スケベエルフさん、現代へようこそ!
~「ようこそ! スケベエルフの森へ」スピンオフ 巨乳で一途なエルフたちといちゃらぶする短編集~
2018年11月16日
ぷちぱら文庫
著:和知まどか
画:葵渚
原作:ルネ
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デルヴァ・後編



「……なあ、救世主。お前の世界の空は高いのだな……」

 ダークエルフ達が、身を寄せ合って暮らす地下の国……アンダーダーク。
 そこから一転して人間と動物、植物しかいない俺の世界……地球に連れてこられたデルヴァさんは、日に日に空を見上げてぼーっとしていることが多くなった。

「女将軍としての地位を失い、守る者もない今の私に……どれほどの価値があるのだろうか」
「ああっ……! また落ち込んでる……! そんなに綺麗で強ければ、こっちの世界では無双状態ですよ! なんだってできますってば!」
「そう……だろうか……。だが……何をしていいのかわからない……」

 仲間のために戦い、剣を振るうことだけをアイデンティティーにしてきた彼女にとって、武器を使えないこの世界はまさに異世界だった。
 己の人生、いやダークエルフ生全てをかけた武人としての生き方。
 それが許されなくなってからというもの、デルヴァさんが時間つぶしに選んだもの……それは俺の世話、衣食住全てを管理し、ひたすら家事をするという予想外の方向だった。

「まさか、こんなになんでもできるなんて……驚きました」
「アンダーダークでも、幼い者たちの世話を引き受けていたからな。武力を重視して仲間を集めたせいで、私の他に細かいことをする者が少なかったのだ」

 可愛らしいチェックのエプロンをつけ、ふたりの朝食を作った後すぐに洗濯物を干している。
 その最中、ベランダから見える青空に見惚れてしまったのか、彼女はなかなかそこから動こうとはしなかった。

「妹が……手伝ってくれていた。私は不器用なところがある。それをうまく補佐して、ずっと支えていてくれた」
「へえ……妹かぁ。デルヴァさんの妹だったら、さぞかし可愛くて巨乳なんでしょうね」
「フフ……ひと目見ただけで驚愕するだろうな。イヴは私など比較にもならないくらい、しとやかでおとなしく……麗しく、美しい。イヴを見たならお前も、子作りの相手を変えてくれと血相を変えて願ってきたかもしれないぞ?」
「それは……ないと思いますけど。でも……そっか。やっぱ美人なのか……」

(イヴちゃんっていうのか。一度会ってみたいなあ……。おしとやかなデルヴァさんか……タイプが違う姉妹って、なんかエロいよなぁ……)

 そんな呑気なことを考えていられるのも、デルヴァさんが家のことを懸命に片付けてくれているからに他ならない。

「ん……。風で……タオルが飛んでしまいそうだ」

 背伸びをして、物干し竿に手を伸ばすデルヴァさんは……ほどよく鍛え抜かれた、引き締まった身体をしていて……。
 後ろ姿だけでも絶世の美ダークエルフなのが見てとれる。

(なんて形のいいお尻だ……スタイル抜群だな。それにムチッとしたふともも……腰をよじるたびにくねるくびれ……。ああっ、今すぐ後ろから襲いかかりたい!)

 が、数日前に実際にそれをやった日に、音もなく手刀で気絶させられてから、俺はその衝動をこらえるように躾けられていた。

(ズッパァンッ! ってうなじに衝撃が走って見事に昏倒しちゃったからな!)

 『子作りならば夜にする。一度も拒んだことはないだろう!?』
 慌てた様子で叱責してくるデルヴァさんを見ていると……またムラッときて押し倒したくなってしまって……。

(かなり強引に、抱きついて押し倒したら……今度は抵抗しないでいてくれたけど)

 『昼ッ……には慣れていない……! 明るい場所でするなどと……んっ……!』
 恥ずかしそうに顔を手で隠し、強く唇を噛むデルヴァさんの耳をれろれろ舐めたりしゃぶったり。
 果てには恥ずかしがって嫌がっているその顔がもっと見たくて、右手でぐにぐにとおっぱいを揉みしだいていくと、あッ、だとかやめろ、だとか小さく震える声で叱ってきて……涙目になっているそのキツいツリ目に興奮した。

