催眠とろとろオペレーション
~院内美巨乳補完計画~
2018年6月20日
オトナ文庫
著:黒瀧糸由
画:みゃぁん
原作:アトリエかぐや Cheshire Cat
今日も朝の集会に遅刻し、会議室で美千留に叱責されたあと、ナースステーションに戻ると、見慣れない看護師がいた。
「捻巻先生、おはようございます。昨夜もご自宅にはお帰りにならなかったのですか? 診察台でお休みになっても疲れは取れないと思いますよ」
「え、あ……うん」
颯太が曖昧に答えると彼女は微笑み、ナースステーションを出て行った。
いくら思い返しても、会った記憶はない。なのに、やたらとフレンドリーというか馴れ馴れしい。しかも、彼女を知らないのは颯太だけのようで、他のスタッフたちは、ずっとここにいる看護師と同じように話し掛けていた。
「昨夜入院した患者さんのカルテ、出してくれる?」
入れ替わりで入ってきた涼音は近くにいた看護師に指示を出した。颯太は急いで近づき尋ねる。普段なら涼音に話し掛けることなど決してしないが、今は彼女を知る方が優先された。
「あの、いま出て行った看護師は、……誰ですか?」
「え? 何を言ってるの……?」
驚き、呆れた目で涼音は颯太を見つめる。どうしようもない無能な者に向ける、冷酷な視線。その態度から、涼音もあの看護師のことを知っていると判断できた。
「江坂菜月さんよ。キミと違って院内の全医師から信頼を受けてる看護師。キミだって毎日の診察でサポートしてもらってるじゃない」
「え……?」
「それも忘れたというの? キミ、大丈夫? もしかして若年性の痴呆症? そんな症状があるなら医師として不適格ね」
「い、いえ! まさか! ちょっと、ど忘れしただけです。は、は、ははは……」
乾いた笑いで応じたものの、涼音は厳しく睨んでいた。その視線から逃れるように颯太はパソコンの前に座り、美千留に命じられた作業をこなしていく。
(江坂? 江坂……。やっぱり覚えてない)
何よりおかしいのは、涼音の言動だった。
『毎日の診察でサポートしてもらっている』
涼音は、精神科が開店休業状態で、患者など一人もいないことを知っている。なのに、診察でサポートしてもらっているとはどういう意味なのか?
江坂菜月という謎の存在が気になってたまらない。颯太は作業の合間に、周囲に気付かれないよう彼女のことを探り始めた。
だが、出てきた資料は何も問題がない。履歴書を始め、出勤表、シフト表など。数年前から「江坂」という名前が記載されている。彼女はデータの上では、七草総合病院の看護師として数年前から働いているのだ。
「誰なんだ……コイツ……」
そんな颯太に、彼女の正体を知る手がかりが与えられた。しかも、当の菜月から。
今晩も診察ベッドで寝てしまおうと精神科の部屋に入ると、机の上にメモがあった。
『今週の日曜日。午後一時。駅前の噴水広場でお待ちしています。江坂菜月』
しっかりとした美しい文字。こんなメモを颯太に渡すということは、彼女が普通の看護師ではないことの証明でもあった。
「日曜って……。明後日か」
曜日感覚がおかしくなっている颯太は、カレンダーにしっかりと書き込んだ。
「こんにちは捻巻先生。早速ですけど、喫茶店でお話をしませんか?」
噴水広場に行くと、すでに江坂菜月が待っていた。颯太は頷いて二人で歩き始める。女性らしい格好をしている菜月と、よれよれシャツ姿の颯太という組み合わせはかなり奇妙だったが。
「捻巻先生。単刀直入に聞くわ。あなたは、私の何を疑っているの? 履歴書を調べたり、日常業務をこっそり見てるよね? 私のこと気になる? 恋しちゃった?」
喫茶店で二人分のコーヒーを頼むと、菜月は颯太をからかうように笑った。だが、颯太はむっつりとした表情のまま過去の勤務表のコピーを取り出す。
「去年のお前の勤務表だが、精神科で働いていたとある。しかし、七草総合病院の精神科はほとんど患者がいない。看護師を使う必要もないくらいだ。それに去年の精神科の医師は俺だけ。なのにお前の記憶がまったくない。江坂菜月。お前、何者だ?」
颯太の追及に、菜月は驚きの表情を浮かべる。
「ちょっとしたストレスで使えなくなった程度の素質だと思ってたけど。そうじゃなかったのね。どっちにしろ現地の人間は必要だし。能力者なら好都合ね」
「何言ってるんだ? ごまかすつもりか?」
「疑問に答えるから、とりあえず聞いて」
命令する口調ではなかったが、ぴしゃりと言われて颯太は口を閉じる。その様子に満足して、菜月は話を始めた。かなり……突拍子もないことを。
「私は未来人よ。とある重要な任務を遂行するために、未来からやってきたの」
「すまん。帰る。悪かったな、追いまわして。もう何も聞かない」
精神科医として颯太は危険を感じた。ここまで重篤な妄想癖がある人間。治療が必要なレベルだが、面倒なことになる前に、颯太は席を立とうとした。
「ちょっと、帰ろうとしないでよ! 最後まで聞いて! 質問も受け付けるから!」
注文したコーヒーがまだ半分以上残っている。せめてこれくらいは飲むかと、颯太は浮きかけた腰を再び椅子に下ろした。
「私がこの時代に来た理由は、七草総合病院。私の用事と密接に関係してるの。だから、自分の能力で病院関係者の記憶を弄って看護師になりすましてるの。ここまではいい?」
「ああ。じゃ、なぜ俺はお前の記憶操作にやられてないんだ?」
「その説明は長くなるけど……どうせ、私が未来人だってこと信じてないわよね?」
「そりゃそうだ」
頷く颯太に溜息をつくと、菜月はバッグの中から何かを取りだし、テーブルに置いた。それを見た颯太は手にしていたコーヒーカップを危うく落としかける。
「な、なんでこんなもん……」
置かれたのは何の変哲もないスプーン。カレーライスを食べる時に使われる、やや大きめの平凡なスプーンだ。
「スプーンなんて、あなたにとっては失敗の象徴みたいなものよね」
「くっ……お前……なんで……」
忌まわしい記憶が蘇る颯太。なぜ彼女がそのことを知っているのか。テレビ撮影はされたものの生中継ではないから放送は見送られた。現場にいた同級生たちともとっくに音信不通だし、生まれた土地からも離れた場所に住んでいる。
「今、曲げられないんでしょ? その辺りのことも、説明したいんだけど」
「曲げる……? 何言ってんだ……」
「証拠、その二」
颯太の質問を無視して、今度は紙切れが置かれた。
「未来人である証明のお約束。宝くじよ」
菜月が差し出したのは、エクストリーム宝くじと呼ばれる新しいタイプのものだ。好きな番号と組数を指定すれば、印字されてくじが渡される。一等十億円と高額で、発売直後から話題になっていた。
「番号が、七七組の七が、ん……? 一、二、三……九桁全部七かよ」
くじの数字は完全にランダムだから、数値が全部「七」になることはあり得る。だが、人の気持ちとしてはかなり選びにくいというか、選ばない数列だ。なのに菜月はわざわざこの数字を選び、購入したのだ。
「すごく特徴的な番号だったから、過去の情報を漁った時に覚えていたの。これが当たれば未来人だって信じてくれる?」
「まあ、多少な……」
「良かった。じゃあ、くじの番号発表まで時間があるから。会話も弾みそうにないし、とりあえず未来のことを説明しちゃっていい?」
「いいぞ。全然信じてないけど」
「念を押さなくても分かってるわよ。どこから話そうかな……」
菜月は少し考えてから、ゆっくりと語り始めた。
「未来は今……あ、未来だから今って変かな? ま、いいわ。とにかく、未来は今、人類絶滅の危機に立たされているの」
「ほー」
「もう。聞いてってば。ごく近い将来、七草総合病院研究室で、とある細胞が開発されることになるの。後にexp細胞って呼ばれるんだけど、認知症や記憶喪失の対策として、人間の記憶をバックアップする目的で開発されたものよ」
「バックアップ? 治療用じゃないのか?」
「ええ。脳の委縮などで記憶野に障害が起こった時、あらかじめバックアップしておいた細胞を移植して記憶を取り戻す……っていうのが目的」
「根本的な解決になってない上に、とんでもない細胞だな」
「治療方法は別の人間が見つけるんだけどね。それはさておき、exp細胞はほどなくして別の側面を見せ始めたの。軍事利用」
「いつの時代も一緒か」
