識に呼吸を止めてしまっていた。それほどの快感だった。
「くふふ、魔法原理すら知らぬ野蛮人と思っていたが、私を満足させるとはやるではないか。あむっ、れるっ!」
「ふはっ、イったばかりでそんなっ、おうっ!」
再度、陽彦からオットセイのような声が漏れる。フリジアのお掃除フェラは執拗で、お掃除というよりはおかわりを要求するかの如く執拗にねぶり尽くす。
「んっ、んむっ、んんっ、んっ、まだ竿の中に残っているな? んっ、ちゅううううっ」
「ふあ、あああ……」
フリジアがぽってりとした唇を先端へ密着させ強く吸い立てる。尿道の中で名残惜しく残っていた精液すら吸い上げ、こくりこくりと飲みこむ。
「んんっ……けぷっ。ふう、堪能した……よいもてなしだったぞ、褒めてやろう」
「ふ……お……」
フリジアの満足げな溜息を、しかし陽彦は聞いていない。とてつもない快楽に苛まれたこととその解放が、疲労した身体をさらに消耗させたのだ。
急激にやってきた眠気へ逆らえず、陽彦の意識が曖昧に蕩けていく。
「う……あ……」
なにかフリジアへ告げるべきだったが、その言葉も思い浮かばないまま瞼が落ちる。
「しかし……どうしたものか。しばらくはこの男で魔力を補給するしかないか……」
そんな呟きを聞きながら、陽彦の思考は闇へと落ちていった。
この続きは、8月30日発売のぷちぱら文庫『ムチムチデカパイマラ喰い魔王様とおんぼろ四畳半同棲生活』でお楽しみください!!
(C)DANSHAKUHIRANO/DWARFSOFT
薄暗い路地を帰路へとつきながら、鴫山陽彦は呟いた。
もっとも、本人に言葉を紡いだという自覚はない。極度の疲労で心中が無意識に漏れているのだ。まだ週の始まり、月曜日であるのだがその体力は消耗しきっている。
今日が特段激務だったというわけではない。陽彦の勤める大磨堂文具店は通常営業だった。いつものように事務仕事をこなし、外回りで営業へ行き、納品先でOA機器を設置し、大量の消耗品を納品し、帰社して新しい書類仕事を片付ける。
全てが終わる頃には定時はおろか、まともな食事処はほぼ閉まっているような時間帯だ。コンビニがなければ、陽彦は毎日食事を摂れるかどうかすら怪しい。
つまりは、いつも体力を極限まで疲弊させるブラック企業というだけだ。
一応は正社員という身分ではあるものの、時給に換算すると哀しくなるほどの安月給と連日のサービス残業、果たしてこれが自分の将来へと繋がる経歴になるかと問われると、全力で首を振る陽彦である。
かといって転職できるかといえば役立つスキルもなく、そもそも転職活動するための時間もない。そういった窓口も、陽彦の仕事が終わる頃にはとうに受付を終えている。
つまりは、詰んでいる。このまま安月給で生きていくだけの金を稼ぐ生活が続くのかと思うと、陽彦はげんなりする。さりとて新しく動く気力もない。
軋む階段を登り、自宅前へと辿りつく。鍵を回してドアを開け、ようやっと帰宅する。
「ただいま……」
これは意識して声を出すが、もちろん返事をしてくれる人などいない。いっそ恋人でもいれば無職期間を支えてくれて転職もできるかもしれないが、陽彦は生まれて三十年間一度も恋人ができたことがない。どころか女性経験もない。
風俗に行く蓄えぐらいはあるのだが、風俗へ行くにしても身なりをある程度整えなければならない。お仕着せの背広と部屋着のスウェット、後は襟が伸びたような外出着しか持たず、毎日極限まで疲労している陽彦にとって、そういった外出の身だしなみを整えることすら億劫である。