(意外と純情なところがあるんだよな……)

 その上、弱きを助け、汚れた俺の部屋の惨状を見ればすぐに片付け、ベッドメイキングまでしてくれる。

(こっちに来た次の日に……起きたらあったかいご飯が用意されてたときには、もう絶対結婚しようって思ったもんな)

 それがたとえ、試行錯誤の結果、炊飯器ひとつと皿を3枚、フォークを2本犠牲にして台所を半壊に追いこんだ末の手作りのご飯……しかも炊いたお米単品だったとしても……。
 まさか、女将軍自ら俺のために料理をしようと思ってくれたこと自体が嬉しかった。

『わ……私はこちらの機械には詳しくない。それに、炎の魔法どころかほとんど魔法も使えない』
『それで、よく米が炊けましたね?』
『使い方が絵で描いてある紙が……床にぐしゃぐしゃになって落ちていたから』
『ああ、なるほど。それを見てやってくれたんですね』
『途中、妙な甲高い音がしたので思わずこの細い銀の槍で攻撃したのだ。そうしたら……』
『炊飯器にフォークが刺さってどっちも壊れたんですね。よくわかりました』

 ぐんにゃりとふたつに曲がったフォークと、蓋が割れてふっとんでしまった炊飯器……。
 被害は大きかったが、デルヴァさんが無事で良かったです、とやや引きつった顔で伝えると……彼女は『だてに女将軍はやっていない』と誇らしげに胸を張った。

『攻撃の直後、すいはんき、とやらが弾んでこちらに飛んできたが……』

 デルヴァさんは、それをすぐさま拳で叩き落とし、その衝撃で古い賃貸アパートの台所は砕け散ったらしい。

『……だが、その……。米は無事だったからな。汚れていない綺麗な部分を取り分けて、待っていた。お前に……救世主に、た、食べ、てほしくて……』

 デルヴァさんは人類では持て余すくらいに強い、けど可愛い。
 
「……ユウイチ。何を見ている」

 カラカラと窓をしめて部屋に戻ってきたデルヴァさんの、かいがいしい姿にうっとりしていた俺はまだ、このときは気がついていなかった。
 俺にとってこれだけ魅力的なダークエルフを……こっちの世界に存在するはずもない美貌の女将軍を、他の人間が見つけてしまったら。
 どれだけの大事件が巻き起こるのかを……。


※   ※   ※



 それは、数年ぶりに電話をかけてきた昔からの友人の……その口からはじめに知らされた事実だった。

「えっ……? 俺の家に謎の美女がいるのを見たやつがいるって……?」

 ベランダに出て洗濯ものを取りこんでいたデルヴァさんを、街の住人が発見してからたった数日のことだ。
 伊藤家、あの冴えない祐一の狭いアパートの一室に……ハリウッド女優も形なしの褐色美女がいる。
 そして夜な夜な……ひどいときには一日中、その美女らしき女性の甘い喘ぎ声が響いてくる……。
 
「し、しまった……。ついつい、アンダーダークのノリで思いっきりセックスし続けてしまった……っ」

 まだこちらの世界に慣れていないデルヴァさんのことを思って、彼女を家から一歩も外に出してはいなかったものの……それがなおさら、人々の噂話に火をつけてしまったようだった。

(まさかこんなに早くバレるなんて……!)

 今まで、回覧板すらまわってきたことのない……関わりの薄いご近所さん達の、好奇心の勢いはすさまじかった。
 今日の昼に見た、昨日の夜に声が聞こえた、とまるで都市伝説扱いされたデルヴァさんをひと目見ようと近隣のおじさん、兄さん、そしてお爺さんにおばちゃんたちまでもがその目を光らせ……ついに遠い友人までもが、その情報をキャッチした。

「会わせてくれ? あ、あー……それはちょっと。ごめん。彼女、まだここに慣れてなくて……。ん? なんだって? 他のやつらからも頼むって!?」

 その電話は丁重にお断りしたものの、それで事態が解決するはずもなく……俺は次第に、外に出るだけで大量の男たちに懇願を受け続けるはめになった。

(お、お前ら今まで俺のことなんてどうでもよかったくせに……っ! 全力で手のひら返してご機嫌うかがってきやがって……!)