「複雑な人間の記憶を長期保存できるような細胞は、超高性能な生体コンピュータみたいなものだったからね。軍事利用もしたくなる。でもね……」
菜月が表情を暗くし、目を伏せた。頭痛に耐えるかのように苦しげな表情を一瞬だけ浮かべたあと、顔を上げた。
「問題が起こって、exp細胞から新種のウィルスが作られてしまったの。コンピュータじゃなくて人間用のよ? 致死性の極めて高い……。それがテロリストの手に渡って」
また菜月の言葉が止まった。
「使われたのか?」
「ええ……。少なく見積もっても、人類の半分が死んだわ。しかも終わっていない。未だに、その新種のウィルスで人が亡くなり続けてるの。……exp細胞は、開発されるべきじゃなかったのよ。だから私は、こっちの時代にやってきたの」
そう言われても颯太の疑いは晴れなかった。ただ、菜月の見せた苦しげな表情には、真実が含まれているような気もして、颯太はかなり戸惑っていた。
「……信じてないって顔してる」
「んっ……まぁ……」
「そうよね。ふふ。まだ信じてもらおうとは思ってないし、今話したことは、あなたは別に深く考えなくていいことだから」
再び菜月はバッグに手を差し入れ、また何かの紙を取り出した。
「それより、別の話をしましょうか。もっとあなたが信じる気になる話をね」
菜月は手の中に隠していた紙を、テーブルの上に置いた。それは写真。汚れてくしゃくしゃになっている。写っているのは、路上に横たわる薄汚い男性だった。
「なんだこれ?」
「あなたよ」
どう見てもホームレスだ。言葉を続けて否定しようとする颯太の前に、菜月は新たな写真を次々と並べた。最後の一枚は、顔がアップになっている。
ずいぶんくたびれてヒゲも伸び放題だが、それは紛れもなく……。
「お、俺だ……。いや、でも……。ご、合成……とか……」
否定しようとした颯太だが、菜月の強い視線に言葉を呑み込んだ。
「この時代に来る途中で撮影したものよ。今から数年後、七草総合病院の精神科が廃止されるの。そしてあなたはクビ。頼るところもなく数ヶ月でホームレスに。そして、放浪中にホームレス狩りにあって……死ぬ」
「死……ぬ……?」
これも妄想話だろう。写真も合成だ。颯太は必死にそう考えようとするが、菜月の話し方にも、態度にもおかしいところはない。頭が痛くなってきた。パニック発作が起きないのが不思議なくらいの状況。
「ごめんね。厳しい未来を見せて。でも、あなたに協力してもらうためには必要だと思ったから」
「協力……」
「ええ……。ねえ? そろそろ、くじの発表時間じゃない?」
「あ……そ……そうだな」
いつの間にか時間が経過していた。颯太はスマホを取り出し、エクストリーム宝くじのページを開く。そこに大きく掲載されていた数字は。
「な、な、七ばっかり……。い、一等だ……」
颯太は宝くじを手に取り、スマホの画面と見比べた。間違いない。一等、十億円の宝くじ。それを事前に菜月は買っていた。偶然ではあり得そうもない数字を選んで。それは、つまり……。
「どうやら、信じてくれたみたいね」
菜月はわずかに微笑むと、颯太の手から宝くじを奪い取った。そしてすぐに丸めて、ライターで火をつけ、燃やしてしまう。
「この時代、まだ喫煙習慣があって良かった」
灰皿の中で燃え尽きる十億円の券を見ながら、颯太は立ち上がり叫んでいた。
「な、ナニしてんだよ! じゅ、じゅ、じゅ……」
「この宝くじで当選者は本来いなかったの。だからこれは存在しちゃいけない。存在したら、これから起こることに影響が出るかもしれない。正直、もったいないと思う」
「だ、だったら……」
「私の仕事は、十億なんかじゃ取り返せないほどの命がかかってるんだから」
颯太は真剣な菜月を見ながら、椅子に座り直した。どうやら、彼女が未来人だということを信じるしかないようだ。
「分かった……。信じるよ。お前が未来から来たって。でも、なんで、俺にそんな話してるんだ? 何が起きるか分かってるなら、それを変えればいいだろ?」
「病院ではぼんくら扱いなのに、実は鋭いのね捻巻先生って。仰るとおりのことができれば、苦労はしないの。この時代に来る前、様々なシミュレーションをしてみたけど、未来人が過去にアプローチしても何も変わらなかった」
菜月は自分の無力を呪うかのように、深く溜息を吐いた。
「時間があざ笑ってるかのようだった。起こるべきことは起きなければならない、って。人間が滅ぶのは決まってるんだから、変えさせないって言われてるみたいだったわよ。でもね。現代……この時代の人間が変化させて、それが起きない場合は別」
「つまり、今を生きてる俺たちならば影響を与えられるってことか」
「そう。そして、私はあなたに協力してもらいたいの。事前に調査したけど、これからの計画にあなたの能力はうってつけだわ」
「能力?」
颯太が尋ねると、菜月は置きっぱなしのスプーンを指先でトントンと叩く。
「あなたの『曲げる』能力。私が手助けして、あなたの能力を取り戻してあげる。だから、手伝って欲しいの。未来を救うのを」
「拒めば、ホームレスになって死ぬ運命が変わらないわけか?」
「ええ。きっと」
颯太には頷く以外の選択肢はなかった。
「ありがとう。承諾してもらって嬉しいわ。ね、これからあなたのことを颯太って呼んでいい? 私のことは菜月、って」
「いいが、病院じゃやめとけよ」
「そうね。いきなり名前で呼び合ったら不自然だし。二人きりの時以外は、捻巻先生でいくわ」
「でも、スプーン曲げなんかなんの役に立つんだ? 見世物にでもするのか」
「馬鹿ね、月並みな言い方だけど、あなたの力はそんなものじゃないんだから。……その辺の説明もしたいから、移動しましょうか?」
「は? どこにだ?」
「能力を取り戻すお手伝い♪」
そう言うと菜月は立ち上がり、もう歩き始めていた。
「おい、ここは……? なんだ?」
「あ、知らない? ラブホテルって言ってね。セックスするのに使われる場所よ」
「そういう説明を頼んでねーよ! なんで連れてきたのかを聞いてるんだ!」
菜月が迷うことなく堂々と入るので、そこがラブホテルだと颯太は最初気がつかなかった。しかし室内は間違いなくエロビデオで見た場所。セックス経験のない颯太は、なんだか落ち着かない。
「もしや……やっぱり俺を騙すつもりなのか!?」
「疑り深いわねー。そんな不審そうな目で見ないでよ。いい? ちゃんと理由があってセックスするのよ?」
立ったままでわめく颯太に呆れながら、菜月は大きなベッドに腰掛けた。
「能力を開発するに当たって、快感が重要なポイントになってくるの。性的な快感じゃなくてもいいんだけど。とにかく快感が重要。逆にストレスなんかは大敵ね。颯太の能力が使えなくなったのは極度のストレスのせいじゃない?」
「それは……かも、な……」
菜月に指摘され、あの忌まわしいステージの記憶が蘇る。その後に起きたクラスメイトの嘲笑。両親の冷酷な態度。人生で最も強いストレスと惨めさを感じた。あの時からスプーンは曲がらなくなった。
「私の能力が効かなかったくらいだから、颯太の潜在能力は確かなはず。きっかけがあれば能力はすぐに元に戻る。そのきっかけのために……セックスしましょ? って話」
「ま、あ、理屈は分かった……」
冷静な説明を受けたものの、颯太のソワソワした気分は収まらない。その様子を見て、菜月は察した。
「そっか。颯太って、童貞なのね。それで落ち着かないんだ」
「う……。あ……。そ、そうだよ。見下されてきたからな! 女から相手された経験なんてねーよ。その手の店だって行くつもりなかったし……」
「馬鹿にしてるワケじゃないって。いいじゃない。これから卒業するんだし♪ 私の身体は……どう? その辺の女の子より、スタイル良いと思うんだけどな?」
どこか熱っぽく言いながら、菜月はベッドから立ち上がり自らの服に手をかける。
「ベッド、座って?」
「あ……ああ……」
促されてベッドに腰掛けた颯太の正面で、菜月は服をあっさりと脱ぎ捨てた。自分で言うだけあって、そのプロポーションは見事だった。大きな乳房を重そうにブラジャーが支え、キュッと締まった腰回りと、布地の少ないパンツ。
「私の体……初体験の相手として、お眼鏡にかなう?」