靴を脱いで室内に入ると、どこか饐えた匂いが出迎える。もう長い間掃除もしておらず、家賃が安いだけのおんぼろ四畳半は当然ながら通気も悪くかび臭い。
加えて陽彦の激務による無精でものが乱雑に積み重なり、さらに空気が淀んでいる。
「もう……無理……しんどい……」
電気もつけず、脱いだ背広のジャケットをハンガーにかけることすらせずに万年床へと倒れこむ。
毎日のように飲んでいる、翼を授けるドリンクもモンスターの動力源ドリンクももはや効果はない。効いている気がする、というプラシーボすら感じない。飲んだものは全て脂肪へと変換され、陽彦の肥満体を増加させているだけだ。
布団の周りへ散らかっている陽彦厳選のズリネタコレクションを開く元気すらない。それであるのに疲れマラというべきか、股間はギンギンにおっ勃っている。
布団へ倒れこんだまま、眠るでもなく目を開けて無為に時間を過ごす。理性は着替えて眠るなりなんなりするべきだと告げているが、その気力が湧いてこない。
眠ったところで起きたらまた今日のような時間が待っているのだ。そう思うと起き上がろうという気になれない。
このまま動かなければ死ねるだろうか、などとくだらないことを考え始めた瞬間??。
「うわっ!? なにっ、なにっ!?」
耳をつんざくような轟音が響き渡り、驚いて飛び起きる。近くで落雷があったのかと唯一の窓から外を見てみるが、誰も騒いでいる様子はない。少しの焦げ臭さと煙が出ているがなにかが燃えているような様子もなく、轟音もそれきりだ。
「&%&$#!」
その代わりというわけではないだろうが、よく分からない音が耳に届いて陽彦は窓枠にもたれかかる。
「ついに幻聴まで聞こえるようになったか……うわわわわわっ!」
そんな陽彦の肩をなにかが掴み、陽彦は大声をあげてしまう。自分しかいないはずの部屋で肩を掴まれれば、そうもなる。
「*&%$!」
「えええええ、なにっ、なに!? ていうか誰!?」
強引に振り返らされた陽彦の目の前に一人の人間がいた。その印象をひとことで表すならば、美女だ。それも、とんでもない美女だ。
艶のある褐色と、そこへ乗せられた意志の強さを感じさせる鋭く整った容貌は、絶妙なバランスで目鼻立ちを際立たせている。ごくごく自然に美しさを体現している、そう思わせる顔であり、街を歩くだけで男女を問わず耳目を集める、そんな類の美女だ。
ただ顔立ちが整っているというだけではなく、自身の容姿そのものへの自信が全身から満ちあふれている。
陽彦の目の前でかたどっている不満げな表情ですら、その美しさを際立たせていた。
それになにより、スタイルも抜群だ。その美しさと比例するようなデカパイが遠慮なく前へ突き出ており、しかもそれは水着のような露出度の高い服で惜しげもなく谷間がさらけ出されている。
頭についている立派な角を見て、陽彦は自分の知らないアニメか漫画のコスプレなのだろうと判断した。
「う……あっ」
そのコスプレ美女が不意に近付き、陽彦の額と自分の額を密着させる。漂ってきたあまく艶めかしい女性の匂いで陽彦の鼓動が一気に跳ね上がる。
瞬間、ばちりとなにかが弾けるような感覚が額へぶつかった。
「チッ、最悪だな。この知識転写魔法で魔力切れだ……っ!」
艶やかな唇から悪態を吐き、美女が身体を引く。その声も顔立ちを裏切らず、美しく澄んでいる。
「だが、言葉も通じないのでは状況も把握できん……必要な消費だと思わねばな」
「あ……あの、あなたは??」
「ここはどこだ?」
