White Blue
~欲望に晒される白衣の天使~
2019年12月16日
オトナ文庫
著:田中珠
画:綾瀬はづき
原作:LiLiM DARKNESS
12月25日発売のオトナ文庫『White Blue ~欲望に晒される白衣の天使~』のお試し版です!



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純粋すぎたふたりの恋愛は
欲望にまみれたケダモノたちに蹂躙されていく…!











(あ……れ……? 私、どうしたんだっけ……?)

 視界が歪んでいる。意識が暗い闇の中から引きずり出され、朦朧としていた。
 ひばりの視界に、コンクリートの地肌がむき出しの天井が映った。
 全身を包む柔らかい感触で、自分がソファに寝かされていることに気づく。

(石神先生と食事しているうちに……ワインがまわってきて……それから……)

 ふらつく足取りのまま、石神とタクシーに乗った覚えがあった。

(ということは、石神先生のご自宅なのかしら……奥様にご挨拶を……)

 上体を起こそうとして、ひばりは違和感に気づく。
 その違和感がどこからきているのか、最初はわからなかった。
 くすぐったいような、なにか不思議な感触。
 胸の内側になにかが潜り込もうと──いや、胸の谷間でなにかが前後している。
 反射的に身をよじると、乳房のつけ根に指らしきものが引っかかった。
 それは乳房を、はっきりと下に向かって引き寄せている。
 どこかから、腹を空かせた野良犬のような息遣いが聞こえていた。
 ぼんやりと瞼を開ける。

「…………!!」

 最初に視界に飛び込んできたのは、赤黒く腫れ上がった肉の塊。
 ひばり自身の胸の谷間からニュッと飛び出ているそれは、実習や医療の現場で何度も目にして、いまだに慣れない男性器に間違いなかった。

「ええ!? こ、これは……っ?」

 思考がぐるぐると渦を巻いていた。
 そこに、こともなげな口調の声がかけられる。

「なんだ、目を覚ましたのか」

 顔の上に、石神の顔があった。
 はだけられたひばりの胸をつかみ、ぞんざいにこねながら腰を前後させている。
 強いられている行為の異常さに、ひばりの頭がカアッと熱くなる。

「なにをなさってるんですか、や、やめ……あっ!?」
「おいおい、いまさら冗談だろ?」

 石神は腰の律動を止めようとしない。
 それどころか、豊満な肉丘の頂点にある乳首をギュッとつねる。
 ひばりが思わず声を漏らすと、石神は満足そうに口の端を歪ませた。

(本当に石神先生なの……?)

 自分の身に迫っている危険のことすら忘れて、ひばりはその顔を見つめてしまう。
 スタッフみんなに慕われている紳士の面影は、そこにはなかった。
 眼下の肉塊を検分するかのような目つき──それは我を忘れている者の目ではない。

「どうでもいいじゃないか。こうなった以上、お互い楽しむのがスジってもんだ」

 女をもてあそぶのに慣れた口調と指遣いだった。
 ひばりの頭が急速に冷えていく。

「せ、先生、まさか最初からこういう目的で……っぷ!? んんんん~っ!?」

 不意に後頭部をつかまれ、次の瞬間、唇をこじ開けて硬いものが侵入してくる。
 喉と胸が、拒絶反応を示して痙攣した。

「おい、噛むなよ? 男のそこはデリケートなんだ」

 ようやくひばりは、石神が笑っていることに気づいた。
 ひばりは必死に前歯を閉じようとするが、石神は亀頭でそこをノックしながら、指はオモチャで遊ぶかのように耳や乳首を弾く。

「コレの愛し方も知らないようじゃ、世の中渡っていけねぇぞ?」

 笑いながらも、冷たい目でひばりを見下してくる。

「いわば実習みたいなもんだな、くく、俺を夢中にさせるとは生意気な胸だ」

 顎をつかまれて、無理やりこじ開けられた口内に牡の性器を侵入させられた。
 歯を立てたりしたら、逆にこちらの歯が欠けてしまいそうなほどの硬さだった。
 信じられないような魁偉さに、ひばりは震える。

「おぉ? 自分から吸いついてきやがる。男に媚びる娼婦の身体ってわけだ」
(なにを勝手なこと……!)