真っ白でシミ一つない肌。顔立ちはヘタなモデルよりもキレイで、颯太を興奮させるには十分以上だった。息づかいはハァハァと荒くなり、パンツの中で肉棒が屹立している。
「ふふ。合格みたいね。それじゃ……」
菜月はわずかに笑みを浮かべながらブラジャーに手をかけた。ホックが外れ、乳房がぷるんっと震えながら飛び出した。
「お……わ……」
思わず声を上げてしまった颯太を嬉しそうに見ながら、パンツもするすると脱ぐ。脱ぎたての下着は近くのソファーに投げられ、菜月は一糸まとわぬ姿で颯太の正面に立っていた。腰に手を置き、堂々とした態度で。
初めて見る生の女性の身体。ピンク色の乳首、まったく毛の生えていない股間の膨らみ。颯太は、ただただ目を奪われ、動けなくなってしまう。
「気に入ってくれたみたいね。それじゃ、颯太の服……脱がしてあげる」
期待と興奮に緊張して動けなくなっていた颯太は、そのままの姿勢でベッドの上に押し倒された。
「ふふふ……」
興奮と緊張に固まってしまった颯太の衣服を菜月は剥ぎ取り、全裸にした。
「わ……颯太の、おっき~。ちょっと意外♪ ……じゃ、まずは挟むね?」
菜月は颯太の下半身に跨がり、四つん這いになった。巨大な乳房が左右に揺れながら下腹部に近づき、女性の生の裸を見ただけで勃起している肉棒を挟み込んだ。
「すっごい熱い……私の体、気に入った?」
「う……っ。くっ……。お前……その……意外と淫乱女か?」
「何よビッチって! 必要だからしてるの。誰でもいいってワケじゃないわ。ま、目的のためにエッチしちゃってるんだから颯太から見たら同じかもだけど」
菜月が乳房を両側から掴みギュッと中央に寄せた。快感の高まりに颯太はつい「うっ」と声を漏らしてしまう。
「やるからには私も一緒に気持ち良くなりたいから??いっぱいがんばっちゃうわよ?」
笑みを浮かべたまま、菜月はゆっくりと乳房を上下に動かし肉棒を擦りつけた。手とはまったく違う感触。柔らかさに包み込まれ、刺激が与えられ続ける。
そんな快感に声を漏らしながら颯太は、菜月のおっぱいを見つめてしまう。こんなことをされながらも、触ってみたかった……。そう思いながら。
「ふふ……おっぱいじーっと見ちゃって。気持ちいい?」
「あ……あぁ」
「その割には、物足りなさそうね。あ、そっか。触りたかったんだ。あとで触らせてあげるから、今は大人しくしてて? いっぱい、気持ち良くしてあげるわ♪」
柔肉に包み込まれた肉棒が、根元から先端まで扱かれる。乳房の内側は颯太の熱でじんわりと汗が滲み、密着度がさらに高まっていた。
「ん、っは……すごい……びくびくってして……んぅ……っ!」
カリ首が左右から徹底的に擦られ、カリのくびれの裏側にまで柔肉は入り込んできた。裏筋を丁寧に撫でられ、亀頭は包み込まれた上下左右から刺激されまくる。
「すっごい……。先っぽ、膨らんでる……。大丈夫? すぐ出しちゃってもいいけど。射精したら、もう勃たないとかならガマンして?」
「あ……安心しろ……。今なら五発くらいは余裕で出せそうだ!」
「見た目は弱っちいのに頼もしいじゃない♪ じゃ……遠慮なく……」
颯太が必死に射精をガマンしていたのに、菜月の中では加減をしていたらしい。右膝を少し前に出して体勢を安定させると乳房を掴み直し、さらに強くギュッと肉棒を挟んだ。
「う……お……」
「うふふ。出したくなったら、いつでも出しちゃっていいから……んっ……んっ」
大きな乳房が肉棒に容赦なく絡みつき、先ほどよりも大きく上下に動き始めた。思わず腰を浮かしてしまう颯太を、菜月は微笑みながら見ている。
「気持ちいいみたいだね。あ……。すごく……熱い……。ゴリゴリしてて……。颯太の、すごく硬いよ……」
柔らかいのに、しっかりと密着する餅肌。包み込むのではなく、乳房全体で肉棒を擦り続ける。乳房が上がっても、下がっても、続けて刺激に襲われ、たまらず颯太は先端からガマン汁を漏らしていた。
「はぁ……ハァ……。先っぽから……ガマン汁出てきた。すごい量。早いね」
「気持ちいいから……しょうがねーだろ……くぅ……」
「ふーん。じゃ、こんなことしたら、どうなの? ペロッ」
「くおっ!?」
突如、舌を亀頭で舐められ、颯太は電流に打たれたように身体を跳ね上げてしまった。
「くすくす♪ すごい反応。ちょっと舐めただけなのに。ふふ……。口でしたらすぐに射精しそう。でも、今日は胸だけね」
すぐに菜月は口を離し、乳房を動かし始めた。
「そのうち……口でしたりしてくれるのか?」
「それは気分次第。今日は必要だからしてるけど、次は……どうかな。もしかしたら、私とするのは最後かもね。だから……」
菜月が舌を出し、口の中から唾液を垂らした。長い筋になった唾液が颯太の亀頭に垂れ、ガマン汁とミックスされる。
「しっかり味わってっ♪ 私の胸の感触、覚えててぇっ♪ ん、はぁ……ぎゅぅ~っ!」
「う……く……圧迫が……つよっ……」
唾液とガマン汁のブレンドが谷間に満ち、乳房がさらに強く挟んできた。そのまま柔肉が上下に激しく動き始め、肉棒の根元から先端まで、満遍なく扱きだした。
「んく……んふぅ……っ! す、っごい……っはぁあ……っ!」
強く挟まれているのに痛みはなく、今まで以上の快感を与えられていた。
「おちんちん……出っ張ってるところぉ。おっぱいに、引っかかってぇ。颯太のどくん、どくんて……震えて……んふふ……可愛いね、颯太のおちんちんは」
完全に菜月に支配されている状態だが、颯太に不快感はなかった。柔肉に扱かれ、ガマン汁がどれだけ耐えても漏れてしまう。
「はぁ……はぁ……。先っぽから、いっぱい漏れてるぅ……。エッチなにおいが濃くなって……っふ、ぁ……なぁう……っ。どう? 気持ちいい?」
「あ……。あぁ……」
「ふふ……。なら……このまま一回目、出しちゃおっか? 私の身体も、熱く……てぇ」
熱い吐息を漏らしながら、菜月は何度も強く寄せ上げた乳房で肉棒を、かなり速いペースで上下に扱き始める。強すぎる刺激に肉棒は痺れと快感に包まれ、ガマン汁の量も濃さも増していった。
「出てる……。熱いの……ぉ。いっぱいぃっ! んっ! すごい匂いだよぉ……。あ……あぁ……。颯太の、先っぽ……すごい膨らんで、出そう? ねえ? 出そうなの?」
甘い問いかけに颯太はただ頷いた。まったくごまかしようがないくらい、射精がすぐそこまで来ている。
「はうっ……んっ。あ……。いいよぉ、出してぇ。私の……おっぱいでぇ。ね……。あっ……あっ。人生初のパイズリ射精ぃ……。私のおっぱいに、決めちゃえ♪」
ビッチそのものの菜月の言葉にも興奮し、膨らみきった亀頭を乳房がズリッと強く擦った瞬間……。
「んぅっ……! あぁ……でたぁ……っ♪ はぁ……。す、すごーい♪ あ……胸の間で……いっぱい……っ」
颯太は柔らかな乳房に包まれる快感に身を任せながら射精をしていた。菜月の胸が真っ白に染まっていく。自分でするのでは味わえない、肌を重ねた充足感というのを初めて感じて、全身が心地良さに包まれていた。
「んっ……。まだ出る。すごい……ビクビクして。ふふ、もっと搾り出さないとね」
自分の胸にたっぷりと付着した精液を拭いもせず、菜月は乳房をまた押しつけると、尿道に残った最後の一滴を搾り出すようにゆっくりと根元から先端へと擦りあげる。
「ふふ。どう? 初めておっぱいで射精した気分は」
「今までにない気分だ……女で射精するのがこれほど気持ちいいとは思ってなかった」
素直な感想に菜月は微笑み、颯太を見つめる。
「すごく出たのに、まだ硬いわね。もっと射精できそう?」
「ああ。出したら、もっと元気になった」
「一度射精しておいて丁度良かったかもね。いきなりセックスしたら、すぐ出ちゃっただろうし。……さて、と。じゃ、お待ちかねのコトしちゃおっか?」
「……お前の方の準備はいいのか?」
「初めてなのに余計なことに気を遣わなくていいの。颯太のゴツゴツしたのおっぱいで擦って興奮したし、エッチなお汁いっぱいかけられて……ふふ……準備、できちゃってるんだから……」
妖艶な笑みを浮かべながら菜月は身体を起こし、颯太の腰に跨がった。
「颯太は、おまんこで射精することだけ考えてればいいのよ♪」
硬く尖っている肉棒の裏筋に、熱く潤っている部分が押し当てられた。乳房とは違う柔らかさと、ねっとりとした熱い液の感触。