陽彦の言葉を遮って質問する。その眼光の鋭さで気圧された陽彦が思わず背すじをぴんと伸ばしてしまう。
「ええと、ここは俺の家ですけど……」
「ふん、狭くて汚らしい場所だ。気品の欠片も感じない」
高圧的に判断して辺りを見回し、部屋のあちらこちらへ視線を巡らせる。
「空気も淀んで匂いも酷い……が、屋根と壁で雨風を凌ぐ程度の知恵はある、か」
そこで眉を顰めるが、そんな憂いの表情でさえ美麗と言わしめるものだ。
「だが、建物に魔法の気配をまるで感じない。奴の言った通り、魔法原理もない場所であることは確かなようだ……厄介だな」
「あの、あなたは誰なんですか……? いきなり人の家に来てなにを言ってるんですか?」
一方的に貶められているうちに多少冷静になった陽彦が今度は最後まで問いかける。
「ああ? 私を知らないのか? 魔界の三分の一を治めるこのフリジア・オルンシュタインを知らないというのか?」
「魔界……? フリジア?」
魔界と言われて陽彦の頭に浮かんだのは、白塗りのメイクで歌うヘヴィメタルボーカリストの閣下と呼ばれる人物だが、それのファンというわけではないだろう。
「そう、フリジア・オルンシュタインが私の名前だ。一度で発音できる知性はあるようだな。その努力に免じて陛下と呼ばぬ不敬は許してやろう。だが、私がここを統治下に置いたのならば、呼称も改めろ」
「いや、魔界とか陛下とか、なにを言ってるんですか……?」
陽彦の質問に反応はなく、フリジアは男の全身をゆっくりと視線でなぞる。
「そんなことより魔力をよこせ」
「魔、魔力ぅ?」
素っ頓狂な声を出す陽彦に構わず、フリジアはその端正な眉を小さくしかめる。
「とぼけても無駄だ。お前が魔力を蓄えているのはひと目で分かる??いや、待てよ」
ほっそりとした指を顎に当て、視線をさまよわせる。そんな仕草ですら、どこか艶を含んで生々しいものが見え隠れしている。
「魔法原理を感じないのに魔力はある。むしろ掘り出し物は辺境にすらある、ということか。ふふ、ふふふふ。面白いではないか」
「あの、なにを言って……魔力とか魔法とか、オカルト関係は好きじゃないんだけど」
呟く陽彦をじろりと見据える眼光の鋭さで、また背すじが伸びる。だが、それは恐怖ではない。
確かに突然の事態で陽彦の頭は混乱しているが、それ以上に目の前の美女に魅了されている。
電気の消えた部屋にあってなお艶やかさが分かる褐色の肌と、一流の彫刻家によって作られたような美麗な顔立ち。そしてなにより露出度の高い服で包まれたスタイルは有り体にいって陽彦の好みに合致している。というよりはど真ん中だ。
フリジアが今少し周りに散らばっているものに注意を向ければ、自分と同じような体型の女性が多いという事実に気付いたはずだ。
「ふふ、そっちでもとぼけるのか? それともそれがここの風習か?」
そのフリジアが濡れた瞳で陽彦を見やる。そこには女が男を求める光、情欲がちろちろと灯っている。
不意にフリジアが両腕を組む。それだけでデカパイがさらに強調され、陽彦へ突き出すようにゆさりと揺れる。
思わず喉がごくりと動き、疲れマラで勃起していた股間がさらに硬くなってしまう。
「さあ、さっさと私に魔力をよこせ。私は焦らされるのが好きじゃない」
「いや、だから魔力ってなんのことだか……」
「まだとぼけるのか? そこにそんなに魔力を溜めこんでおきながら……んんっ」
フリジアの真っ赤な舌が唇を舐め、こくりと喉を動かす。たったそれだけの仕草が異様なほど淫蕩に映り、それでいて彼女の美しさは欠片も損なわれていない。