 そして……1週間も経つころには、俺の家の前で学ランを着た少年のグループや、警官に土木工事のおっちゃん数人が我が家のベランダを観察にきて、その場で楽しげに情報交換している姿が珍しくなくなってしまった。
 入れ替わり立ち代わり現れる人だかり……彼らが言うには、デルヴァさんレベルの美女なら俺とどんな関係でもかまわない、むしろ俺が相手なら勝機がある、今からでも奪いたいと豪語しているやからまでいるらしい。

「ユウイチ……この騒ぎは何なのだ」

 さすがに、家の周囲の異変を察したデルヴァさんが不愉快そうに聞いてくる。
 ……それを耳にして、俺はハァー……と深く長い溜め息をついた。

「デルヴァさんのことを偶然見かけた人がいたらしくて……。会わせてほしいって言ってくるんだよ。信じられないくらい美形だからって……」
「……ほう。私のせいで、お前を困らせる者どもが攻めてきたというわけか。……少し待っていろ」
「デ、デルヴァさん!?」

 止める暇もなく、デルヴァさんは颯爽と立ち上がり、迷うことなくベランダに出た。
 スパァン! という窓の開け放ち方から底知れぬ怒気を感じて、思わず気おされる。

「…………」

 ざわざわとうるさかった外が、シン、と静まり返った。
 デルヴァさんの一瞥で、はしゃいでいた人々は彼女がとてつもない強者であることを……異世界の武人であることを、頭ではなく身体で、皮膚で悟っただろう。

(でも、自ら姿を見せるなんて……! くそっ……!)

 本音を言えば、俺以外の男に……いや、人間にデルヴァさんをひと目でも見せてやるのは嫌だった。
 嫉妬し、彼女を部屋の中に戻そうと俺が立ち上がるとデルヴァさんは顔だけで振り返り……セクシーな仕草で、唇に人差し指をあてて『しー……』と呟いた。

「大丈夫だ。お前の敵は私が排除する」
「でも……!」

 見られること自体が嫌なのだ、と叫ぶ前にデルヴァさんの怒号がベランダから外界に降り注ぐ。

「……聞け! 凡百の有象無象ども……! 私はこの家の主、ユウイチの所有物だ。ユウイチ以外の誰のものにもならない!」
「っ……!」
「聞こえなかったか……? ユウイチはお前らとは違う。私を見世物にはしない、よくできた男だ……。私はユウイチを愛している。私はユウイチだけを愛している! ゆえに……ユウイチを困らせる者がいるのなら、それを……狩る。根こそぎ駆逐し、彼の望む世界を作る! いいな!?」

 あまりの威圧感に気おされ、へなへなとしゃがみこむもの。
 なんなんだ、あれ……と絶句しているもの。
 そして、その一喝に胸を射抜かれ、恋に落ちてしまったもの。
 ……それら全ての人々を見下ろして、アンダーダークの将軍デルヴァ・ケレブリアンはフッと微笑んだ。

「……ユウイチ。今日の夕飯はとびきりの馳走をつくろう。そして、夜は……わかっているな? 一睡もさせるつもりはない。たまには私に責めさせることだ、最高の快楽でお前を溶かしてやろう」
「ちょ、ちょっと何を……!」
「き、昨日の夜のように……。私ばかりが激しく抱かれ、泣かされたままではすまさんぞ? いいな?」
「う、うん……?」

 公衆の面前での『俺だけが自分の主』宣言に、顔が熱くなる。

「……さあ、部屋に戻ろう。ここは私とユウイチだけの棲み処だ。誰にも邪魔はさせない……誓おう」

 神々しいまでに毅然とした台詞を放ち、ベランダから帰ってきたデルヴァさんはそのまま俺の身体にぎゅっとしがみついてきた。
 そして……何も言わず、チュ、と軽くこめかみにキスをしてくる。

「何も気にすることはない。外のことなど……私が全て忘れさせてやる」


※   ※   ※



 そしてその夜、ようやく静けさを取り戻した家の中で俺がゲームに熱中していると……ガチャ、とバスルームの扉が開いた。

(いつもは一緒に入っているけど、なぜか今日は別々がいいって言われちゃったんだよな)