「ほらぁ……もう、濡れてるでしょ? 精液いっぱいかけられて……エッチな気分になっちゃってるの。だから準備は……んっ……」
甘い吐息を漏らしながら菜月は少し腰を落とした。裏筋と菜月の入口が重なり、さらに押し広げられて、じゅわりと愛液が奥からあふれ出してきた。とろとろの熱い蜜液に包まれる感触に、颯太は興奮しすぎて頭が痺れるのを感じていた。菜月も、また……。
「はぁ……んっ。やっぱり、おちんちんは……おっぱいよりも……おまんこの方が熱いぃ……っ。はぁ……はぁ……んっ」
手を自分の後ろに回し、腰を前後に動かしながら淫裂で肉槍を擦り続ける菜月。大量のカウパー汁と、淫蜜にコーティングされた肉棒はテカテカに光り、初めての刺激にビクビクと根元から振動していた。
「あ……はぁ。まだ、挿れてないのに、おちんちん気持ち良さそうね? すごく、したがってるぅ……。颯太のおっきなの擦ってたら、はぁ……はぁ……」
割れ目はパックリと左右に開き、肉ビラが蝶の羽のように大きく広がっていた。すぐそこに、未知の淫穴があることに颯太の興奮が止まらない。
「は……ふぅ。硬いのぉ、コリコリ当たって……子宮、ひくついて……。あ……もう、ガマンできない。はぁ……挿れるよ? 挿れるよ颯太ぁ? 童貞捨てさせてあげるぅ……」
発情しきった淫穴が亀頭を呑み込み、菜月の口から熱い吐息が漏れた。
「んっ……はぁぅぅぅぅぅ! お……奥……ぅ。童貞チンポぉ……おまんこのぉ、奥まで……当たって犯して……るぅ……ぅぅ……んっ……」
「く……あっ……くぅ……」
「は……あぁ……。すごいっ。颯太のおちんちん、中でビクビク動いて。んっ……。あ……。んふぅ……童貞卒業おめでとぉ……ぅ。おまんこ、気持ちいいでしょ?」
「ああ……。価値観が変わりそうだ。今まで経験しなかった人生だったんだと思うと、それだけで落ち込む……」
「まぁまぁ。これからはいっぱい気持ち良くてエッチなことしまくりよ♪」
「お前が相手してくれるのか?」
「違う違う。まぁ、私も気が向いたらしちゃうかも。颯太の能力なら、セックスなんていくらでもできるわよ。時間かかるかもだけど」
能力と言われても、颯太にできたことはスプーン曲げ。そんなことで性行為に至れるとは、さすがに思えない。
「どういうことだ? 俺の能力って……」
「んっ……もう。おまんこに、おちんちん入ってるのにぃ。難しいこと考えないの。今は……気持ちいいことだけ、ね? 動くよ? んっ……」
「うわ!? お……おい、いきなり……くぅぅっ!」
菜月は肉棒を膣壁でギュッと咥え込むと、前後に腰をくねらせながら動いた。単調な出し入れに捻りが加わるので、肉棒があらゆる方面から刺激される。
「すぐに射精、しちゃわないように、がんばってぇ……っ! は……。くぅぅ。これ、す、すごく……いっ。快感に、流れすぎないようにね……っくぅ」
「そんな……こと。言われても……だな……」
「気持ちいいのに慣れて、色々しないと。これからのために……はっ。あぁ……。でも、難しいの……分かる、かもぉ。あ……アッ! あぁぁ! なんか、相性……いいし」
さほど激しくはないものの膣壁はしっかりと肉棒を咥え込み、颯太に強烈な快感を与え続ける。ズボズボと淫穴に出し入れされる度に射精しそうになるのを耐えているが、長時間は持ちそうにない。
「んっ……。はっ……あぁ。颯太のぉ、おちんちん……すっごいっ。いいとこぉ、当たって……あふぅ……あふぅ……。あっ! あっ……当たってるぅ……」
病院で見せる理知的な看護師の姿はまったくなく、ただ乱れまくる菜月の表情にも颯太は興奮させられている。
「颯太ぁ……。おちんちんにぃ、自信持っていいよぉ。これぇ、いいからぁ……どんなオマンコでも、気持ちいいとこぉ……刺激しちゃう……からぁ……ほら、ココぉ!」
開ききったカリの縁が、膣中のザラザラした部分に擦られ続けた。痺れるほどの快感だが、菜月もまた強烈に気持ちいいらしい。
「ふ……あぁぁ! 入り口もぉ……奥もぉ……。い、いぃっ! んっ! くふぅ!」
左右に大きく開いた菜月の股の間に肉棒がずぶりっ、ずぶりっ……と何度も出し入れされる。腰が引かれる度にドロリと蜜汁が流れ出し、颯太の腹部に垂れた。
精液塗れの乳房が右に左に、上に下にと激しく揺れながら歪んでいた。ピンク色の乳首は硬そうに尖り、精汁にコーティングされてテカテカしている。
「は……あぁっ。んっ……。あ……あ……。そ、颯太ぁ? お、おっぱい触るぅ?」
「いいのか?」
「う、うん! ね……。さっき、触りたかったんでしょ? いいよ?」
「揉みます」
思わず敬語になったのも気付かず、精液の付着など気にしないで、颯太はたわわな膨らみを両手で掴んだ。ふにゃっと指が食い込み、その柔らかさに快感を一瞬忘れてしまう。
「や、柔らかいな……。お……お……」
手にずっしりと感じる乳房の重さ。なのに驚くほどに柔らかいその感触に颯太は興奮し、揉みしだいていた。
「あ、そ、そんな目を血走らせて……。んっ……。あ……も、もうちょっと優しくぅ」
「あ……ああ……」
そう答えたものの、菜月のおっぱいに夢中になり、ひたすら指に力を込めて揉み続けている。
「うん……もぉ……。あ……でも……。んっ、そういうのも……いっ、いいかもぉ。あ……あぁ……。腰……止まらないぃ……」
荒々しく乳房を鷲掴みにされる行為に菜月は興奮し、腰の動きをさらに激しくし始めた。颯太の腰骨に大きな尻が何度も押しつけられた。
「ふあ……ふあっ! 子宮……入り口ぃ! んくふぅ! んっ! 分かるぅ? 子宮……コリコリって、当たる……ぅ。硬いのがぁ……あっ! あぁっ!」
医師の端くれなので女性器内部の構造は分かっている颯太だが、肉棒の先端が子宮口を叩く感触はもちろん初体験だった。
「んっ! くぅっ! んっ! くひぃぃ! す、すごいっ……擦れてぇ。ゴツゴツしたのが、中……いっぱい、いっぱい……ごりごり……ってぇ! あっ! あぁ!」
根元まで呑み込まれたかと思うと、腰が引かれて亀頭の半分ほどが露出する。すぐさま再び膣穴へと挿し込まれる肉棒。真っ白な愛液がドロドロと流れ出し、快感に喘ぐ菜月の肌は桜色に染まっていた。
「あっ! あっ! この、お……おちんちん、やっぱり……すごく、いぃぃ!」
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(C)SHIYU KUROTAKI/アトリエかぐや
「捻巻先生、おはようございます。昨夜もご自宅にはお帰りにならなかったのですか? 診察台でお休みになっても疲れは取れないと思いますよ」
「え、あ……うん」
颯太が曖昧に答えると彼女は微笑み、ナースステーションを出て行った。
いくら思い返しても、会った記憶はない。なのに、やたらとフレンドリーというか馴れ馴れしい。しかも、彼女を知らないのは颯太だけのようで、他のスタッフたちは、ずっとここにいる看護師と同じように話し掛けていた。
「昨夜入院した患者さんのカルテ、出してくれる?」
入れ替わりで入ってきた涼音は近くにいた看護師に指示を出した。颯太は急いで近づき尋ねる。普段なら涼音に話し掛けることなど決してしないが、今は彼女を知る方が優先された。
「あの、いま出て行った看護師は、……誰ですか?」
「え? 何を言ってるの……?」
驚き、呆れた目で涼音は颯太を見つめる。どうしようもない無能な者に向ける、冷酷な視線。その態度から、涼音もあの看護師のことを知っていると判断できた。
「江坂菜月さんよ。キミと違って院内の全医師から信頼を受けてる看護師。キミだって毎日の診察でサポートしてもらってるじゃない」
「え……?」
「それも忘れたというの? キミ、大丈夫? もしかして若年性の痴呆症? そんな症状があるなら医師として不適格ね」
「い、いえ! まさか! ちょっと、ど忘れしただけです。は、は、ははは……」
乾いた笑いで応じたものの、涼音は厳しく睨んでいた。その視線から逃れるように颯太はパソコンの前に座り、美千留に命じられた作業をこなしていく。
(江坂? 江坂……。やっぱり覚えてない)
何よりおかしいのは、涼音の言動だった。
『毎日の診察でサポートしてもらっている』
涼音は、精神科が開店休業状態で、患者など一人もいないことを知っている。なのに、診察でサポートしてもらっているとはどういう意味なのか?