「やはり辺境の民では魔王たる私に魔力を捧げるということの栄誉は理解できないか」
フリジアの腕が解かれ、またデカパイが揺れる。それを本能的に眼で追った瞬間、また柔らかな身体が迫る。
「ならば、魔界の流儀に従って力尽くだ!」
「う、わっ!」
獲物に飛びかかる女豹の如く飛びかかってきたフリジアに押し倒され、せんべい布団へと倒れこむ。
「あうっ、ちょっ、なにを??」
「ええい、暴れるな!」
一喝され、思わず身を竦ませた隙にフリジアが陽彦のズボンを下着ごとずり下ろす。跳ねるような勢いで飛び出したチンポを慣れた手つきで柔らかく握る。
「ふふ……やはりたっぷりと溜めこんでいるではないか。こんなものをぶら下げておいてしらばっくれるとは、腹芸のつもりか?」
「おっ、あっ!」
陽彦は意味のある言葉を紡げない。生まれて初めて自分の勃起を他人の手で握られて、呻くばかりだ。がちがちになった竿へ細い指が絡みついているというだけで、さらに股間が充血するのが分かる。
「触っただけで硬くなったな……竿が太くて亀頭が張り出している。文句のない逸品だ。しかし??」
いきり立っているチンポに顔を近づけ、小鼻をひくつかせる。
「お前、ちゃんと洗っているのか? 凄い匂いだ……んんっ!」
一日の労働で汚れたチンポは汗と垢で陽彦自身の鼻に届くほど濃厚な匂いとなっている。
「んっ……けほっ、えほっ、はぁ、んっ、くうっ……」
フリジアはそれを何度も吸いこみ、嫌がるどころか香しい料理を嗅いでいるかのようにうっとりと目を細める。
「ふうっ、うっ、こんな匂いになるまで魔力を溜めこむとは……どれほど濃厚な魔力か、楽しみになってきた……んんっ!」
綺麗な鼻を近づけ、大きく吸いこみながら指の力を強くすると、それだけで陽彦は敏感に反応して腰を跳ねさせる。
「くあっ、あっ!」
「んん? ちょっと竿を握っただけで情けない声を出すな……と言いたいが、私のような美しく高貴な者に触られたことはないだろうな。いいぞ、許す。存分に情けなく啼け」
「そうじゃなくて、いきなりなにを……おおうっ!」
フリジアが手を少し握るだけで指摘されたような情けない声をあげる。その声でにんまりと笑いながら、フリジアの手が動く。
「ほれ、ほれ、ほーれ」
「はうっ、あっ、くああっ!」
手袋に包まれた手がゆっくりと上下にしごく。そうすると陽彦の竿はさらに張りつめ、先端からじわりと先走りが滲み出る。
「ふうっ、おっ、ぐっ、ぶっ!」
「はははっ、まるで豚の鳴き声だな、そら、もっと喘げ! そら、そらそら!」
「おうっ、おっ、おおっ!」
フリジアが手を動かすたびに陽彦の不様な喘ぎが漏れ、身体を跳ねさせる。脂肪でたるんだ腹がうねり、たぷたぷと揺れる様を褐色の魔王は唇を歪めながら眺めている。
「んっ……ガマン汁だけで火傷しそうなほど熱いな。見ろ、もう私の手袋がびしょ濡れだ。どうしてくれる。ん? んん?」
「あうっ、そんなっ、そっちが勝手に、おおおうっ!」
先端から漏れた先走りが亀頭を伝ってフリジアの白い手袋に染みこみ、そのうちにっちゃにっちゃと粘質の音を奏で始める。
今まで自分でしごいたことしかなかった陽彦にとって、信じられないほどの快感が全身に響く。
陽彦の脚を開かせているもうひとつの手が撫でるように動いただけでも、腰が蕩けそうな気持ちよさが伝わってくる。
「ううっ、おっ、おふうっ!」
「いいぞ、濃厚なザーメンを私にかけることを許す。好きなタイミングでイってしまえ!」
