スケベエルフさん、現代へようこそ!
~「ようこそ! スケベエルフの森へ」スピンオフ 巨乳で一途なエルフたちといちゃらぶする短編集~
2018年9月28日
ぷちぱら文庫
著:和知まどか
画:葵渚
原作:ルネ
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フィリス・前編


「そ、そそそそ、それで……? 救世主さまは誰をお選びになったのかしら?」

 優雅に白磁のティーカップをつまみながら、ハイエルフの城の姫……フィリス・ハガルヘルムが俺に問いかけてくる。

「……ど、どどどどどうなさったのかしら、せっかく貴方さまをわたくしの城に招いたのです。自分の家のように気楽にお茶を飲んでくださってかかかかかかまいませんのよ?」
「うん。でもまず、フィリスのほうが落ち着こうか」
「……ッ!?」

 顔だけはキリっと凛々しさを保っているものの、カタカタカタと手が震え、フィリスは紅茶をびちゃびちゃ周囲にこぼしまくっている。

「し、失礼いたたたたしましたたたたたわ、お見苦しい姿をお見せして……ッ」
「謝らなくていいから。はは、なんかこっちの緊張までフィリスがふたりぶんやってくれるから……なんかこっちは逆に冷静になれたよ」
「そそそそそそれは結構ですわね、って、話を逸らさないでくださいまままままませ」
(『そ』と『ま』が多すぎる……)

 赤いツリ目、高く結い上げられた細いツインテール、高貴で上品な喋り方から高慢で生意気な印象を写真では抱いていたものの……実際に対面したフィリスは、なんだか思っていたほど親しみにくいハイエルフではなさそうだった。

(もちろん、少しアホの子っぽいだけで……。美貌は群を抜いているんだけど……)

 エルフ、ダークエルフの違いはわかりやすい。
 白い肌を持ち金髪であることが多く、木々に囲まれた土地を好むエルフと……暗がりを愛し、つややかな褐色の肌を持つ地下の国の民……ダークエルフ。
 そのどちらでもないハイエルフのフィリスを選んだのは、他の2種族よりも精霊や神に近く、幻想種として優れているというハイエルフに一度実際に会ってみたかったという理由からでもあった。

(実際にテーブルを挟んだ近距離で見ると……なるほど、これはすごい)

 俺は、豪華絢爛に白いレースの上に並べられた果実、お菓子には手をつけず、ひたすらフィリスを見つめていた。
 綺麗すぎて目が離せなかったからだ。

(ノルはまあ置いとくとして、5人の中では一番細身だけど、そのぶんスラッとしていてスタイルがいい)

 それにこの色の白さは、日光浴を好むエルフよりもなお勝っている。
 ほとんどの時間を巨大な城で暮らし、高価な飲食物のみを摂取し、美容のために何千種類という膨大な数のマジックアイテムを所持しているというハイエルフは……内側からキラキラと光の粒子をまとっているようで、まさに芸術品としか言い表せない特別感があった。

「……救世主さま……?」

 不安げにこちらをチラチラ見てくるその瞳の上の長い睫毛。
 桜色の唇、これ以上どこをいじれるだろうか、と欠点ひとつ見つけられない整った顔立ち。
 銀色の長い髪の一本一本がプラチナのようにきらめき、しかもサラサラと流れている。

(エルフの中でも貴族、王族って言われるだけあるよな……)

 ぽーっと眺めているだけで、何年でも飽きなさそうなくらい可憐なその顔がむぅ、と拗ね片頬を膨らませたのを見て、やっと俺は本題を切り出した。
 正直、口にするだけで処刑されても納得できそうな……とんでもない台詞だったけど。

「俺はフィリスと子作りをするって答えた」
「んまぁ……! そ、それは真実ですの!? わ、わたくし? 本当に……わたくしを!?」
 口の前で両手を合わせ、ぽぽぽぽぽぽ、と顔を赤くするフィリス。
 感動しているのか、じわぁ……と涙ぐんでいた彼女は、次の瞬間、バンッ! とテーブルを叩き、面食らった俺に言い放った。

「わかりました! であればこの時より、この城、そしてわたくしは貴方さまの物になったと言っても過言ではありませんわ! ハガルヘルム城、そしてその当主たるこのわたくし……フィリス・ハガルヘルム! まるごと救世主さまにお譲りいたします!」
「え、えええええ! さすがに城までもらえないよ!」

 ハガルヘルム城の広さは、ちょっとやそっとじゃ目で測れないレベルなのだ。
 ノルにフィリスを選ぶと言ってから、用意された馬車でこの城に連れてこられたものの……広大な土地は横切っても横切っても終わることなく、遠目から一望することさえ不可能だった。

(と……東京ドームで言うと何個ぶんだ?)