江坂菜月という謎の存在が気になってたまらない。颯太は作業の合間に、周囲に気付かれないよう彼女のことを探り始めた。
だが、出てきた資料は何も問題がない。履歴書を始め、出勤表、シフト表など。数年前から「江坂」という名前が記載されている。彼女はデータの上では、七草総合病院の看護師として数年前から働いているのだ。
「誰なんだ……コイツ……」
そんな颯太に、彼女の正体を知る手がかりが与えられた。しかも、当の菜月から。
今晩も診察ベッドで寝てしまおうと精神科の部屋に入ると、机の上にメモがあった。
『今週の日曜日。午後一時。駅前の噴水広場でお待ちしています。江坂菜月』
しっかりとした美しい文字。こんなメモを颯太に渡すということは、彼女が普通の看護師ではないことの証明でもあった。
「日曜って……。明後日か」
曜日感覚がおかしくなっている颯太は、カレンダーにしっかりと書き込んだ。
「こんにちは捻巻先生。早速ですけど、喫茶店でお話をしませんか?」
噴水広場に行くと、すでに江坂菜月が待っていた。颯太は頷いて二人で歩き始める。女性らしい格好をしている菜月と、よれよれシャツ姿の颯太という組み合わせはかなり奇妙だったが。
「捻巻先生。単刀直入に聞くわ。あなたは、私の何を疑っているの? 履歴書を調べたり、日常業務をこっそり見てるよね? 私のこと気になる? 恋しちゃった?」
喫茶店で二人分のコーヒーを頼むと、菜月は颯太をからかうように笑った。だが、颯太はむっつりとした表情のまま過去の勤務表のコピーを取り出す。
「去年のお前の勤務表だが、精神科で働いていたとある。しかし、七草総合病院の精神科はほとんど患者がいない。看護師を使う必要もないくらいだ。それに去年の精神科の医師は俺だけ。なのにお前の記憶がまったくない。江坂菜月。お前、何者だ?」
颯太の追及に、菜月は驚きの表情を浮かべる。
「ちょっとしたストレスで使えなくなった程度の素質だと思ってたけど。そうじゃなかったのね。どっちにしろ現地の人間は必要だし。能力者なら好都合ね」
「何言ってるんだ? ごまかすつもりか?」
「疑問に答えるから、とりあえず聞いて」
命令する口調ではなかったが、ぴしゃりと言われて颯太は口を閉じる。その様子に満足して、菜月は話を始めた。かなり……突拍子もないことを。
「私は未来人よ。とある重要な任務を遂行するために、未来からやってきたの」
「すまん。帰る。悪かったな、追いまわして。もう何も聞かない」
精神科医として颯太は危険を感じた。ここまで重篤な妄想癖がある人間。治療が必要なレベルだが、面倒なことになる前に、颯太は席を立とうとした。
「ちょっと、帰ろうとしないでよ! 最後まで聞いて! 質問も受け付けるから!」
注文したコーヒーがまだ半分以上残っている。せめてこれくらいは飲むかと、颯太は浮きかけた腰を再び椅子に下ろした。
「私がこの時代に来た理由は、七草総合病院。私の用事と密接に関係してるの。だから、自分の能力で病院関係者の記憶を弄って看護師になりすましてるの。ここまではいい?」
「ああ。じゃ、なぜ俺はお前の記憶操作にやられてないんだ?」
「その説明は長くなるけど……どうせ、私が未来人だってこと信じてないわよね?」
「そりゃそうだ」
頷く颯太に溜息をつくと、菜月はバッグの中から何かを取りだし、テーブルに置いた。それを見た颯太は手にしていたコーヒーカップを危うく落としかける。
「な、なんでこんなもん……」
置かれたのは何の変哲もないスプーン。カレーライスを食べる時に使われる、やや大きめの平凡なスプーンだ。
「スプーンなんて、あなたにとっては失敗の象徴みたいなものよね」
「くっ……お前……なんで……」
忌まわしい記憶が蘇る颯太。なぜ彼女がそのことを知っているのか。テレビ撮影はされたものの生中継ではないから放送は見送られた。現場にいた同級生たちともとっくに音信不通だし、生まれた土地からも離れた場所に住んでいる。
「今、曲げられないんでしょ? その辺りのことも、説明したいんだけど」
「曲げる……? 何言ってんだ……」
「証拠、その二」
颯太の質問を無視して、今度は紙切れが置かれた。
「未来人である証明のお約束。宝くじよ」
菜月が差し出したのは、エクストリーム宝くじと呼ばれる新しいタイプのものだ。好きな番号と組数を指定すれば、印字されてくじが渡される。一等十億円と高額で、発売直後から話題になっていた。
「番号が、七七組の七が、ん……? 一、二、三……九桁全部七かよ」
くじの数字は完全にランダムだから、数値が全部「七」になることはあり得る。だが、人の気持ちとしてはかなり選びにくいというか、選ばない数列だ。なのに菜月はわざわざこの数字を選び、購入したのだ。
「すごく特徴的な番号だったから、過去の情報を漁った時に覚えていたの。これが当たれば未来人だって信じてくれる?」
「まあ、多少な……」
「良かった。じゃあ、くじの番号発表まで時間があるから。会話も弾みそうにないし、とりあえず未来のことを説明しちゃっていい?」
「いいぞ。全然信じてないけど」
「念を押さなくても分かってるわよ。どこから話そうかな……」
菜月は少し考えてから、ゆっくりと語り始めた。
「未来は今……あ、未来だから今って変かな? ま、いいわ。とにかく、未来は今、人類絶滅の危機に立たされているの」
「ほー」
「もう。聞いてってば。ごく近い将来、七草総合病院研究室で、とある細胞が開発されることになるの。後にexp細胞って呼ばれるんだけど、認知症や記憶喪失の対策として、人間の記憶をバックアップする目的で開発されたものよ」
「バックアップ? 治療用じゃないのか?」
「ええ。脳の委縮などで記憶野に障害が起こった時、あらかじめバックアップしておいた細胞を移植して記憶を取り戻す……っていうのが目的」
「根本的な解決になってない上に、とんでもない細胞だな」
「治療方法は別の人間が見つけるんだけどね。それはさておき、exp細胞はほどなくして別の側面を見せ始めたの。軍事利用」
「いつの時代も一緒か」
「複雑な人間の記憶を長期保存できるような細胞は、超高性能な生体コンピュータみたいなものだったからね。軍事利用もしたくなる。でもね……」
菜月が表情を暗くし、目を伏せた。頭痛に耐えるかのように苦しげな表情を一瞬だけ浮かべたあと、顔を上げた。
「問題が起こって、exp細胞から新種のウィルスが作られてしまったの。コンピュータじゃなくて人間用のよ? 致死性の極めて高い……。それがテロリストの手に渡って」
また菜月の言葉が止まった。
「使われたのか?」
「ええ……。少なく見積もっても、人類の半分が死んだわ。しかも終わっていない。未だに、その新種のウィルスで人が亡くなり続けてるの。……exp細胞は、開発されるべきじゃなかったのよ。だから私は、こっちの時代にやってきたの」
そう言われても颯太の疑いは晴れなかった。ただ、菜月の見せた苦しげな表情には、真実が含まれているような気もして、颯太はかなり戸惑っていた。
「……信じてないって顔してる」
「んっ……まぁ……」
「そうよね。ふふ。まだ信じてもらおうとは思ってないし、今話したことは、あなたは別に深く考えなくていいことだから」
再び菜月はバッグに手を差し入れ、また何かの紙を取り出した。