その言葉でフリジアの顔を見る。輝くような銀髪と艶のある褐色の肌という美しい組みあわせを自分のザーメンで汚す。誰も触れていない新雪を踏みしだくような背徳と快感がそこにある。
だが、陽彦の亀頭からは先走りが漏れるだけで絶頂の気配はない。情けなく喘ぎ続けているが、まだ限界ではないのがフリジアには分かる。
「ふむ、豚のような身体だが骨のあるチンポだな。しかし私を焦らすなど不敬の極みだぞ? そんな悪いチンポはこれか? ん?」
「おぶっ、うっ!」
陽彦が我慢強いわけではない。もしも普通の状況でこうなっていればとうに射精していただろう。ただ単にフリジアの登場と状況でまだ混乱が残っているだけだ。
しかしさすがのフリジアもそこまで知る由はない。ゆえに、陽彦の玉袋にねっとりとした視線を注ぐ。
「ふむ……我慢しているおかげでよりいっそう濃厚な魔力が醸成されているな。こうなったら、極限まで濃くするか」
「へ??」
「んんっ、れるっ!」
「ふおっ、おおおっ!」
フリジアが唾液をたっぷりと乗せた舌で竿を舐め、汚れをこそげとるように巻き付く。
「んっ、暴れるなこの不敬者め」
「ううっ、おっ!」
フリジアが人差し指と親指で輪を作り、竿の根本をきゅっと締め付ける。それで陽彦の動きが止められ、なま暖かい感触が竿へまとわりつく。
「ふああっ、ああっ!」
「じゅる、むっ、んんっ、んぐっ、んっ……こんどは子供の泣き真似か? こっちの味は子供どころか大人も驚く酷いものだが。んむっ!」
弾力と柔らかさが両立したフリジアの舌が亀頭を舐め回す。それでも根本を強く締め付けられたチンポは射精することができず、濃厚な快感だけが玉袋に溜まり続ける。
「んぶっ、んっ、イきたいか?」
「はうっ、うっ、うんんっ!」
ちろちろと舌を動かしながら問うてくるフリジアへ陽彦は必死に頷く。その情けない顔を見たフリジアはにんまりと笑う。
「くふふふふ、いい顔だ。だが、まだ駄目だ」
「あううっ、そんっ、どうして!?」
もはや陽彦のチンポは息を吹きかけられただけでも絶頂しそうなほど張りつめきっているが、強く締め付けるフリジアの指がそれを許さない。
「魔力を極限まで濃くすると言っただろう。ほら、私のために頑張って耐えてみろ。れるっ、れろっ、れるるっ!」
「あぐうっ、うっ、うあああっ!」
雄叫びのような喘ぎを上げ、チンポは射精させてほしいとせがんで何度も何度も跳ねる。
「いいぞ、どんどん溜まってきている。ふふ、極上の魔力を私に供することの名誉、喜ぶがいい」
「はうっ、ううっ、そんな、玉までっ!」
空いた手で玉袋をやわやわと揉む。精液が攪拌されるような気持ちよさで陽彦の視界が真っ白に明滅し、イッてないのにイッたような感覚が延々と脳を蕩かせてくる。
「いい、いいぞその顔。情けなく射精を懇願する顔、もっと見せろ! んむっ、れろっ、れるっ、ちゅぶっ、ちゅっ!」
「あううっ、あっ、おかしくっ、なるっ、うああっ!」
フリジアの手玉にとられている陽彦は喘いで身体を跳ねさせるばかりで、射精の代わりと言わんばかりに先走りをどくどくと漏らし続ける。
「しっかりせき止めているのにチンポ汁を漏らしおって。そんなに射精したいのか? れるっ、んっ」
「ふうっ、うっ、お願い、イかせて……くううっ!」
「いいのか? もう少し我慢すれば、私が直々に咥えてやろうと思っているのだがな」
その言葉で陽彦がフリジアを見る。魔界の女王は蠱惑的な笑みを浮かべ、竿に押しつけた舌をくりくりと蠢かせている。