 視界に入りきらない土地に立つ、巨大な城の色はやっぱり白で……。
 俺はふかふかの赤絨毯を踏んで、これぞファンタジー世界と感心してしまうくらい豪華なフィリスの部屋に通されたのだ。

「お、俺は……フィリスさえもらえれば」

 しどろもどろになった俺に、目の前のフィリスはひたすら瞳をキラキラさせていた。

「い、いいでしょう! ではわたくしと……この城で最も優れた部屋! それだけは贈らせてくださいませ! ささ、参りましょう!」

 勢い良く立ち上がった途端、ガゴンッ! と大きな胸をテーブルのへりにぶつけて悶絶している。

「んんんんんーっ……!」

 しばらく苦しみ悶えたあげく、駆けつけたメイドふたりに支えられながらフィリスは俺の椅子の前まで歩いてきた。
 そして、びしぃ! と人差し指をつきつけてくる。

「貴方さまはこれより、この城の城主! そしてわたくしの夫ですわ!」
「だから城とか夫とか話のスケールが大きすぎるから!」
「んぐっ……わたくしの夫になるのはお嫌ですの?」
「そういうことじゃなくて」
「そうですわね……。わたくしひとりでは満足できないのでしたら、他のエルフ達もめとって構いません。わたくしを第一夫人にしてくださるのなら……ッ!」
「だから飛躍しすぎだって!」
「それでもダメなんですの!? では……では序列最下位でも構いません! 最悪側室……あ、あ、あ、愛人でも……」
「フィリスはそこまで美形なのに卑屈すぎないか!?」

 思った以上に面白いエルフを第一候補に選んでしまった。
 俺がフィリスに『そういうことじゃない、気が早すぎるんだ』と丁寧に説明すると……すっかりしょげて耳を垂れていた彼女のツインテ?ルがぶわっ! と喜びで広がった。

「そういうことだったのですわね! ならわたくしにもチャンスはいくらでもあるということ! 貴方さまの部屋も用意ができたようです、さあ、さあ、是非ご覧になって!」
「わかった……わかったから……急かさないで……」
「こちらです! 城の最上階、わたくしの部屋の隣を準備させましたから!」

 フィリスに立ち上がらされ、案内された隣の部屋。
 そこにはキングサイズのベッド、木製のテーブル、ふたつの椅子……そして何より目立つ、2メートルはありそうな姿見……つまりは大きな鏡が壁にしっかりとはめこまれていた。

「この鏡は?」

 一点の曇りもなく巨大な鏡はいかにも価値がありそうだけど、同時に威圧感もおぼえてしまう。
 俺はあんまりお洒落に興味がないんだけど、と言いかけた俺の腕によりかかると、フィリスはうっとりした表情で鏡に映るふたりを見つめていた。

「この鏡はわたくしの城の秘宝。家宝といっていい品……。真に愛し合うふたりに奇跡を授けると伝えられている、遠い異国のマジックアイテムですわ」
「真に愛し合うふたり……」
「ここまで言えば伝わってしまいますわね。つまりは、ここでわたくしを愛していただきたいのです。ヒトの世ではそれを『まーきんぐ』とおっしゃるそうですわね。ですから……、ん、し、していただきたいの。この城にも、わたくしにも……この部屋にも。救世主さまの『まーきんぐ』を……」
「フィ、フィリス……!」

 ここまでお姫様に、ハイエルフの少女に直接的なおねだりをされてまで、我慢をするほど俺は人間ができていなかった。
 俺がフィリスを全力で抱擁し、そのままベッドにひっぱりこむと……。