「それより、別の話をしましょうか。もっとあなたが信じる気になる話をね」
菜月は手の中に隠していた紙を、テーブルの上に置いた。それは写真。汚れてくしゃくしゃになっている。写っているのは、路上に横たわる薄汚い男性だった。
「なんだこれ?」
「あなたよ」
どう見てもホームレスだ。言葉を続けて否定しようとする颯太の前に、菜月は新たな写真を次々と並べた。最後の一枚は、顔がアップになっている。
ずいぶんくたびれてヒゲも伸び放題だが、それは紛れもなく……。
「お、俺だ……。いや、でも……。ご、合成……とか……」
否定しようとした颯太だが、菜月の強い視線に言葉を呑み込んだ。
「この時代に来る途中で撮影したものよ。今から数年後、七草総合病院の精神科が廃止されるの。そしてあなたはクビ。頼るところもなく数ヶ月でホームレスに。そして、放浪中にホームレス狩りにあって……死ぬ」
「死……ぬ……?」
これも妄想話だろう。写真も合成だ。颯太は必死にそう考えようとするが、菜月の話し方にも、態度にもおかしいところはない。頭が痛くなってきた。パニック発作が起きないのが不思議なくらいの状況。
「ごめんね。厳しい未来を見せて。でも、あなたに協力してもらうためには必要だと思ったから」
「協力……」
「ええ……。ねえ? そろそろ、くじの発表時間じゃない?」
「あ……そ……そうだな」
いつの間にか時間が経過していた。颯太はスマホを取り出し、エクストリーム宝くじのページを開く。そこに大きく掲載されていた数字は。
「な、な、七ばっかり……。い、一等だ……」
颯太は宝くじを手に取り、スマホの画面と見比べた。間違いない。一等、十億円の宝くじ。それを事前に菜月は買っていた。偶然ではあり得そうもない数字を選んで。それは、つまり……。
「どうやら、信じてくれたみたいね」
菜月はわずかに微笑むと、颯太の手から宝くじを奪い取った。そしてすぐに丸めて、ライターで火をつけ、燃やしてしまう。
「この時代、まだ喫煙習慣があって良かった」
灰皿の中で燃え尽きる十億円の券を見ながら、颯太は立ち上がり叫んでいた。
「な、ナニしてんだよ! じゅ、じゅ、じゅ……」
「この宝くじで当選者は本来いなかったの。だからこれは存在しちゃいけない。存在したら、これから起こることに影響が出るかもしれない。正直、もったいないと思う」
「だ、だったら……」
「私の仕事は、十億なんかじゃ取り返せないほどの命がかかってるんだから」
颯太は真剣な菜月を見ながら、椅子に座り直した。どうやら、彼女が未来人だということを信じるしかないようだ。
「分かった……。信じるよ。お前が未来から来たって。でも、なんで、俺にそんな話してるんだ? 何が起きるか分かってるなら、それを変えればいいだろ?」
「病院ではぼんくら扱いなのに、実は鋭いのね捻巻先生って。仰るとおりのことができれば、苦労はしないの。この時代に来る前、様々なシミュレーションをしてみたけど、未来人が過去にアプローチしても何も変わらなかった」
菜月は自分の無力を呪うかのように、深く溜息を吐いた。
「時間があざ笑ってるかのようだった。起こるべきことは起きなければならない、って。人間が滅ぶのは決まってるんだから、変えさせないって言われてるみたいだったわよ。でもね。現代……この時代の人間が変化させて、それが起きない場合は別」
「つまり、今を生きてる俺たちならば影響を与えられるってことか」
「そう。そして、私はあなたに協力してもらいたいの。事前に調査したけど、これからの計画にあなたの能力はうってつけだわ」
「能力?」
颯太が尋ねると、菜月は置きっぱなしのスプーンを指先でトントンと叩く。
「あなたの『曲げる』能力。私が手助けして、あなたの能力を取り戻してあげる。だから、手伝って欲しいの。未来を救うのを」
「拒めば、ホームレスになって死ぬ運命が変わらないわけか?」
「ええ。きっと」
颯太には頷く以外の選択肢はなかった。
「ありがとう。承諾してもらって嬉しいわ。ね、これからあなたのことを颯太って呼んでいい? 私のことは菜月、って」
「いいが、病院じゃやめとけよ」
「そうね。いきなり名前で呼び合ったら不自然だし。二人きりの時以外は、捻巻先生でいくわ」
「でも、スプーン曲げなんかなんの役に立つんだ? 見世物にでもするのか」
「馬鹿ね、月並みな言い方だけど、あなたの力はそんなものじゃないんだから。……その辺の説明もしたいから、移動しましょうか?」
「は? どこにだ?」
「能力を取り戻すお手伝い♪」
そう言うと菜月は立ち上がり、もう歩き始めていた。
「おい、ここは……? なんだ?」
「あ、知らない? ラブホテルって言ってね。セックスするのに使われる場所よ」
「そういう説明を頼んでねーよ! なんで連れてきたのかを聞いてるんだ!」
菜月が迷うことなく堂々と入るので、そこがラブホテルだと颯太は最初気がつかなかった。しかし室内は間違いなくエロビデオで見た場所。セックス経験のない颯太は、なんだか落ち着かない。
「もしや……やっぱり俺を騙すつもりなのか!?」
「疑り深いわねー。そんな不審そうな目で見ないでよ。いい? ちゃんと理由があってセックスするのよ?」
立ったままでわめく颯太に呆れながら、菜月は大きなベッドに腰掛けた。
「能力を開発するに当たって、快感が重要なポイントになってくるの。性的な快感じゃなくてもいいんだけど。とにかく快感が重要。逆にストレスなんかは大敵ね。颯太の能力が使えなくなったのは極度のストレスのせいじゃない?」
「それは……かも、な……」
菜月に指摘され、あの忌まわしいステージの記憶が蘇る。その後に起きたクラスメイトの嘲笑。両親の冷酷な態度。人生で最も強いストレスと惨めさを感じた。あの時からスプーンは曲がらなくなった。
「私の能力が効かなかったくらいだから、颯太の潜在能力は確かなはず。きっかけがあれば能力はすぐに元に戻る。そのきっかけのために……セックスしましょ? って話」
「ま、あ、理屈は分かった……」
冷静な説明を受けたものの、颯太のソワソワした気分は収まらない。その様子を見て、菜月は察した。
「そっか。颯太って、童貞なのね。それで落ち着かないんだ」
「う……。あ……。そ、そうだよ。見下されてきたからな! 女から相手された経験なんてねーよ。その手の店だって行くつもりなかったし……」
「馬鹿にしてるワケじゃないって。いいじゃない。これから卒業するんだし♪ 私の身体は……どう? その辺の女の子より、スタイル良いと思うんだけどな?」
どこか熱っぽく言いながら、菜月はベッドから立ち上がり自らの服に手をかける。
「ベッド、座って?」
「あ……ああ……」
促されてベッドに腰掛けた颯太の正面で、菜月は服をあっさりと脱ぎ捨てた。自分で言うだけあって、そのプロポーションは見事だった。大きな乳房を重そうにブラジャーが支え、キュッと締まった腰回りと、布地の少ないパンツ。
「私の体……初体験の相手として、お眼鏡にかなう?」
真っ白でシミ一つない肌。顔立ちはヘタなモデルよりもキレイで、颯太を興奮させるには十分以上だった。息づかいはハァハァと荒くなり、パンツの中で肉棒が屹立している。
「ふふ。合格みたいね。それじゃ……」
