快感電流
-人妻快楽実験・黒田睦美編-
2025年6月25日
wnその他
著:おくとぱす
画:愛上陸
近日発売のパラダイム電子書籍専門レーベル
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おくとぱす X 愛上陸 の新感覚心身支配モノ第2弾!
エロ異能力が開花した主人公、次のターゲットは
マンション住人の男児持ちクール系メガネ人妻!!

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エロ異能力が開花した主人公、次のターゲットは
マンション住人の男児持ちクール系メガネ人妻!!


「あなたは、とても素直に、何でも言えますよ。僕の指マッサージ、気持ちいいですか?」
「……きもち………………いい……」
 本来なら知的な美貌の人妻は、休日に子供に揺り起こされて寝ぼけて返事するような、ゆるみきっただらしない声で答えた。
「そう、とても気持ちいいですね。じゃあ、もっと気持ちよくしてほしいですか?」
「……して……ほしい……」
 返答に続いて、動いた唇の端からよだれがこぼれた。
「自分の体や、回りをよく見てください」
「…………」
 うながされて、睦美のまぶたはわずかに持ち上がり、深酒をしたようなどろりとした瞳が、指をつままれている自分の手を、そうしているアズマを、さらにはそれを見物しニコニコしている悠佳にも向いた。
「ね、いいでしょ? 変なことはされない。服はそのまま、変なところにもさわられない。あちこち揉んでもらって、気持ちよくなるだけよ」
 悠佳が経験者の余裕をもって言う。
 あらかじめ悠佳には、アズマのすることはすべて正しく、おかしなことは何もされない、そのことを睦美に念押しするように指示してある。そんな事情を知るよしもない睦美は、快感を与えてくれる相手ではあってもやはり男で初対面のアズマの言葉よりも、同性の友人で同じ人妻で子持ちという悠佳の言葉の方をより深く受けいれる。悠佳が言うならそうなのだ。それは今の黒田睦美にとっての真実。だから、変なことは何もされない。
「そこまででもすごくよかったけど、すごいのは、残り二本よ。薬指で今よりもっと幸せになって、最後はもう……今まで経験したことない快感よ。完全に飛んじゃうから」
 悠佳が体験談として語ると、それもまた睦美のなかで確定事項となる。どんな内容であっても。
「そして……この加古くんのものになっちゃうの」
「…………」
 悠佳が目を潤ませて言い、その言葉が睦美の精神に入りこんでいった。
「では……行きますよ」
 そのやりとりを経た上で、アズマは睦美の薬指をつまんだ。
「…………あ…………ああ…………あああぁぁぁ…………!」
 最初こそ無反応だったが、ぼうっとなっていた睦美の表情筋が動き出し、あちこち強く引きつったかと思うと、一気に涙をあふれさせ、頬へ水流を作った。
「ああぁぁぁ…………!」
 左の薬指。人妻の証であるリングのはまった、愛を誓う指。そこから流しこまれたのは、快楽の終着点である「愛」の快感だ。感動し、感激し、相手の幸せを願い自分の幸せをつかみ、自分の行動も思考も存在も全てが肯定され自分も世界の全てを肯定する、幸せだけの世界。体を触ってもらえる幸せ、気持ちよくなる幸せ、イッてしまう幸せ、イッた後の幸せ……好き。全部が好き。大好き。睦美の感情が激烈にふくれ上がって脳髄が多幸感で塗りつぶされる。
「あぁ…………あぁぁ…………゛あ゛あ……!」
 大量の涙に続いて大量のよだれもあふれ出て、睦美の美貌はぐしょ濡れになった。目尻は下がり頬はゆるんでだらしなく弛緩しきった顔つきになる。
 いい機会なので、ラエが薬指のリングに触れて魔力を流す実験をした。
(金属越しには、わずかには流れるが、布地越しと大差ないな)
(やっぱり、本当の電気とは違うんだね)
 ひとつ知見を得てから、最後の指に。
「では最後、約束の指です。これで決まりますよ」
 何を、とは言わずにアズマは一番端の細い指に移った。











 指切りで約束をする指。すでに大半を終えた快楽フルコース、ラストとなると料理ならデザート、音楽なら終結部、……セックスならピロートークというところがセオリーだが、熟練の老魔導師、巨匠ラエの目論見は定番とは違った。
「ひゃ!?」
 ここへ来て、強力な性感を流しこんだのだった!
 快感電流、本来の効果。鋭く貫き、熱く突き上げ、あらゆる部位からなだれこみ心身をしびれさせる容赦ない怒濤。愛にとろけていた睦美は、理性はもちろん、羞恥心、あるいは自分がなくなってしまう本能的な恐怖すらはたらかせることなく、猛烈な快感をそのまま浴びた。
「ひゃはああああっ!」
 絶頂する。ゆるんでいた体が一気に固まりこめかみや首筋にものすごい勢いで血管が浮き上がる。そのまま巨大な膨張と重たい炸裂―体の芯からの深イキで、心身すべてが快感に埋め尽くされ押し流されて真っ白になる。
 普通の性行為ならばそれで終点だが、終わらない。
 アズマは、骨が折れてしまうことのないように、睦美が硬直した瞬間に素早く細い小指を解放し、反対側で睦美の手そのものをがっしりつかんだ。柔い掌の中央に自分の指を食いこませる。普通のマッサージでも効くツボに、強い電撃をぶちこんだ。黒田睦美は手だけで、経験したことがないものすごいオーガズムに痺れることとなった。
「ひ、ひ、ひっ、ひぎっ、ぎっ、ぎひ、ひ、ぎ、ぎひぃぃ……!」
 イク時に硬直する睦美なので、歯もがっちり食いしばり、その隙間から断続的に異音を漏らすかたちの濁ったイキ声を漏らす。そうなるとすでに知っていたので、アズマは睦美の手をしっかり押さえたのだ。その上で手の平をクイクイと指でまさぐり続ける。その刺激ひとつひとつが性感帯への極上の刺激と同様のものをもたらす。睦美のうめき声はさらに漏れ出て、時折開く目はいっぱいに血走り、先ほどの歓喜の涙とは違う悦楽汁があふれ出る。
「うぐ、ぐぅぅ、ぐふぅ、おお、オォォォ……!」
(うむ、こうして、こう…………そして、ふぃにっしゅ!)
 アズマの知識から横文字まで持ち出して、ラエはご満悦の状態で行為を終了させた。
 睦美の手に指を食いこませるだけだったのを、手の平全体で握り、密着させた手の平肉すべてから快感電流を流しこんだ上で、そのままスポッと外したのだ。

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(C)おくとぱす / 愛上陸