「あん……♪ もぉ、なんて勇敢な方なのかしら……。わたくしの王子さま……。ああ、貴方さまにずっとずっとお会いするのを待ち焦がれていたのです……! ちゅっ」

 ぎこちない仕草で、唇を奪われてしまった。

「……ど、どうぞ。好きなだけ種をつけてくださいませ。わたくし、逃げも隠れもいたしませんわ……」

 シーツに寝そべり、胸に手を当て、そっと目を閉じたフィリスを見下ろしていた俺はふと……この部屋に鎮座する立派な鏡を使ったプレイを思いついた。

「フィリス。俺の膝の上に乗ってくれ」
「……は、はい? こ、こうでしょうか……?」

 身体を起こし、ベッドのへり……鏡の真正面に陣取った俺の脚の上に、恐る恐るフィリスがお尻を下ろしてくる。

「し、失礼いたします……んッ……」

 むにゅ、と俺の太腿に伝播する心地いい重み。
 白桃のような剥き出しの臀部をこちらの股間に乗せるために、フィリスの腰を抱いて引き上げる。

「きゃっ……あッ……、きゅ、救世主さま……?」

 後ろから抱きしめられた格好で密着していると、フィリスのほのかな甘い香りが鼻孔をかすめ、すべすべした背中のラインや少し蒸れたレオタードの熱が直に伝わってくる。

「ッ……! あ、あの、この体勢ですと……か、鏡に私だけが大映しになって……」
「それでいいんだ。これから、Hをするところをこの鏡に見てもらおう」
「なっ……! それはさすがに恥ずかしいですわ……!」

 いやいや、と可愛く顔を横に振ってみせるフィリスだったが、ここまできて逃がすつもりはなかった。
 ぐっとフィリスの胸布を中央に寄せ、左右の乳首を露出させる。

「あ……、ほ、本当に……映しながら……ッ?」

 ぷるんと弾かれるように現れた、小粒でピンク色の乳頭と形のいい柔らかな乳房とが俺の目と、そして透明な鏡に晒されている。
 箱入りのお姫様には強烈すぎるこの状況に、もちろんフィリスは戸惑っていた。
 ドキ、ドキ、ドキ、と薄い背中から心臓の鼓動が聞こえ、彼女が躊躇していることも感じとれた。

「……どうする? やめておく?」
「……い、いえっ、大丈夫です! 申し訳ありませんわ……、わ、わたくし、世間に疎いものですから。でも! た、確かに名案ですもの。真実の愛を誓う鏡に……交わるふたりを映すこと……。やはり救世主さまは慧眼ですのね、未熟なわたくしに様々なことを教えてくださいまし……」

 俺のやり方を受け入れた証拠として、おずおずと膝を割り、脚を開いていくフィリス。うなじを震わせながら羞恥に耐えるその姿が可愛くて、首筋をれろっと舐めてみる。

「ッは……ぁ、あぁ……っ。ぬ、濡れた感触が……脳に響きますわ……」

 もじもじはするものの、抵抗されなかったことに気を良くして俺はフィリスの顔の輪郭……そして頬をついばみながら、後ろから手を回してまろび出したばかりの胸の膨らみを揉みしだいていく。

「んッ!? んんっ……手がすごく熱い、ですわ……。それに吐息も荒くなって……、わたくしで興奮してくださっているのですか……? はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

 手のひらから若干はみ出すフィリスのおっぱいは、ちょうど手の上で転がしやすく……くにくにと指先でなぞり、刺激するだけでいくらでも可憐な嬌声を引き出せる。

「あぁッ……!? ん、ふぁ……ああ、んくっ……ン、んっんっ……。な、なんだか、身体が痺れて……頭がふわふわして……。不思議な気持ち、です……ッ。ぁっんっあぁふっ」

 いくら身悶えしても、決定的な拒絶をしてこないフィリスを好き勝手にいじくりまわしていると、なんだかいけないお人形遊びをしている気分になってくる。

「んぁあっ、あッ、あぁっ……! 肌がピリピリして……。知らない感覚が、あッ、こ、これはなんなんですの……!?」

 怯えた様子で身を硬くするフィリスを優しく慰めてあげたかったけれど、それより先に好奇心がムクムクと湧いてきてしまった。
 なぜなら、胸を柔らかく揉んでいるだけで、既に小さな乳頭がピクピクと勃起しはじめていたからだ。