その舌の奥、真っ赤な口内へ自分のチンポが咥えられる光景を想像して、陽彦の喉がごくりと動く。
「じゅるっ、れるるっ、れろぉっ!」
「くっ……あああああっ!」
その瞬間、フリジアの舌が深く強くこすり上げる。陽彦の喘ぎが喉から絞り出されるが、それでも射精へは至らない。その気になればフリジアの指を振りほどけるにも関わらず、ただ耐え続けている。
「ふふっ、切なそうな顔で耐えているな……そんなに私に咥えて欲しいのか? んんっ、れるっ、ちゅぶっ、れろっ」
「ふおおっ、そこ、ほじったら……ああぐっ!」
フリジアの舌が竿の根本から上まで登っていき、カリ首を丁寧になぞり、鈴口を先端がほじってくる。
どろりとした快感が浸透してくる感触で陽彦の射精感がさらに高まり、恥も外聞もなく鼻の穴をいっぱいまで広げた顔で快感を抑えこむ。
「れるっ、んっ、先走りだけでもこんなに濃厚とは……れろぉ、こくっ、んっ、凄まじいな、れろれろれろっ!」
「うっ……ぐっ!」
まるで極限の死闘を繰り広げているかのような呻きが陽彦から漏れる。もはやフリジアの言葉に応える余裕??聞いている余裕すらない。ただただ全身へ広がる快楽の火花を抑えこむことだけを考えている。
「ん……このまま出させてどんな射精か眺めるのも見物だが、王として約束は守らねばな」
「ふっ、はっ、はあっ、はっ」
つ、とフリジアの舌がゆっくりと離れる。唾液と先走りの混ぜものでできた橋を舌先がたぐり寄せ、うまそうにこくりと褐色の喉が動く。
「喜べ、お前のチンポを咥えてやる。涙を流して感謝するのだな。あー……んっ、むっ」
艶のあるぽってりとした唇が亀頭へと覆いかぶさり、ゆっくりと呑みこんでいく。
「おっ、おおおおおおおおおっ!」
なま暖かくぬめった感触で、陽彦が雄叫びのような喘ぎを漏らす。
今まで自慢のセンズリコレクションでオナニーしながら想像していたフェラチオの気持ちよさとは全く違う、遥かに超えた快感がチンポから広がってくる。
しっとりとして柔らかく、ぬめっていて暖かい。その感触が巻き付きながら根本まで下りてくる。
「ほもっふぁほおり、ふごいにほいふぁな。あふぁまのなふぁまへヒンポのにほいふぇひっはいふぁ」
「うあっ、咥えたまま喋ったら……ううっ!」
根本まで呑みこんだフリジアがもごもごと喋るたび、その舌が竿にぶつかってぐりぐりと動く。未知の感触が陽彦の頭をがんがんに揺さぶり、甘美な快感を運んでくる。
そしてそれは新たなガマン汁となってフリジアの口内へぴゅるぴゅると吐き出される。
「んっ、んくっ、んっ、ひいぞ、もっほわらひに魔力をよこへ」
その全てを飲み下し、フリジアが眼を細める。そんな仕草ですら陽彦の快感を加速させ、真っ白な火花を散らせる。
「んっ、んんんんんっ、んむっ、れるっ」
「うああっ、あああっ!」
ゆっくりと唇を上げていくと、てかてかと光る竿が姿を現わす。フリジアの唾液でワックスがけされたチンポは血管が出るほど張りつめ、一刻も早く射精をしたいと跳ね回る。
亀頭に浮かんだ先走りの玉雫をフリジアの舌がこそげ取り、唇を吊り上げる。
「まだだ、まだ我慢しろ。そら、あー……むっ、んんんっ!」
「ああっ、あっ、あぐうっ!」
再度フリジアがチンポを咥え、唾液によるワックスがけを開始する。何度も何度も頭が上下して、フリジアの銀髪が乱れながら揺れる。
未知の快楽に陽彦はすでに呻くことしかできず、頭の中は射精のことだけで占められていく。