 口を塞がれながらも、さすがにひばりは睨み返す。
 しかしその反抗は、かえって石神という男を悦ばせてしまう。
 石神の腰が抉り込むように動き、ひばりのたわわな胸が何度も跳ね上げられる。

「あああ!? あ、や、やっ、ぶぇ、もぶ……ぐ、ぷ、はひゅっ」

 生臭い味が口いっぱいに広がり、ひばりの眉が八の字に寄せられる。
 どんなに身をよじっても、魔法のように舌が亀頭に捕まえられてしまう。
 突き飛ばして逃げたいのに、身体は弛緩しきってちっとも力が入らない。
 歯を食い縛ろうとするが、口内に居座っている肉塊はそれを許してくれなかった。

(さっきより大きくなってる……)

 その反応が意味することを、ひばりなりに理解してしまう。

「男をその気にさせるというのがどういうことか、身体でしっかり学んでおけ」
「その気にさせた、ちゅもり……らんて……っ!?」
「俺にしなだれかかって甘えてきたのはお前だろ? 家に誘ったのは確かに俺だが、のこのこついてきたのは誰だ? くく、そうとも……お前だ」

 そんな記憶はなかった。
 しかし、この男が妻帯者だと思って油断していたのも事実だ。
 この部屋には生活の匂いがしない。恐らくはこうした行為をするためだけの部屋。
 最初からすべて、石神の計画だったのだ。

「楽しんでるのもお互い様。そういうことだ……ガキじゃないんだ、わかるだろ?」
「わから、にゃ……は、はぁんっ!? ん、ん~、ん、ぷっ」

 石神が乳房を両手で引き絞り、語尾がかき消されてしまう。
 胸の谷間に陰茎がすっぽりと食い込んで、完全に受け入れる形になってしまう。

(あ、熱い。それにピクピク痙攣して……)

 射精しようとしている──さすがにそれは、ひばりにもわかった。

「け、警察に行きます! レイプされた、と……い、言うっ、言います……」
「酒に酔って少し大胆になっていたのかもしれないがな……誘ったのはお前だ」
「嘘です……っ」
「嘘なものか、俺が証人だ。くくく、お互い証人は自分しかいないわけだ」

 乳房が肉塊によって淫らな水音を鳴らし、摩擦で胸の内側が疼く。
 口内で先走りと唾液が混ざり、表現しようのない味が広がる。
 出されてしまう。まだキスも知らなかった唇が、この男に穢されてしまう。

(清瀬さんにもまだ……触れてもらっていないのに……)

 京太の顔が思い浮かぶ。自分の身を案じてくれた心配そうな顔が、肉棒の突きで揺れて消える。
 石神は腰を突き出すたびに乳房を閉じ、根元から圧迫しようとしている。
 射精のためにより強い、規則的な刺激を与えているのだろう。

「わ、私……今日のことは誰にも言いません。お願いですから……!」

 未知の行為の戸惑いと怯えから、声が震えていた。
 穢されたくない──その一心で鬼畜医師に懇願する。

「一度その気にさせておいて、そんな言い分が通じるかよ」
「……そんな!!」

 先走りと汗でグチョグチョになった乳房は、肉棒と溶けあったかのようだった。
 その中でピクピクと肉棒が脈打ち、切迫した反応を伝えてくる。
 後頭部をつかまれ、頭を起こされた。躊躇などいっさい感じられない手つきだった。

「んっ! んむぅぅぅっ!! っ、ぁ、ぁぁ……!」
「気持ちを切り替えろよ。そら、精液の味も教えてやる」

 陰嚢まですっぽり胸に埋めて、石神はひばりの舌へと鈴口を執拗に擦りつけてくる。
 苦悶する牝の表情を見逃すまいと、邪悪な笑みを浮かべて見下ろす。

「おおお!? で、出るぞっ、吸え……吸えっ!」
「ひ……嫌、んんんんぅ! げほ! や、や……め、んぁ、ぐぷっ!!」

 亀頭が震えるのを舌先で感じた。
 逃げようとしても、がっちり押さえつけられた頭は動かない。
 舌の上で、勢いよく熱が弾けた。

「んんんんんんんんん~~~~~~……っ!?」

 先走り液の味を煮詰めたような味わいが、ひばりの口内を埋めつくしていく。
 必死に飲むまいとしても、粘り気の強い白濁は喉へと流れ込んでくる。

「は、ひ、ひっ……ぷ、も、もぉ、やめて……」

 乳房の肌をむくかのように、じっとりと石神の肉棒は動き続けている。
 酷い匂いが、ツンと鼻腔を焦がす。鼻の奥まで凌辱されている気分だった。
 










「は、はっ、は……ぐ、うえぇえ、ん、げふ、げほっ!」

 なおも口内に精液を流し込もうと肉棒が唇をめくり、射精直後の生々しい亀頭の震えを敏感な唇に伝えてくる。
 あまりのおぞましさに、嘔吐しそうになる。
 ──パァン!