 せっかく、俺のモノだと誓いまで立ててくれたデルヴァさんに触れないのはもどかしい。
 ぱしゃ、ぴちゃ、と漏れ聞こえてくる水音だけで落ち着かなくなっていた俺は、ようやく画面の向こうに集中しかけていたけれど……。

「……出たぞ」

 ひたっ、と俺の真後ろに現れたデルヴァさんの格好を見て仰天した。

「な、な、な、なんでスーツ姿!?」

 サイズが合っていないのか、妙にピッチリとデルヴァさんの肉体に張りついている紺のミニスカスーツ。
 清楚な白ワイシャツを凛々しく着こなしてはいるけど、そのせいで逆に大きな胸の膨らみが服の中に詰めこまれ、今にも上着のボタンが弾けそうだ。
 
「……ふむ。説明をせねばわからんか。これはお前が本棚に隠していた1冊の本……。『ドスケベ女教師、童貞を喰う』の格好だ」
「ひええええっ、いつのまに……! 俺の秘蔵のコレクションを……!」
「フン……。ヒトの気が、生物の気配が色濃く残る物。ユウイチが最も多く使用した書物を見つけることなど造作ない。……それで、どうだ? こういう姿は……」

 しなを作って、上目遣いに聞いてくるデルヴァさんの顔には赤フレームの眼鏡がかけられていて、ますます女教師っぽい。

「めちゃくちゃエロい! 厳しそうで、でも身体はエロくって……。ダメな生徒を徹底的に飴と鞭でビシビシ教育してくれそうで……!」

 その上、ミニスカから伸びた脚には黒のガーターソックスを履いていて、褐色の絶対領域がチラチラ視界に映るんだからたまらない。

「セクシー女教師! こ、これを見せるために……別々に風呂に?」
「ああ。そうだ。喜んでいるようで良かった。……では、さっそくだが身体検査をさせてもらおうか……。そら、ベッドに座れ」
「は、はいっ……おおせのままに!」

 スーツ姿のデルヴァさんに二の腕を掴まれ、強制的にベッドへと連れて行かれる。
 そのきびきびとした動きも教師らしければ、流れるようにこちらのズボンを脱がせ、下着の上からもぞもぞと指を這わせてペニスを探す生真面目なやり方も、実にこのコスチュームに似合っている。

(こんな美人な女教師なんて、学校で見たことないけど……。夢みたいだ……!)

「……今日の昼、ベランダで宣告した通り……今夜は私が攻めさせてもらうぞ。私が教師で、お前が生徒ならば……主導権を取る理由には充分だ。……んん? 精巣が空になるまでじっくり子種を搾り取らせてもらうとしようか……」
「の、望むところです……せ、先生!」
「……物分かりのいい、優秀な生徒だな。……んっ……」

 ぎこちない手つきで俺の肉棒を取り出すと、その根元にねっとり指を絡める。











「いただきます……。んッ……ちゅるっ……ちゅッ、ちゅっくっ……クチュッ……」
「ひぁあああ……!」

 デルヴァさんの顔が股間に接近し、濡れた舌が亀頭をペロペロ舐めはじめる。
 するとサラサラした紫の髪先が、俺の太ももにかすめて強烈にくすぐったかった。

「こら……動くな、減点りゃぞ……。んむっ……。ちゅぱ、ちゅぷ、くちゅっ、ちゅむ……んんん……ッ」

 頭の角度を変え、丁寧にカリ首をなぞってから再び亀頭を重点的に刺激していく。

「ん、ぁ……見てみろ……。お前の尿道がヒクヒクして、早く精子を出したいとおねだりしている……可愛いやつだ、すぐに楽にしてやるからな……ちゅっ」

 唇で一度鈴口にキスを浴びせてから、デルヴァさんは期待いっぱいに屹立している俺のモノをその口の中に導いていった。

「はむ……んん、んむ……んんん……」

 焦らすようにゆっくり口内へ男根を咥えこみつつ、空いた手でスーツの上着を肩からずらし、純白のワイシャツのボタンをひとつずつ外していく。

「れろ……ちゅぷっ、くっぷっ……くちゅっ、ちゅ、ちゅっちゅるるる……んん……んむぅ……♪」

 妖艶な流し目を見せながら、乳房が見えるくらいのところまでシャツをはだけたデルヴァさんの、露わになった胸が俺の両脚に乗ってきたときにハッとした。

(ノ、ノーブラ……! ノーブラダークエルフ女教師……!)

