姦染 -THE DAYBREAK-
緊急事態・ウイルスパニック再拡大《re-spread》
2021年7月21日
オトナ文庫
著:天翔狗
画:ジェントル佐々木
原作:SPEED

謎のウイルスに冒され、欲望のまま淫らに交わる人々(だったモノ)の群れ...!!
美少女ゲーム界の伝説、預言的パニックエロスAVGがついにオトナ文庫からノベライズ決定!!
ここで原作ブランド・SPEEDのプロデューサーにして本作著者である天翔狗先生に、
今回のノベライズについての感想、そして『姦染』ワールドの魅力をインタビューしたぞ!!




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――シリーズ第一作『姦染~淫欲の連鎖~』は2006年の発売ですが、当時この「ウイルスによるパニックホラー」をアダルトゲームのテーマにしようと思った経緯は?
 一番の理由は「ジョージ・A・ロメロ監督の ○○of the dead」シリーズが大好きだったから、です。丁度独立してスポンサーもでき、自分の企画で勝負が可能になったこと、身近にジェントル佐々木先生、当時のメインライターの存在があり……と、状況が整った為でもあります。彼らの存在もあり、この企画を成功させる自信もありました。駄目だったときは即座に引退しようとも考えていましたが(笑)

――なるほど。このテーマは確かに他メディアでは比較的ポピュラーな題材ではありますが、それらの中で影響を受けた作品はありますか?
 主に映画からなんですが、これはもう他でもなく、前述の「ジョージ・A・ロメロ監督の ○○of the dead」シリーズ、特に『Night of the living dead』です。が、他にもたくさんあります。同監督のThe Crazies、バタリアンの邦題でおなじみ、ダン・オバノン監督の『The Return of the Living Dead』、日本の特撮ホラー映画で、本多猪四郎監督の『マタンゴ』などです。
 ほかは、洋楽のheavy metalやThe Prodigyなどの音楽からですね。シーンを考えるに当たり、あの曲がバックで流れてそうだな……とか妄想しながら書き進めていました。小説もそうなんですが、ヒントを入れてあるので探してみてください(結構簡単です)。あと、ゲームシステム的な面では、アートディンクさんからリリースされていた一般作の『機甲師団』からです。あくまでも概念ですが。

――また、アダルトゲームとして特にユーザーにアピールしたかった部分は?
 これもホントひと言「乱交」です。女の子が沢山出てきて、そこら中で喘いでるってエロだよなぁと。
キャラの設定に関してですが、シリーズのコンセプトとしてになってしまいますが、「どこにでもいそうな普通の子(超能力があるとか、そういう事ではなく、という意味で)」でしょうか。今作に登場する越智茜梨がはたしてそれに当てはまるかどうかと言うとなかなか微妙ですが、隣に住んでいる子であるとか、身近で、良く知っている、自分と大きく変わらない存在が徐々に変わっていく恐怖といいますか、切なさといいますか。もちろんエロにも繋がれば、という点です。

――今回ノベライズの原作となるのは第五作『姦染5~The Daybreak~』ですが、シリーズの中でも、この作品において最も描きたかったことは?
 原作(『姦染5』)となったゲームの話になってしまうのですが、これは過去作で語られていなかったウイルス開発の関係者のことや、東日本で発生した事件の被害が、ほぼ及んでいないと設定していた西日本でソレが起きたらどうなるだろうか、という点でしょうか。
 これは言うべきかどうか迷いましたが、開発開始時は丁度3.11の大災害が起きた直後でして……自分達がかつて生活していた場で大震災が発生し、それを東京でテレビ越しに見て、衝撃は受けていたのですが、どうにも出来ないもどかしさと、実際にその大きな被害に直接遭っていない為に、全くその状況が想像も付かなかった。その事件を「知識として知っている自分」が、いざその状況に遭遇したら? というのもありました。

――ノベライズにあたり、文章量などの関係で原作ゲームを色々な面で再構成しておられますが、その際に最も重視したのはどういった点でしょう?
「オリジナリティを加えつつも原作の雰囲気を大きく変えない」その一点です。複数あるヒロインのルートそれぞれから印象的なシーンを抜粋し、本軸に組み込んでいったのですが、それをするにあたりキャラの設定を少し弄っている為、雰囲気がガラリと変わってしまうのは避けたいなと。あとは、原作のリリースからほぼ10年の月日が経過している為、世相の変化などに上手く対応する為の調整……といった所です。