菜月はわずかに笑みを浮かべながらブラジャーに手をかけた。ホックが外れ、乳房がぷるんっと震えながら飛び出した。
「お……わ……」
思わず声を上げてしまった颯太を嬉しそうに見ながら、パンツもするすると脱ぐ。脱ぎたての下着は近くのソファーに投げられ、菜月は一糸まとわぬ姿で颯太の正面に立っていた。腰に手を置き、堂々とした態度で。
初めて見る生の女性の身体。ピンク色の乳首、まったく毛の生えていない股間の膨らみ。颯太は、ただただ目を奪われ、動けなくなってしまう。
「気に入ってくれたみたいね。それじゃ、颯太の服……脱がしてあげる」
期待と興奮に緊張して動けなくなっていた颯太は、そのままの姿勢でベッドの上に押し倒された。
「ふふふ……」
興奮と緊張に固まってしまった颯太の衣服を菜月は剥ぎ取り、全裸にした。
「わ……颯太の、おっき~。ちょっと意外♪ ……じゃ、まずは挟むね?」
菜月は颯太の下半身に跨がり、四つん這いになった。巨大な乳房が左右に揺れながら下腹部に近づき、女性の生の裸を見ただけで勃起している肉棒を挟み込んだ。
「すっごい熱い……私の体、気に入った?」
「う……っ。くっ……。お前……その……意外と淫乱女か?」
「何よビッチって! 必要だからしてるの。誰でもいいってワケじゃないわ。ま、目的のためにエッチしちゃってるんだから颯太から見たら同じかもだけど」
菜月が乳房を両側から掴みギュッと中央に寄せた。快感の高まりに颯太はつい「うっ」と声を漏らしてしまう。
「やるからには私も一緒に気持ち良くなりたいから??いっぱいがんばっちゃうわよ?」
笑みを浮かべたまま、菜月はゆっくりと乳房を上下に動かし肉棒を擦りつけた。手とはまったく違う感触。柔らかさに包み込まれ、刺激が与えられ続ける。
そんな快感に声を漏らしながら颯太は、菜月のおっぱいを見つめてしまう。こんなことをされながらも、触ってみたかった……。そう思いながら。
「ふふ……おっぱいじーっと見ちゃって。気持ちいい?」
「あ……あぁ」
「その割には、物足りなさそうね。あ、そっか。触りたかったんだ。あとで触らせてあげるから、今は大人しくしてて? いっぱい、気持ち良くしてあげるわ♪」
柔肉に包み込まれた肉棒が、根元から先端まで扱かれる。乳房の内側は颯太の熱でじんわりと汗が滲み、密着度がさらに高まっていた。
「ん、っは……すごい……びくびくってして……んぅ……っ!」
カリ首が左右から徹底的に擦られ、カリのくびれの裏側にまで柔肉は入り込んできた。裏筋を丁寧に撫でられ、亀頭は包み込まれた上下左右から刺激されまくる。
「すっごい……。先っぽ、膨らんでる……。大丈夫? すぐ出しちゃってもいいけど。射精したら、もう勃たないとかならガマンして?」
「あ……安心しろ……。今なら五発くらいは余裕で出せそうだ!」
「見た目は弱っちいのに頼もしいじゃない♪ じゃ……遠慮なく……」
颯太が必死に射精をガマンしていたのに、菜月の中では加減をしていたらしい。右膝を少し前に出して体勢を安定させると乳房を掴み直し、さらに強くギュッと肉棒を挟んだ。
「う……お……」
「うふふ。出したくなったら、いつでも出しちゃっていいから……んっ……んっ」
大きな乳房が肉棒に容赦なく絡みつき、先ほどよりも大きく上下に動き始めた。思わず腰を浮かしてしまう颯太を、菜月は微笑みながら見ている。
「気持ちいいみたいだね。あ……。すごく……熱い……。ゴリゴリしてて……。颯太の、すごく硬いよ……」
柔らかいのに、しっかりと密着する餅肌。包み込むのではなく、乳房全体で肉棒を擦り続ける。乳房が上がっても、下がっても、続けて刺激に襲われ、たまらず颯太は先端からガマン汁を漏らしていた。
「はぁ……ハァ……。先っぽから……ガマン汁出てきた。すごい量。早いね」
「気持ちいいから……しょうがねーだろ……くぅ……」
「ふーん。じゃ、こんなことしたら、どうなの? ペロッ」
「くおっ!?」
突如、舌を亀頭で舐められ、颯太は電流に打たれたように身体を跳ね上げてしまった。
「くすくす♪ すごい反応。ちょっと舐めただけなのに。ふふ……。口でしたらすぐに射精しそう。でも、今日は胸だけね」
すぐに菜月は口を離し、乳房を動かし始めた。
「そのうち……口でしたりしてくれるのか?」
「それは気分次第。今日は必要だからしてるけど、次は……どうかな。もしかしたら、私とするのは最後かもね。だから……」
菜月が舌を出し、口の中から唾液を垂らした。長い筋になった唾液が颯太の亀頭に垂れ、ガマン汁とミックスされる。
「しっかり味わってっ♪ 私の胸の感触、覚えててぇっ♪ ん、はぁ……ぎゅぅ~っ!」
「う……く……圧迫が……つよっ……」
唾液とガマン汁のブレンドが谷間に満ち、乳房がさらに強く挟んできた。そのまま柔肉が上下に激しく動き始め、肉棒の根元から先端まで、満遍なく扱きだした。
「んく……んふぅ……っ! す、っごい……っはぁあ……っ!」
強く挟まれているのに痛みはなく、今まで以上の快感を与えられていた。
「おちんちん……出っ張ってるところぉ。おっぱいに、引っかかってぇ。颯太のどくん、どくんて……震えて……んふふ……可愛いね、颯太のおちんちんは」
完全に菜月に支配されている状態だが、颯太に不快感はなかった。柔肉に扱かれ、ガマン汁がどれだけ耐えても漏れてしまう。
「はぁ……はぁ……。先っぽから、いっぱい漏れてるぅ……。エッチなにおいが濃くなって……っふ、ぁ……なぁう……っ。どう? 気持ちいい?」
「あ……。あぁ……」
「ふふ……。なら……このまま一回目、出しちゃおっか? 私の身体も、熱く……てぇ」
熱い吐息を漏らしながら、菜月は何度も強く寄せ上げた乳房で肉棒を、かなり速いペースで上下に扱き始める。強すぎる刺激に肉棒は痺れと快感に包まれ、ガマン汁の量も濃さも増していった。
「出てる……。熱いの……ぉ。いっぱいぃっ! んっ! すごい匂いだよぉ……。あ……あぁ……。颯太の、先っぽ……すごい膨らんで、出そう? ねえ? 出そうなの?」
甘い問いかけに颯太はただ頷いた。まったくごまかしようがないくらい、射精がすぐそこまで来ている。
「はうっ……んっ。あ……。いいよぉ、出してぇ。私の……おっぱいでぇ。ね……。あっ……あっ。人生初のパイズリ射精ぃ……。私のおっぱいに、決めちゃえ♪」
ビッチそのものの菜月の言葉にも興奮し、膨らみきった亀頭を乳房がズリッと強く擦った瞬間……。
「んぅっ……! あぁ……でたぁ……っ♪ はぁ……。す、すごーい♪ あ……胸の間で……いっぱい……っ」
颯太は柔らかな乳房に包まれる快感に身を任せながら射精をしていた。菜月の胸が真っ白に染まっていく。自分でするのでは味わえない、肌を重ねた充足感というのを初めて感じて、全身が心地良さに包まれていた。
「んっ……。まだ出る。すごい……ビクビクして。ふふ、もっと搾り出さないとね」
自分の胸にたっぷりと付着した精液を拭いもせず、菜月は乳房をまた押しつけると、尿道に残った最後の一滴を搾り出すようにゆっくりと根元から先端へと擦りあげる。
「ふふ。どう? 初めておっぱいで射精した気分は」
「今までにない気分だ……女で射精するのがこれほど気持ちいいとは思ってなかった」
素直な感想に菜月は微笑み、颯太を見つめる。