 ツンツンと股間に当たる、尖った乳首。褐色の膨らみの先で存在を主張しているそれはいつ見てもピンク色で、控えめで可愛らしい。

「んふぁ……んぷ……。ちゅるッ、くちゅ……ちゅぷ……。ぷちゅ、ちゅっ、チュッ……」

 俺の性感帯を探すのに夢中になっている彼女は、自らの乳首がこちらの蒸れた陰嚢に触れていることにも気づかずに、ひたすら舌先でペニスの表面をなぞっていた。

「あふ……。ンンッ」

 鼻だけで呼吸していたデルヴァさんは、口の中で膨らんだ俺のイチモツに虚を突かれ、えづいて唇を放そうとした。
 が、それを無理やりこらえると……今までより強く、はしたなく男性器に舌を絡みつかせる。

「んんー……レロぉ……っ。にゅるッ、にゅるぅうううー……っ……」
「く、ぁ……腰が抜ける……!」

 決して素早くはないストローク、ゆったりとした頭の動きで舐める場所を上下させながらデルヴァさんはチラ、と俺を見上げた。

(う、わ……しゃぶられてる俺が金の瞳に映ってる……)

「んむ、もごっ……じゅるっ、くちゅっ、ちゅっ、ちゅっ……ぢゅるっ」

 ねっとりと焦らしながら行われる口淫に、次第にこちらの腰が落ち着かなくなり……もっと深い刺激を欲して、肉茎はピクピクと痙攣する。

「あの! あと少し……強く……! 乱暴にしてもビクともしませんから!」
「まら……、まらら……ッ。限界までユウイチの快感を引きずりらひて……んッ、わたひのモノだとわからふぇてやう……っ。むちゅっ……! ぐぽっ、ぢゅるるるっ……!」
「お、ぁ……あああっ」

 わざと音を立てて亀頭にキスをした後、丸ごと陰茎を咥えこむ。
 大胆な仕草で快楽の予告をするくせに、やはり緩慢な動きで俺をもてあそぶデルヴァさんの瞳は喜悦に濡れている気がした。

「あ……ん、ぴちゃっ……ちゅぱっ、ぷちゅっ……ちゅ、ちゅぷッ、くっちゅっ……♪」
「は、ぁ、あああ……すみません、じれったすぎます……!」
「たまにはこういうのも良いらろう……? ン……ッ、女教師に歯向かうなどと……れるっ、落第してしまってもしらないろ……? んん? れろ……。にゅぷっ、ぷちゅ、ちゅっ……ふふふ……♪」

(ド、ドSだ……!)

 俺が腰を突き上げて、柔らかな喉奥に亀頭をねじこもうとしても、それらはすべてうまくかわされ、チロチロと尖った舌先で跳ね除けられる。

「ん、こ、こら……! 勝手なことをすりゅな……んん……! 計画が崩れるれはないか……んっ、ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅる……ぴちゃっ、くちゅっ……」

 もぞもぞと俺の脚の間で動きながら、チンポの味をテイスティングするデルヴァさん。
(あれ……? なんだろう、俺の股間から聞こえる水音の他に……。にちゅぷちゅって、いやらしい音が聞こえる……?)

「んんんぁっ……♪ あぁ、はぁ、はぁ、はぁ……ユ、ユウイチ……っ」

(……!)

