強引にされると嬉しくて初めてでもよく喘いじゃう令嬢な幼馴染 優衣
2017年12月14日
オトナ文庫
著:神崎美宙
画:いっせー
原作:オーバードーズ
遅刻するほどではなく、少しだけ遅めの時間──相川幸也は学園への道を歩く。
気分のほうは複数の要因で浮かない。近頃、言いようのない焦燥感または不安といったよくわからない気分のときが多い。
「ある意味このなんとなしに逃げるのもダメなんだろうなぁ……」
自分の不甲斐なさを確認するが、これは日課のように考えることであって気分が落ちる理由にはなっていない。朝の日差しを半分恨めしく、半分気持ちよく受けながら通学路を歩いていると本格的に目が覚めてくる。
すると──あるはずのない顔がそこにあった。
「あ、おはよう」
「ゆ、優衣? どうして……」
「最近、お寝坊さんだね?」
彼女と一緒に行きたくなくて、家を出る時間を少し遅めにした。
そんな苦労を台無しにされてしまった。
幸也のそんな気持ちなど知らず、柚木優衣は心配そうに声をかけてくる。
「調子悪いの? 顔色は悪くないみたいだけど」
「あ、ああ、ちょっとね……」
優衣に顔を覗きこまれ、そのまっすぐな視線から顔をそむけてしまう。
姿勢よく伸びる女性らしいラインがもっとも長くあらわれる腰から脚は、見てはいけない気もするが、顔はもっと見れない。
「ふぅ~ん……じゃ、行こう」
優衣はいわゆる幼馴染であり、一緒に登下校することも多い。
そして彼女の存在が最近落ちこんでいる理由だった。
学園生活中、なにかと一緒になるもののカップル的な意味の彼女なんかではなく、通う道が同じというだけ。おそらく顔見知りとしか思われていない。
根拠となる理由はいくつもある。
首都圏からは離れているものの、優衣は広大な敷地にある豪邸に住んでいる才色兼備文武両道が当たり前の完璧お嬢様。
それに引き換え幸也は単なる庶民。あまりに生きている世界が違いすぎて、並んで歩いていると自虐的にもなってしまう。
これが単なる他人だったらこんなに悩んだりしない。
だけど幸也はいつのころからか、彼女にお熱だった。毎日毎日釣りあいっこない高嶺の華に憧れつつ、自分の情けなさを自覚する日々だった。
幼馴染なのでもちろん普通に話していたこともあるはずなのに。もう今の幸也はそんなこともできず、ただ優衣の姿に見とれるばかり。
だけど優衣は今でも親しげに語りかけてくる。
子どものころ優衣を連れ回していた思い出。コンビニなどの町中を大人へのあこがれから背伸びして歩き、公園や近所の石塀をいたずらっこよろしく駆けまわった日々。
思い出すたびに恥ずかしく、今よりはマシかもしれない過去の自分。
そんなことを考えていたら、学園の近くまで来ていた。
「恭子がね、薄手の服を勧めてきて困るんだよ」
「へぇ、困るんだ」
不意に優衣が話しかけてきた。
だけどとっさに上手い切り返しも思いつかず、ぶっきらぼうな返事しかできない。
「……さ、最近、なんだか元気ないね?」
「そう、かな?」
「何か悩みでもあるの?」
やさしい優衣らしい、だけど幸也にとっては不釣りあいな心配。
しいて言えばこんな自分に一番悩んでいる。
「誰でも、あるよね……私も、少し悩み事があるの……」
優衣は歩みをとめたのか、声が少し後ろから聞こえてくる。
彼女の悩みは気になるものの、あまりゆっくりしている時間はない。
「急がないと遅刻してしまう」
「え? あっ……」
昔のくせか手を握って走ろうとしてしまった。
「ご、ごめん」
やっぱり一緒に歩くものじゃない。
顔の辺りが熱く自分でも赤くなっていることがわかる。
幸也は優衣から顔を隠すようにそっぽを向いた。
「ほら、い、急がないと遅刻するよ」
「あ……うん」
子どものころはともかくとして、今ではまともに優衣と接することができない。
手を握るだけでも彼女を犯しているような気がしてならない。
毎晩のように優衣と──優衣の裸を妄想してしまっていることを、手から読み取られるのではと怖気づいてしまう。
今の優衣の身体つきは制服の上からでもよくわかるほど女らしく、そして理想的に育っていた。見たい、触れたい、そんな思いを抑えて見ないようにと努力するもののついつい見てしまうほど魅力的だ。
「はっ、はっ……」
規則正しく呼気を用いて走る優衣の太ももがスカートを跳ね上げ、脚の動きから遅れて物理現象でもどる。とくべつスポーツ万能というわけではないが、ひき締まった、しかし柔らかそうな筋肉の筋が浮かび上がる。
地を蹴るたびにプルッと一瞬だけ震え、関節をしなやかに動かしていく。
「あ、ま、前っ……!」
「え? うおッと……」
目の前を自転車が通り過ぎた。幸也は慌てて視線を前へとむける。
早足で歩きながら、ふと疑問が浮かぶ。