「すごく出たのに、まだ硬いわね。もっと射精できそう?」
「ああ。出したら、もっと元気になった」
「一度射精しておいて丁度良かったかもね。いきなりセックスしたら、すぐ出ちゃっただろうし。……さて、と。じゃ、お待ちかねのコトしちゃおっか?」
「……お前の方の準備はいいのか?」
「初めてなのに余計なことに気を遣わなくていいの。颯太のゴツゴツしたのおっぱいで擦って興奮したし、エッチなお汁いっぱいかけられて……ふふ……準備、できちゃってるんだから……」
妖艶な笑みを浮かべながら菜月は身体を起こし、颯太の腰に跨がった。
「颯太は、おまんこで射精することだけ考えてればいいのよ♪」
硬く尖っている肉棒の裏筋に、熱く潤っている部分が押し当てられた。乳房とは違う柔らかさと、ねっとりとした熱い液の感触。
「ほらぁ……もう、濡れてるでしょ? 精液いっぱいかけられて……エッチな気分になっちゃってるの。だから準備は……んっ……」
甘い吐息を漏らしながら菜月は少し腰を落とした。裏筋と菜月の入口が重なり、さらに押し広げられて、じゅわりと愛液が奥からあふれ出してきた。とろとろの熱い蜜液に包まれる感触に、颯太は興奮しすぎて頭が痺れるのを感じていた。菜月も、また……。
「はぁ……んっ。やっぱり、おちんちんは……おっぱいよりも……おまんこの方が熱いぃ……っ。はぁ……はぁ……んっ」
手を自分の後ろに回し、腰を前後に動かしながら淫裂で肉槍を擦り続ける菜月。大量のカウパー汁と、淫蜜にコーティングされた肉棒はテカテカに光り、初めての刺激にビクビクと根元から振動していた。
「あ……はぁ。まだ、挿れてないのに、おちんちん気持ち良さそうね? すごく、したがってるぅ……。颯太のおっきなの擦ってたら、はぁ……はぁ……」
割れ目はパックリと左右に開き、肉ビラが蝶の羽のように大きく広がっていた。すぐそこに、未知の淫穴があることに颯太の興奮が止まらない。
「は……ふぅ。硬いのぉ、コリコリ当たって……子宮、ひくついて……。あ……もう、ガマンできない。はぁ……挿れるよ? 挿れるよ颯太ぁ? 童貞捨てさせてあげるぅ……」
発情しきった淫穴が亀頭を呑み込み、菜月の口から熱い吐息が漏れた。
「んっ……はぁぅぅぅぅぅ! お……奥……ぅ。童貞チンポぉ……おまんこのぉ、奥まで……当たって犯して……るぅ……ぅぅ……んっ……」
「く……あっ……くぅ……」
「は……あぁ……。すごいっ。颯太のおちんちん、中でビクビク動いて。んっ……。あ……。んふぅ……童貞卒業おめでとぉ……ぅ。おまんこ、気持ちいいでしょ?」
「ああ……。価値観が変わりそうだ。今まで経験しなかった人生だったんだと思うと、それだけで落ち込む……」
「まぁまぁ。これからはいっぱい気持ち良くてエッチなことしまくりよ♪」
「お前が相手してくれるのか?」
「違う違う。まぁ、私も気が向いたらしちゃうかも。颯太の能力なら、セックスなんていくらでもできるわよ。時間かかるかもだけど」
能力と言われても、颯太にできたことはスプーン曲げ。そんなことで性行為に至れるとは、さすがに思えない。
「どういうことだ? 俺の能力って……」
「んっ……もう。おまんこに、おちんちん入ってるのにぃ。難しいこと考えないの。今は……気持ちいいことだけ、ね? 動くよ? んっ……」
「うわ!? お……おい、いきなり……くぅぅっ!」
菜月は肉棒を膣壁でギュッと咥え込むと、前後に腰をくねらせながら動いた。単調な出し入れに捻りが加わるので、肉棒があらゆる方面から刺激される。
「すぐに射精、しちゃわないように、がんばってぇ……っ! は……。くぅぅ。これ、す、すごく……いっ。快感に、流れすぎないようにね……っくぅ」
「そんな……こと。言われても……だな……」
「気持ちいいのに慣れて、色々しないと。これからのために……はっ。あぁ……。でも、難しいの……分かる、かもぉ。あ……アッ! あぁぁ! なんか、相性……いいし」
さほど激しくはないものの膣壁はしっかりと肉棒を咥え込み、颯太に強烈な快感を与え続ける。ズボズボと淫穴に出し入れされる度に射精しそうになるのを耐えているが、長時間は持ちそうにない。
「んっ……。はっ……あぁ。颯太のぉ、おちんちん……すっごいっ。いいとこぉ、当たって……あふぅ……あふぅ……。あっ! あっ……当たってるぅ……」
病院で見せる理知的な看護師の姿はまったくなく、ただ乱れまくる菜月の表情にも颯太は興奮させられている。
「颯太ぁ……。おちんちんにぃ、自信持っていいよぉ。これぇ、いいからぁ……どんなオマンコでも、気持ちいいとこぉ……刺激しちゃう……からぁ……ほら、ココぉ!」
開ききったカリの縁が、膣中のザラザラした部分に擦られ続けた。痺れるほどの快感だが、菜月もまた強烈に気持ちいいらしい。
「ふ……あぁぁ! 入り口もぉ……奥もぉ……。い、いぃっ! んっ! くふぅ!」
左右に大きく開いた菜月の股の間に肉棒がずぶりっ、ずぶりっ……と何度も出し入れされる。腰が引かれる度にドロリと蜜汁が流れ出し、颯太の腹部に垂れた。
精液塗れの乳房が右に左に、上に下にと激しく揺れながら歪んでいた。ピンク色の乳首は硬そうに尖り、精汁にコーティングされてテカテカしている。
「は……あぁっ。んっ……。あ……あ……。そ、颯太ぁ? お、おっぱい触るぅ?」
「いいのか?」
「う、うん! ね……。さっき、触りたかったんでしょ? いいよ?」
「揉みます」
思わず敬語になったのも気付かず、精液の付着など気にしないで、颯太はたわわな膨らみを両手で掴んだ。ふにゃっと指が食い込み、その柔らかさに快感を一瞬忘れてしまう。
「や、柔らかいな……。お……お……」
手にずっしりと感じる乳房の重さ。なのに驚くほどに柔らかいその感触に颯太は興奮し、揉みしだいていた。
「あ、そ、そんな目を血走らせて……。んっ……。あ……も、もうちょっと優しくぅ」
「あ……ああ……」
そう答えたものの、菜月のおっぱいに夢中になり、ひたすら指に力を込めて揉み続けている。
「うん……もぉ……。あ……でも……。んっ、そういうのも……いっ、いいかもぉ。あ……あぁ……。腰……止まらないぃ……」
荒々しく乳房を鷲掴みにされる行為に菜月は興奮し、腰の動きをさらに激しくし始めた。颯太の腰骨に大きな尻が何度も押しつけられた。
「ふあ……ふあっ! 子宮……入り口ぃ! んくふぅ! んっ! 分かるぅ? 子宮……コリコリって、当たる……ぅ。硬いのがぁ……あっ! あぁっ!」
医師の端くれなので女性器内部の構造は分かっている颯太だが、肉棒の先端が子宮口を叩く感触はもちろん初体験だった。
「んっ! くぅっ! んっ! くひぃぃ! す、すごいっ……擦れてぇ。ゴツゴツしたのが、中……いっぱい、いっぱい……ごりごり……ってぇ! あっ! あぁ!」
根元まで呑み込まれたかと思うと、腰が引かれて亀頭の半分ほどが露出する。すぐさま再び膣穴へと挿し込まれる肉棒。真っ白な愛液がドロドロと流れ出し、快感に喘ぐ菜月の肌は桜色に染まっていた。
「あっ! あっ! この、お……おちんちん、やっぱり……すごく、いぃぃ!」
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(C)SHIYU KUROTAKI/アトリエかぐや