「……フィリスはすごく胸で感じるんだな」

 あえて耳元で囁きつつ、人差し指でツンツンと先端を弾いてやると、それだけでフィリスはだらしのない声を漏らす。

「ふにゃっ……にゃあああんん……! そ、そこは、はふっ……! 自分でもあまり触ったことがなくて……あっあっあっ、凄い、触られるのしゅごい、クラクラしますぅ……」

 乳首で感じてしまうのは冗談ではないらしく、カリカリと指先で尖った乳頭をこすってやるだけでフィリスの身体はぐねぐねに芯を失い、軟体動物のように蕩けていく。

「あッひっ、きゅ、救世主しゃまっ……! そ、そこは子作りに関係ありませんからっ! そんなにいじめないでくださいませ……っ! あぁんッ、わたくし、わたくしヘンになってしまいます……! おっぱいおかしくなっちゃいますからぁ……!」
「おっと……!」

 ふやけてそのままズルリと俺の腰から落ちそうになったフィリスを、抱え直す。
 するとその拍子ににゅるん……っ、とフィリスの股間に亀頭が当たってさらに甘酸っぱい声が溢れてきた。

「あッああああ……っ♪ い、今硬いものがわたくしの大切な場所を……んぉおおっ♪ こんなに……こんなに鋼のようになるのですね。それに……ああ、鏡に映った救世主さまのものが……大きくて、太くて、わたくし……んっ」

 ごく、とフィリスの喉が鳴り、彼女が唾を飲みこむのがわかる。
 俺は蒸れた自分の股間を見下ろしながら、発情を抑えきれずにいるフィリスの湿ったレオタードに何度もペニスをなすりつけた。

「あっ? きゅ、救世主さまっ……! それ、それ……ああ、もどかしいッ。気持ちいいところに当たって……、それなのに布が邪魔で……あっ! ズリズリ、ズリズリされるとはぁっ……はぁ、たまりませんわ……!」
「ん……? 少しおしっこの匂いがするな。まさか漏らして……?」
「はぅっ……、ち、違います、違うと思いますけれど……ああ、もうわかりません、自分の身体なのに……! 知らないゾクゾクで、ちっとも制御できませんの……ぉっ」

 ぷしゅ、ぷしゅっ、とフィリスの割れ目から噴き出す汁がお漏らしなのか潮なのかはわからない。
 けれどそれがあたたかくて、俺の亀頭にぬめりを足してくれることは間違いなかった。

「……すごい濡れ方だな。中を見てもいいか?」
「は……は、い……どうぞ……」

 フィリスの白いレオタードの生地は透け、中のピンク色の媚肉がうっすら覗けている。それを直接この目で見たくて、指で大きくズラすと最初に目についたのはすっかり尖ったクリトリスだった。

「……んんッ! んんんっ……ああ……救世主さまがわたくしのアソコを見て……。っ、ど、どうですか? がっかりさせてしまいましたか……?」

 不安げに震えるフィリスに、答えるのを忘れるくらい……そこは理想的な形をしていた。
 薄い大陰唇、その中心で1本の縦筋がわずかにめくれて色素の薄い桜色のヒダヒダが見え隠れする。

(ハイエルフはこんなところまでいちぶの隙もなく美しいのか……)

 生き物特有の生々しさ、歪みや崩れはなく、作り物のように完璧な膣口はてらてらと雫に濡れて今か今かと俺の訪れを待っている。

「申し訳ありません、は、初めてなのにこんなに救世主さまの前で濡れてしまって……っ……」

 見られているのが恥ずかしいのかもじもじしているフィリスに、俺は再び股間を押しつけた。
 そしてクチュクチュと肉茎で秘裂の上を往復しながら、素直で可愛いプリンセスに命令する。

「アソコを広げててくれ……! 入れたい」
「わ、わかりました……。んッ……」

 ぴら、と細く長い指先が自らの入り口を割り開く。
 にちゃぁ……と広がった膣口の中にはぷっくりと肉厚な襞が詰まっていて、挿入するだけで気持ちいいことは保証されていた。