「つ……ッ!?」
「吸えと言っただろ? 聞こえなかったか? 使えねぇ女だな」

 殴られた頬が、ジンジンと熱を帯びていく。

(狂ってる……)

 これほどの不条理を叩きつけておいて、どうしてこの男は被害者然とした言葉を吐けるのだろう。これ以上、この狂った男のものを体内に受け入れたくない。

「セックスで男の機嫌を損ねるってのがどういうことか、教えてほしいみたいだな?」
「っ!? なにを……」

 言葉の途中で、ドンッと肩を突き飛ばされる。
 脱がすのすら面倒とばかりに、石神はひばりのショーツを破いて床に捨てた。

「膣もぱっくり開いてやがる。生粋のマゾ女だな。いいつきあいができそうだ」

 股間に冷気を感じたことで、ひばりも我に返ることができた。

「私、も、もしあなたに穢されたらすべて父に言います!」

 全力で、死に物狂いで抵抗しなければ、この男は本当に自分を凌辱するつもりだ。

「あ、あなたも、病院も……相手取って争います」

 大切なものがすべて奪われてしまう──その予感に、ひばりは声を振り絞った。

「どうぞ」

 石神の反応は、ひばりの予期したどの想像とも違っていた。

「真に受けてお前を憐れむヤツもいるかもな。友人、同僚……清瀬もか?」

 どうでもよさそうに言いながら、石神は熱を帯びた膣口に指を添え、力加減を変えながら揉み込んでくる。
 クチュクチュと、そこが淫らな響きを奏でてしまう。

「レイプされてかわいそうと言ってくれるかもな? あるいは、お前に隙があったと軽蔑するかもしれん」
「そ、そんなこと……」

 それ以上は言葉にならなかった。最悪の想像が、どうしても頭をかすめてしまう。

「できないことを口にするな」

 そう言って、石神はひばりに覆い被さってきた。
 顔を近づけ、涙の跡がある頬にわざとらしく舌を這わせてくる。

「嫌っ、ほ、本当にやめて……!」
「どうせいつかは捨てるものだろ? ガキじゃあるまいし」

 石神の指が太腿のつけ根に食い込み、ひばりの抵抗を無視して引き込もうとする。

「嫌なの! 嫌……嫌っ、勝手なことしないで! あなたのことなんて嫌いなのっ、わ、私に入ってこな……あぐううううううぅぅぅぅ……っ!?」

 ミチリと膣が開き、外気に触れたことのなかった部分に、強い摩擦が襲いかかる。
 全身の血が凍りつくような痛みと嫌悪に、ひばりの全身がこわばる。

「ははっ、子供みたいに喚くなよ。ソソっちまうだろ?」

 あまりの苦痛に、頬の筋肉が引きつったまま元に戻らない。

(本当に入ってる……)

 腰を抱えられ、結合部を見せつけるような姿勢をとらされていた。
 石神の肉棒を根元まで呑み込み、いっぱいに拡がった膣口からは、鮮血が臍まで垂れ落ちている。
 こんなにもあっさり、大切なものが失われてしまった。











「破瓜の締めつけってヤツは、一生に一度だけだからな。大切に味わってやるか」

 ジンジンと熱を放つ膣穴をさらに深く押し込み、石神はひばりの奥をうかがう。

「クク、しかし……ずいぶんと食らいついてくるな。俺のこれは気に入ったか?」
「ふざけっ、ない……うぐうううぅぅ!?」

 一度わずかに腰を引いた石神は、凶暴に反り返った肉棒で膣をかき混ぜてくる。
 女に苦痛を与え、ねじ伏せるためだけの腰遣いだった。

「興が冷めちまうだろ? それとも、オナホ扱いのほうがお好みか?」
「やめ……て、ぐ、あ、うぅッ!? そ、そこ、壊れ……ちゃう」

 あまりの痛みで呼吸が乱れ、呂律も回らない。

「なにを軟弱なことを言ってやがる。ここはガキが通ってくる穴だぜ? そのときの痛みはこんなものじゃないだろうよ……知らねぇけどな」

 鋭利な槍のような肉棒を打ち込まれるたびに、鋭い痛みが朦朧としかけたひばりの意識を揺り起こそうとする。

「ひ、ひ……う、ぐ、う、あ!? あ、あぐうぅっ」

 いっそ、意識を手放してしまいたいくらいの痛みだった。

「奉仕するコツがわかってきたか? この調子なら、さっさと済むかもな」
「痛い……の、ぐ、う、あ、痛っ、やめ……て」
「やめられるわけねぇだろ? お前は本当に男をわかっちゃいないな」