「じゅるるっ、んむっ、んぶうっ、んんぐっ、んっ、私を焦らした悪いチンポのくせに、早く射精したいというのが伝わってくるぞ。自分のことしか考えていない、なんとふてぶてしいチンポだ。お仕置きをせねばならんな。んぐっ!」
「ふあああっ、あっ、あひっ、ひいっ!」
ゆっくりだった上下運動が速くなり、今まで舐めるだけだった舌がこそげるような動きで竿を摩擦してくる。陽彦の頭はすでに快感の火花で埋め尽くされ、視界すらちかちかと瞬くような快感で明滅している。
「んんぶっ、んっ、んぐっ、ふっ、れるっ。まるで犯される生娘のような声だな」
「あううっ、ひっ、あっ!」
軽く咥えて舌を押しつける、そんな小さな刺激ですら陽彦は全身を跳ねさせて反応してしまう。それを愉しげに眺めていたフリジアが、ゆっくりと問いかける。
「そろそろ、出したいか?」
「ふあっ、あっ、あうっ! うんっ!」
問いかけるまでもない。唾液まみれのチンポはとめどなく先走りを流し続け、陽彦の顔は昂奮で真っ赤になっている。フリジアの指でせき止められているとはいえ、むしろここまでよく耐えたといっていい。
だから陽彦は必死に頷くが??。
「んん? 言わねば分からんぞ? 出したいのか? 出したくないのか? どっちだ?」
「出、出しいいいいああっ!」
陽彦が必死に言葉を紡ごうとした瞬間、またフリジアがチンポを咥える。それも咥えた瞬間に唇で吸いつき、舌を絡めながら頭を動かすという本気のフェラチオだ。
当然、陽彦は喋るどころではなくなる。
「ほうひたほうひた? はひたいならふぁんといえ」
「あううっ、あっ、はぐうっ!」
じゅっぽじゅっぽと下品な音が四畳半に響く。フリジアの舌技と唇が残酷なほど快感を増幅させる。
このままでは快楽で狂ってしまう。玉袋はぱんぱんに張りつめ、竿の根本までぐつぐつと煮えたぎった精液がスタンバイしている。そしてそれはフリジアの口でどんどん追加されてくる。
頭の中を快感のハンマーで殴られながらも、陽彦は大きく息を吸いこむ。
「出、出したい! フリジアの口の中に出したいっ! あぐうううっ!」
「んんんんむっ、じゅる、んぶうっ! くふ、くふふふふふ! いい声だ。そこまで言われたのなら、王の度量を見せてやらねばならんなあ。ちゅっ」
口の中からチンポを吐き出し、亀頭へキスする。それだけでびくりと先走りを漏らした陽彦に笑いかけながら、ゆっくりと指の締め付けを解く。
「では、練りに練った濃厚な魔力ザーメン、頂くとするか。女を孕ませたくて仕方のない牡ザーメンを、私の口の中で出しきるがいい。あむっ、じゅるるるるるるっ!」
「ふあっ、ああああああああっ!」
枷から放たれたチンポが咥えられ、最大の喘ぎが漏れる。すぐさま絶頂するかと思いきや、まだ射精には至らない。
陽彦の男としての本能が、フリジアの口を最後まで楽しみたいと耐えている。
「んんぐっ、出していいと言っているのに、どこまでも生意気なチンポだ。仕方あるまい、私の本気を見せてやろう。んぐっ、んんんんっ!」
「くおっ……あっ!」
フリジアが大きく口を開け、今までよりも深くチンポを呑みこむ。亀頭が喉奥まで辿り着き、こりこりと硬い感触が伝わってくる。
「んんぶっ、んぐっ、うぶっ、じゅぼっ、んぐうっ!」
「ああっ、あっ、凄っ、うあああっ!」
さらにはそこから先ほどまでと同じように上下に動き出す。口の端からこぼれた唾液が頬や陽彦の陰毛を汚し、ねとねとと張り付いてくる。
「んぐっ、ぐっ、ぶっ、じゅぽっ、じゅるっ、んんぶっ!」
「うあっ、出るっ、出るっ、出る出る出るっ、うああああああああっ!」