 デルヴァさんは、俺の息子を右手で掴み、念入りにおしゃぶりしながら……空いた左手で自分の割れ目を慰めていた。

「あふ……ぁああっ♪ ん、ぁ、しょっぱくて……臭い、最高の生殖器だ……ん、ん、ん、んん……っ♪」

 いつの間にかぐしょぐしょに濡れそぼっていた下着をずらし、親指と人差し指で肥大化したクリをねちょねちょといじっている。
 その手が前後して、膣口を掻きまわし、時にはトロトロの肉穴に侵入しているのを見ているだけで興奮が抑えきれない。

「あ、あ、あ、……も、もうらめだ……。我慢れきないぃ……。ユウイチのチンポ、……あッ♪ 救世主の、ちんぽぉ……。嗅いで、舐めて、味わっていたら……あぁあ、種汁を期待して身体がおかひくなるぅ……♪ んちゅっ、チュ、ちゅ、ぴちゃぴちゃ……っ」

 濃厚なメスの香りがぷんと立ちのぼり、俺の鼻孔を満たしていく。
 それはデルヴァさんが発情しているときにだけ嗅ぐことのできる……特別なニオイ、甘酸っぱくて蠱惑的な、オトナの女の……秘密のフレグランスだ。

(気位の高いデルヴァさんが、あのダークエルフの女将軍が……! ヒトの格好をまねて、俺のものをしゃぶりながらオナニーしてる……!)

 話に聞いたことのある彼女の仲間たちがこの姿を見たらどう思うだろう、と想像した瞬間ペニスがゾクゾクと反応する。

(こんな光景を見られるのは俺だけ、この世界の中で……ふたつの世界の中で俺だけなんだ!)

「んんん……! 本気でゆ、ゆくぞ! この私の舌遣い、お前を想うこの気持ひ……! しかとその身で勉強しろッ……! んぅ……っ!」

……ずぞぞぞぞぞっ、と下品な音をたてて男根にむしゃぶりついたデルヴァさんは、勢いを殺さずにそのままペニスの根元までを口に含みきった。

「ん……んんぅ……ッ、ぢゅるぢゅるぢゅるぢゅるっ……! じゅるじゅるじゅるじゅるじゅるッ……!」











 ぬぽっ! ぬこっ、ぬこっ、と激しく唇から出し入れされる肉茎は……あまりの速度についていけず、カリ首にまとわりつく包皮ごと亀頭を磨き上げられていった。

(チ、チンポがデルヴァさんの唾液で、吸引でどんどんピカピカになっていく……!)

 出会ったころには『よだれを垂らしながらオスに奉仕するなど……!』と険しい顔でフェラチオを拒んだこともあった女将軍だったが、今は溢れる先走りも、自らの唾液も気にしていない。

「じゅぽッ! ずちゅぐちゅぐちゅっ! じゅっぷっ! ぢゅるっ! じゅぷっ、じゅるるるっ……!」

 ひたすら熱心に肉茎から滴る雫を舐めとり、すする彼女の上半身ではこれでもかとばかりに乳房が前後に弾け動いている。

「ああああ……ひんぽ、ちん、ぽ……んむぅううっ! ユウイチの……チンポ……! ぐちゅっ! ずちゅるるるっ! じゅるっ、ずちゅるるるっ……!」

 メスの本能剥き出しでペニスを攻めたてながら、デルヴァさんの指は己の秘裂を慰め、『ここに、ここに欲しい』と表すようにお尻が揺れていた。

「きひゃまは……ァ、貴様はこのデルヴァ・ケレブリアンのつがいとなる男ら……っ、誰にも渡さない……。子種一滴、んッ、その心ひとつ、しゅべて……ぢゅるるっ、すべて、全て私のものだ……! よそ見をするな……ぁ、ぐちゅっ! ぐっちゅっ、ぐちゅぅうっ……にゅぽっ!」

 触れてもいないのに乳首を硬く勃起させ、ぱたぱたと愛液の雫が床に落ちる。
 隙なくきっちりと整えられていた髪が乱れ、長い耳を震わせながらデルヴァさんは俺の裏筋を舐め上げ、挑発的な視線を送ってきた。

「……い、いいのか? やられっぱなひで……。ンッ、女教師の口に精子をぶちまけたかったのではないのか……もごっ、むぐ……ちゅる……っ」
「確かにそう思ったこともあるけど……今は、今はとにかくデルヴァさんに精液を飲ませたい! 浴びせたい! 服装なんて関係なく……ダークエルフのデルヴァさんにっ!」
「……ふぁかな男ら……」