 こじ開けられたばかりの膣が獰猛な牡の力で踏み荒らされ、血と粘液に濡れた肉竿がチラチラと覗く。

「っ!? あ、あっ! ひ、ひあぁ……う、ぐ、あ、あう、うっ」

 ズンッと骨盤に響くひと突きで、子宮に石神の体重がかかる。
 女の大事な場所が、赤ちゃんの部屋が壊れてしまう──本能が恐怖を訴える。

「さっきまでの威勢はどうした? 小便くさい小娘の分際でよォ。ああ、植草?」
「お願い……し、しますっ、もっと……ゆっくりっ、もう抵抗、しません……から」
「最初から素直にそう言っておけばいいんだ」

 苦悶と悔しさのなか絞り出した訴えに、石神はかえって不機嫌そうな顔を見せた。
 まるで、まだ嬲り足りないとでも言いたげな顔だった。

「まあいい。お前も認めたということでいいな? 大人同士のよくある関係だ。誘ったのはお前で、お前の好奇心を満たしてやるだけのセックスだ。そうだろ?」

 こんな言質に意味などない。
 それを頭で理解していても、ひばりの意地が首肯することを拒む。
 血が出そうなほど唇をきつく噛むひばりを見下ろし、石神は愉快そうに笑う。

「尊敬する俺に処女を捧げられて嬉しいだろ? ツイてたなぁ? 植草」
「う、う……っ、く……ううぅぅ……っ」

 ぽろぽろと涙があふれて止まらない。

「鼻水垂らして泣きじゃくっても、美味そうにちんこをしゃぶってるなぁ?」

 好き勝手に蹂躙されている膣内より、心のほうがずっと痛む。
 そんなひばりをあざ笑うように、石神は腰の動きを速くする。

「あ!? あっあっあっ! やめ……さ、さっき、ゆっぐりっ……て」
「早く済ませたいんだろ? これより簡単な方法があるかよ」

 汗でびっしょり濡れた顔に悪鬼のような笑みを浮かべ、石神は子宮を追い込むためのスパートを維持していた。
 ひばりが必死に肩を押し返しても、膣を閉じようとしてもなんの意味もない。

「孕みたくなけりゃ神様にでも祈ってろ。ははっ、案外聞いてくれるみたいだぜ? 俺が飽きるまでに孕んだ女は、そう何人もいなかったからな」

 女の抵抗を煽り、ねじ伏せることで悦びを新たにする──これまで散々やってきたであろう手口だと頭で理解していても、心と身体が受け入れるはずもない。

「おおっ、二発目だってのにすげぇのが上がってきたぜ。いま、ぶっ放してやるぞォ」
「嫌あああぁぁーーーーーっ!!」

 石神は身体全部でひばりを押さえ込み、逃げ場のない形で子宮を小突き回してくる。
 そのひと突きひと突きが、脳髄に響く。
 肉棒に宿った凶悪な熱を、鋭敏になってしまった膣が否応なく感じ取ってしまう。

「子宮閉じて震えてろ。おら、出るぞ? お、オッ……出ちまうぞ……!?」
「い……や、あ、あううぅっ!? う、う、うっ、やめ……ぬ、抜いて」

 子宮をうかがう肉棒のリズムが乱れ、一度、二度と力強く身震いする。

「抜いてえぇ! 嫌、嫌ああぁ! 出さないで、お願っ……あ、ああぁぁ~っ!!」

 鈴口から、すさまじい勢いで精液が流し込まれた。
 胎内で吹き荒れる、嵐にも似た熱の奔流から、子宮を守るすべはなかった。

「あ、あ……っ、く、ひ、あ! ああぁ……ふ、ひ、ひっ、ぐ……」

 舌や唇で感じたあの熱の感触が、膣の一番深いところにあるくぼみに溜まる。
 そこからじわっと熱が拡がっていき、一番守りたかったところを染め上げていく。

(本当に出されちゃった……)

 肉棒は胎内でビクビクと脈打ち、暴力的なまでの吐精の勢いを維持していた。
 注ぎ込まれたばかりの精液が、ゴポッと泡立つようにあふれてくる。

(どうして私、こんな目に遭わなきゃいけないの……)

 あまりにも非情な現実に、答えのない問いが浮かぶ。
 その問いに答えるかのように、石神が言う。

「お前が野暮ったいからよォ、イライラして俺のちんこまで怒り出しちまったぜ」

 ビクンとひばりは震えた。
 胎内で、いま射精したばかりの肉棒が力を取り戻していた。

(嘘、でしょ……?)
「これは収まりそうもないな……案外、相性は悪くないのかもな? 俺たち」

 そう言って、石神はまた卑しい笑みを浮かべた。





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(C)TAMA TANAKA/LiLiM