待ちに待った瞬間がついに訪れる。限界までせき止められた快感が竿を駆け上ってくるのが分かる。
「んんぶっ、ほまえはよふはんはっふぁ、わらひのふひマンコにへんりょなふはふふぁいい!」
優しい声と激しい吸いつきで陽彦の腰が跳ね上がり、それでフリジアの喉奥を亀頭が小突いて快楽が決壊する。
「ふぐっ、あああああああああああああっ!」
「んんんんんっ!」
どびゅっ、と最初の射精が迸り、その後はダムの放水の如く精子が勢いよくフリジアの口を満たす。
間違いなく、陽彦の人生で一番濃厚な射精が始まっている。
「んぶうううっ、んっ、んんんんっ、んんんんんっ! んぐっ、ごきゅっ、んんぐっ!」
もはやゼリーのような精液をフリジアは懸命に飲み下し、喉を鳴らす。ごきゅりごきゅりと飲みこむそばからおかわりが追加され、鼻で息をしながら飲みこみ続ける。
「んふうううう、んんっ、ごくっ、んぐうっ、んふうううっ!」
固形物のような精液を必死で飲みこむフリジアという光景がさらに射精を促し、陽彦の腰を跳ね上げる。
「んんぐっ、まらへるのふぁ、ん、ぐっ、ごきゅっ、んぶっ!」
快感を吐き出すたびに、フリジアの喉がごくごくと動く。自分の精液がフリジアの中へ摂取されているという事実が陽彦の鼓動を跳ね上げさせる。
これほどの美人が、自分の精液を飲みこんでいる。男の夢のような状況で昂奮しない男はいないだろう。
「んふうっ、むふうっ、ごきゅっ、ごきゅっ、んっ、んっんっんっ」
ようやく収まってきた射精の全てを飲み下し、ちゅぱちゅぱと吸いつきながら口の中に残る精子も舌で集めて飲み尽くす。
「んんっ……むふうっ」
フリジアが満足げな鼻息を漏らす。きっとその口の中、鼻の奥はザーメン臭でいっぱいだろう。陽彦の鼻へ届くほどの性臭がフリジアの口で香っていないはずがない。
「んっ……ぷはあっ。練りこんだだけあって、いい魔力だったぞ。んっ、げふっ」
唇の端をぺろりと舐め、満足げなおくびを漏らす。
「はっ、ふっ、あっ……」
フリジアの唇が離れて、陽彦は呼吸を再開する。射精する間、無意識に呼吸を止めてしまっていた。それほどの快感だった。
「くふふ、魔法原理すら知らぬ野蛮人と思っていたが、私を満足させるとはやるではないか。あむっ、れるっ!」
「ふはっ、イったばかりでそんなっ、おうっ!」
再度、陽彦からオットセイのような声が漏れる。フリジアのお掃除フェラは執拗で、お掃除というよりはおかわりを要求するかの如く執拗にねぶり尽くす。
「んっ、んむっ、んんっ、んっ、まだ竿の中に残っているな? んっ、ちゅううううっ」
「ふあ、あああ……」
フリジアがぽってりとした唇を先端へ密着させ強く吸い立てる。尿道の中で名残惜しく残っていた精液すら吸い上げ、こくりこくりと飲みこむ。
「んんっ……けぷっ。ふう、堪能した……よいもてなしだったぞ、褒めてやろう」
「ふ……お……」
フリジアの満足げな溜息を、しかし陽彦は聞いていない。とてつもない快楽に苛まれたこととその解放が、疲労した身体をさらに消耗させたのだ。
急激にやってきた眠気へ逆らえず、陽彦の意識が曖昧に蕩けていく。
「う……あ……」
なにかフリジアへ告げるべきだったが、その言葉も思い浮かばないまま瞼が落ちる。
「しかし……どうしたものか。しばらくはこの男で魔力を補給するしかないか……」
そんな呟きを聞きながら、陽彦の思考は闇へと落ちていった。
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