「あ、ああああっ……! い、入れるのですね、おちんちんが密着して……! あッ! 入って……はいっ……! んああああああああぁああーッ!?」

 角度を定め、1秒も待っていられずフィリスの中に侵入していく。

「あッくぅっ……んぐぅううっ! いたっ……あっ、イタいですわ、あっ! あっ! 救世主ひゃま……ぁ、おちんちん、腕みたいに太くて……ぇ、ひぃいいいっ……!」

 多少は脚をジタバタさせたものの、今さら抵抗しても男の力にかなうわけがない。
 俺がそのままズブンッ! と肉茎を全て埋めるとフィリスは鏡の前で大きくのけぞった。

「あひっ、ひぃいっ! ひぃいいいんん……!」

 ズンッ、と最奥にめりこんだ亀頭の威力で、フィリスの髪が前後に揺れる。

「も……も、ダメ! ダメっです、あっ! あッ! あっぁっあっあっあっ!」

 花弁からフィリスの指が離れ、ぶらんと垂れた瞬間……俺は心地いい膣内のぬくもりと膣襞のプリプリした感触をもっと知りたくなって、許可なく腰を打ちつけていた。











「ん……ぃいいいいいっ!? は、はげし、激しすぎますわ、救世主さま……ぁ、優し……く! 優しくひてくださいまひぃ……! あっ、あッあっぐっんんんっ!」

 フィリス本人の心の準備はまだでも、膣粘膜のほうはこちらを狂ったように求めてきている。
 突き上げるようにしてペニスを子宮口に叩きつけると、フィリスはきゅっ……と爪先に力を入れてその衝撃に耐えていた。

「ん、くぅうううー……ッ! 強いぃ……! これがヒトのっ……救世主ひゃまの子作り、種付け……ッ!?」

 狭い肉路を肉笠で拡げ、ゴツゴツと最奥をノックしながら俺は無意識にフィリスの身体を抱きしめていた。
 そのとき、無我夢中で掴んだもの……交尾の熱で蕩けた乳房、その柔肉のまろやかさといったら、今まで手にしてきたもの全てと比べても人生一番だ。

「あっ!? 胸ェ……胸まで一緒に刺激されたらぁ……っ! あッ! イッちゃいますわ、イッてしまいますぅうう……っ! やめてぇ……えっ!」

 性行為のあまりの気持ち良さに、怖くなったのかフィリスがわがままを言いはじめる。
 怯えてにゅる……と膣道をすぼませるものの、彼女はそれがこちらのチンポにとっては抗いがたい快感を与えることに気付いていない。

「脳天に……くるっ……!」

 視界が霞み、頭に血が上るほどの気持ち良さ……セックスにちょうど都合のいい肉穴はフィリスの意志とは無関係に、巧みにペニスにまとわりついてくる。

「あッひッ! ひィ……っひぃっ! ズボズボ! ズボズボされてますっ、じゅぼじゅぼぉおおお……ッ! あっあっえぐれちゃうっ、わたくしのアソコがガバガバになってしまいますぅ……! 太いんですっ、太すぎて……あっ! 怖いぃい……!」

 淑女らしく恐怖を口にしているのに、乳首はますます肥大化し、胸のムチムチ感も増している。
 それに何より、ペニスをがっちり咥えて放さないのはフィリスのおまんこで……亀頭を抜き差ししようとするだけで、子宮口付近の肉襞が『出ていっちゃやだ』『ここにいて』と捕まえにくるから全力でそれを振り切らなければならないくらいだった。

「お……!? んっぉっ……おおおおっ!? あはァあっ……! いやぁ、いや、気持ちよすぎます、こんなの無理です! 赤ちゃん作るの、ここまで気持ちいいなんてお母様も誰も教えてくださらなかったのにィイイ……っ!」

 乱れる自分の顔を手で隠しつつ、喘ぐフィリスの姿に劣情を煽られる。
 ズッズッズッ、と小刻みに膣奥を刺すと、お姫様の顔が……口元がわずかに緩んだ。

「んぁぁあああうぅうう♪ 気持ちいひ……気持ちひぃ……ッ♪ なんですのッ、なんですのこれぇ……! 赤ちゃんいただくのに、神聖な愛の儀式にっ、快感ッ……快感を与えた神を恨みます……ぅう♪ 恥ずかしいぃ……っ!」

 性器同士を交わらせるだけで、アヘってしまうような悦楽をぶちこまれてしまったら、そして獣のように盛り狂ったら、これはもう子作りのための行為ではなく……。

「おまんことおちんちんさまのグチュグチュでしかありませんわっ! だって現にっ……わたくし、わたくし、もぉ……おちんちんで頭がいっぱ……いぃいい! いぃいいっ!」

 いつの間にかフィリス自身もへこへこと情けなく腰を振り、ふたりでどこまでも深みにはまっていく。

「あっへっ……あへぇっ! 大切な、大切な赤ちゃんを作っているのにぃ! ママッ、ママ、ガチガチおちんちんにゴリュゴリュしてもらうことしか考えられないぃいい……!」
「あ! お、おいっ……!」