 こちらを馬鹿な男だと呟いておきながら、その目はとても優しかった。

「んぢゅるっ! じゅぽっ! じゅぷ、じゅぷっれろぉ……じゅっぷっ!」

 愛情たっぷりの舌愛撫、そして『射精していいぞ』と許しを告げるアイコンタクト。

「んっ、んっんっンン……!」

 ぐぢゅるじゅるじゅるじゅる、と大きな水音を奏でながら、デルヴァさんは親指で肉豆を押し潰し、『自分も共に果てよう』と瞳で伝えてくる。

「んんんんん……ッ! 出ふぇ……出ふぇぇ……欲しひ、お前の子種、が……! っぐっちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっじゅぷっ! じゅっぷっにゅぷ……っ!」

 種汁を要求し、舌で何度も鈴口を拡げてせっつくデルヴァさんに、俺の股間の奥から凄まじい嗜虐欲が湧いてきた。

「なら本気で全部受け止めてくださ……い!」
「んぐぅううっ!?」

 俺はデルヴァさんの頭を両手でがっちり掴むと、やりたいように腰を振る。

「んむぐぅうっ!? んぐぅっ、あッ、んぐぅううっ!? ぐぢゅっ……! ぢゅぷっ! ぢゅぷっ! あぅうっ!? んぅうううっ!?」

 目を見開き、デルヴァさんが身体を硬くするとそれにつられて喉奥がキュゥッと締まる。

「あ……あ、あ、出る、デルヴァさんの口まんこに出る!」
「んぅううううーっ!?」

 強ばる女将軍の喉に、そして直接胃に精液を流しこみながら俺は目の前の彼女の頭を抱きしめる。

「んぶっ!? あぶっ……んっ、んんぅっ……んぐぅうっ……? えふッ……けふっ!?」

 酸素が足りなくなってえづいたデルヴァさんの口からペニスを引き抜くと、俺はそのまま残り汁を濃いココア色の顔に放出した。











「っはぁ……はぁ、ハァ、はぁ……あ、あああ……っ」
「あれ? デルヴァさん、俺にイラマチオされて潮噴いちゃったの?」

 俺の射精と一緒に、盛大に床へ愛液をお漏らしした彼女は……キッ! と厳しい目でこちらを睨みつけたものの……。
 すぐにふにゃふにゃ、へなへなと濡れた床に座りこんだ。

「……だ、出せと言ったのは私だ。だが……っ、ごほっ、お、愚か者……! こちらの状況も考えろ……! そ、そうすれば……なんだってしてやったのに……っ」
「慌てるデルヴァさんが見たくって……」
「っ……」

 精液まみれの顔で、デルヴァさんは顔を赤くした。
 そしてうつむきながら、きゅうっ……と唇を噛みしめる。

「……惚れたほうの負け、か。だがな、こ、これだけは覚えておけ! ヒトの女に頼らずとも……『えーぶい』とやらに……『アダルトビデオ』なんかに欲情せずとも、わ、私がいる。どんなプレイでも受け止めてみせる。だから……。わ、私だけを見ていろ! ……条件はなんだ? どうすればユウイチは私のものになる!?」

(あ……。もしかして、女教師モノで過去に抜いてたことに嫉妬してるのか……?)

 俺は射精後のけだるさの中で、なんとかデルヴァさんの髪を撫でた。
 
「……デルヴァさんが俺だけ見ててくれるなら」
「……! な、なんだ、そんな簡単な条件でいいのか。それならば、すぐに誓える。私がお前以外の者を……この瞳に映すことは絶対にない……!」

 ぱぁっ、と嬉しそうな表情になって顔をあげるダークエルフ。
 その輝く微笑みを見て、俺はしみじみと呟いてしまう。

「現代に連れてきてわかったよ。デルヴァさんレベルの美人は、一歩だって外に出せない。それくらい……、貴重な宝石くらい大変な存在なんだって。だから……ずっとここに閉じ込めておこうかな?」
「……調子に乗るな」

 凛とした声で言い返した彼女は、幸せそうに笑っていた。

「貴様を閉じ込めるのは私だ。なぜなら、私のほうが……、お、お前、を……スキ……だからだ……!」




  ◆◆◆エルダ編・おわり◆◆◆




本連載はこれで完結です。ご愛読ありがとうございました。
なお本連載を1冊にまとめ、大幅加筆修正した文庫版が12月に発売予定です。
そちらもお楽しみに!!





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