――メインヒロインとなる「越智茜梨」のアピールポイントをお聞かせください。他のヒロイン・登場人物についても思い入れのあるキャラがおられましたら、ぜひ。
 原作(『姦染5』)ではプロデューサーとしての立ち位置におりまして。詳細の設定はジェントル佐々木先生にお願いしていたため、全体を俯瞰しての言い方になってしまうのですが、物語上では、「主人公」との様々な面での対比です。それが最終的にどう纏まっていくのかを見ていただければと。絵としてはもちろん「ロリ巨乳」ですね。エロは正義です。
 完全に個人的な意見でいえば、登場人物では宗一郎くんに思い入れがあります。ロメロ監督リスペクトからどうしてもやりたいネタがあったのですが、コレまで出来ておらず……。ジェントル佐々木先生がそれをくみ取って、宗一郎くんにその役割を与えるよう、原作に組み込んでくれたのです。

――ジェントル佐々木先生といえば、シリーズで一貫して原画を担当しておられますが、作品単位でも10年以上のお付き合いとなる先生のお仕事について感想をお願いします。
 実は何気に、作品開始前から換算すると、もう20年を超えるながーいお付き合いとなっておりまして。出逢った当初から「この人には絵で勝負は出来ないな。これだけ描ける人がいるなら自分は頑張らなくていい」と、ワタクシの絵描きの道を断念させた存在でもあります(笑)。その腹いせに乱交シーン連発という、絵描き殺しのシーンを担当させました...腹いせは嘘ですけど。技術的にも、精神面でもそれが再現出来るだろうと確信していました。今でも当然そうですし、技量はどんどん上がっています。さすが自分が見込んだ人です。
 仕事面での感想は、話の内容に関して色んなアイディアを出してくれますし、絵だけにこだわらず、作品に対するこだわりがホントに強い、という所ですね。まさに「神は細部に宿る」を体現していますね。最近はあまり組んで仕事していないのですが、決してケンカ別れしたわけではありません(笑)

――シリーズ総まとめ作『姦染 COMPLETE+』が2018年に発売されて2年後、まさに現実で「謎のウイルスによる全国(世界)規模のパニック」が起きたわけですが、今日までの事態についてご自身で何か考えたこと、また考えが変わったことなどはありますか?
 今回のノベライズのお話を頂いたのは、ウイルスのウの字も無い頃でした。そこから数ヶ月後の騒動でしたから、色んな意味での「まさかこんな事が起きるなんて」です。ノベライズにつきまして、完成が遅れに遅れてしまいご迷惑をおかけしました……。
 考えが変わった所といえば、不謹慎かもですが「(ウイルスに関係なく)いつ死んでも良いようにしておこう」です。各案件の納期もそうですし。やり残したことがあったら、勿体ないですし。私ごとですが、親族が感染し、担当医からは「覚悟してください」なんて言われたりもしていました。幸いにも回復し今ではほぼ元通りの生活をしていますが。一日も早くかつてのように、自由に色んなところに行ける状態に戻ってくれたらいいなと思います。また、今回の件で亡くなられた方のご冥福をお祈り致します。

――そして『姦染』に関しては、なんとこの7月に新たなコンテンツが発売されるとのことですが、宜しければその内容をお教えください。
 厳密には完全新作ではなく、過去タイトルである『姦染BB』の画像サイズをFHD化し、Hシーンの音声をバイノーラル収録した2021エディションになります。ブランドも、SPEEDではなく、今自分が主として活動しているCHAOS-R(小説版の暴淫荒野の原作をリリースさせて頂いております)の子ブランドからのリリースになります。
 何故『BB』 でそれをしたかというと、『BB』は男ひとりが多数の女性に群がられて色々されるシチュエーションに特化しているため、左右色んなところから女の子の声が聞こえるから、です。他のタイトルではオジサンの呻き声や下卑た言葉が左右様々な所から聞こえてきて、色んな意味で訳が分からなくなると思いましたので(笑)



――最後に原作ゲームからのファン、またノベライズで初めて『姦染』を知った新たなユーザーの方々に、ひと言メッセージをお願いします。
 月並みではありますが、まだまだ行動に制限がある状況です(※2021年6月末時点)。家の中で本書を読んで頂いたり、ゲームなどプレイするなどで、巣ごもりへの助けになりましたら幸いです。本作・原作共に手に取っていただいた方皆様へ感謝致します。


天翔狗先生、ご回答ありがとうございました! このインタビューで作品に興味を持たれた方、
7月29日発売のオトナ文庫『姦染 -THE DAYBREAK- 緊急事態・ウイルスパニック再拡大《re-spread》』をお楽しみに!!

(C)INU AMAKAKERU / SPEED