 ズコズコとフィリスの熱い粘膜にペニスをしごかれて、じわじわと射精欲が溜まってくる。
 まだだ、まだこうしていたい、永遠にこのおまんこにしごかれていたいと心は叫んでいるのに、身体はとっくに限界に追い込まれていた。

「腰を止めてくれ、で、出る……出るから!」
「出りゅぅ……? なにっが、でひゅか……あっはっ♪ もう何もわかりませんわ、何も……っ! ただ、これだけっ! おちんちんだけ! おちんちんの硬さだけ……ぇえ! フィリスはぁ……わたくしはおちんちんだけあればいいのですぅ、おちんちんグポグポされるのが何よりも好きな悪いハイエルフなんですのぉおお……♪」
「最初の目的を忘れてるじゃないか……! あっ、んぐぅうっ!」

 ツッコミを入れる余力もないのに、思わず指摘してしまった。
 そのせいで、ぶぴっ……と精液がひとすじ漏れ出て……。

「だ、だめだ、止まらない……!」

 こらえようとしたところをダメ押しにフィリスの襞が引き絞ってきた。

「あーっ! あっあっ、イキまひゅぅうっ! ママイクのっ、イキまひゅのぉおおっ……イクイクッ♪ イっぐ……っ! イカされますぅうう……っ!」
「ど、どうにでもなれえ!」

 フィリスの絶頂と同時に俺もパンパンになっていた睾丸を解き放った。

「おひぃいいい! ひぃいいいいいん……!?」

 お姫さまには似つかわしくない、ブタのような汚い声をあげて達するフィリス。
 その最奥に、望み通りドロドロの……ゼリーのように煮詰まった精液を注入していく。
 ドクッ! どくっ、どくっ……びゅっ、びゅるるっ!

「あーーーーっ!! あああああーーーーッ!!」

 チカッ、と目の前の鏡が輝いた。
 けれど俺たちはそんなことを気にしている状態ではなく、ただ鏡へと飛び散る愛液、そして精液の余韻に浸りきっていて……。

「……あ、ありがとうございました……。きゅ、救世主、ひゃま……」











 ぐったりとこちらに身体を預け、放心しているフィリスを落ち着かせることに集中していて……。
 この鏡が『真に愛し合うふたりに奇跡を授けると伝えられている、遠い異国のマジックアイテム』であることをすっかり記憶から失くしていた。

「救世主ひゃまは……、もし願いが叶うのなら何を願いますか……?」

 鏡面に映る、俺の白濁を注ぎこまれたフィリスの肢体。
 綺麗なものをこの手で汚した喜びに胸を詰まらせていた俺が、これ以上望むことはないと答えようとしたとき。

「やっぱり『元の世界に戻りたい』……でしょうか? でも、そうですわね……。わたくしも、一度救世主さまの世界をこの目で見てみたいです。救世主さまを育ててくださった、大切な世界を……」

 フィリスのピロートーク、本人も事後の幸福に酔っていただけのその台詞に、鏡は突然発動した……!

「んぐぁああああっ!?」
「っきゃっ!? きゃああああッ!? こ、これは……!?」

 バリンッ、バリンッ!
 次々に亀裂が入り、鏡が砕け散ったその瞬間……俺たちはドスンッ! と硬い床に叩きつけられた。

(……ふわふわのベッドにいたはずなのに、床……?)

 ふたりでずり落ちたとは思えなかったし、この部屋の床には、城の廊下と同じく厚い絨毯が敷かれていた。
 それならばふたりは何に……一緒にぶつかったのだろう?

「うぅん……。暗いですわね、夜……? なぜいきなり夜に……?」

 俺の腕の中でむにゃむにゃ言っていたフィリスが、目をこすりこすり起き上がる。
 そして、俺ははっきりと奇跡を目撃した。

『一度救世主さまの世界をこの目で見てみたいです』……。
 鏡に願った通り、フィリス自身が口にした通り。
 俺たちは、ふたりして俺の元いた世界……俺が暮らしていた、狭い家のその床に転移させられてしまっていた。





  ◆◆◆つづく◆◆◆

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