そういえば今朝、優衣はどうしてあんな時間に。いつもはもっと早く登校しているはずで、家柄と当人の性格からして生活習慣をそう変えるとは思えない。
もしかして自分を待っていてくれてたり──。そんな都合のいいことを一瞬考えてしまったが、むなしくなってすぐに考えるのをやめた。
今日も授業が終わる。
優衣と同じ進学校になんとか入ったものの、幸也にはハイレベルすぎてまったくもって学業についていけていない。
受験勉強のときは優衣と一緒にと、今よりは前向きな気持ちでもっとポテンシャルがあるのだと思っていたが、それは間違いだったのかもしれない。
いや、まったくもって勘違いだったと認めてしまったほうがいいんじゃなかろうか。
自信も一緒に過去に置いてきてしまったような寂しさを感じつつもう一度奮起してやろうという気が起きない自分が哀しい。
あのころの自信が今の自分に宿ってくれたら、どんなにいいだろうか。
「ねー、ちょっとあんた邪魔なんだよね」
ボーっと考え事をしていると、不意に背後から声をかけられる。
「それにさー、なんだか暗いよね。人生楽しまないとダメじゃん? あ、ゆっこ、行こー暗いのうつったらやだしー」
「…………うん」
優衣をつれて教室を出ていった明るく見るからにリア充な彼女の名前は筧井恭子。
派手な外見や勝気な性格は置いておいて、優衣のことを大切な友達と考えているらしく良い奴。会ったばかりのころは優衣の女友達というだけでなく、とても話しやすくてむしろ優衣よりも会話が弾んだ記憶がある。
しかし見ての通り、今はどういうわけか嫌われてしまったようで、その態度はいつもそっけない。でも原因には心当たりがあるので、こちらから文句も言えない。
それでも優衣に今時のちょっとした寄り道や遊びなんかを教えた張本人であり、相変わらず学園でもあのふたりはいつも一緒にいる。
恭子がいるおかげで学園の男から優衣への過剰なアプローチは抑えられているらしく、感謝しろと言われたことがあった。たしかに、感謝するべきだろう。
そもそも幸也の優衣への気持ちにも気づいているようなので、無碍に扱ったりはできない。
いっそのこと恭子に悩みを相談してみようかと思ったけど、なんと言えば上手く今の気分を表現できるか分からない。それぐらいネガティブな要素が多すぎる。
色々とありすぎて自分でも今何で悩んでいるのか、何で落ち込んでいるのか分からないぐらい幸也は落ち込んでいた。
「……はぁ、便所いこ」
薔薇色とまでは望まないけど、もうちょっと色のある学園生活を送りたい。
突然。布団越しに殴られた感触で目が覚めた。
「……やっと起きた。目覚まし鳴ってたよ? うるさいったらないよ」
「……………………はい」
ベッドの側に立っていたのは妹の深雪。
昔はよく優衣と三人で遊んだりもしたけど、最近はこの通り兄の扱いはぞんざいだ。
「おにぃのお嫁に行く人はたいへんだよ。もうちょっと寝起きよくならない?」
「……ふぁあぁ……ありがと」
昨日は遅く出たのにばったり優衣に会ってしまったので、今日は逆に早めに行くつもりだった。
だからこうやって起こしてもらえてありがたい。
実際に本気でやるわけじゃないけど、朝の支度をしていると早く学園に行ったついでに予習もしなきゃなと思う。でも思うだけ。
きっとやらない。いつからこんなふうになったのか。
「おはよ。もう行くけど二度寝しないでよ」
大きくため息をついて、深雪は忙しい朝の日課にもどる。
その背中を見つめながら、ふと思った。
さすがに幸也が優衣にあこがれていることは感づいているだろう。
なにせ深雪は優衣のことを『ゆいねぇ』と呼んでいる。かつては本当に仲良しで、本当は優衣の姉妹なんじゃないかと考えるほどだった。
でも最近は一定の距離感を保っている気がする。
それは幸也ではなく、幸也を心配する優衣に気を使っているからだろう。
「サボんなよー……今日もアンニュイか」
今日は掃除の当番だった。しかも恭子とふたりきりで。
そっとしておいて欲しい、そんなことを思いながら恭子の方を見る。
外見からはサボりそうに見られがちだけど、中身は幸也が知るかぎり優衣の次ぐらいに真面目な娘だ。ひとりで手際よく掃除をかたづけていく。
掃除自体は手際とやる気の問題なので、勉強やスポーツとは違い気張ることがない。
ネガティブな精神には意外にもうってつけで、自分でも驚くぐらい没頭できた。
すると不意に恭子が話しかけてくる。
「ちょっと元気になった? 最近あんたいっつも暗いからさー」
「あ、あぁ……まぁ、作業で気が紛れたんだろうな。筧井しか周りにいないし」
コンコンとちりとりからゴミを落とし、ほうきについている埃の塊をこそぎ落とす。
「あたしは気楽なのかー、こ~んなナイスバディといるってのに」
「え? 気に障ったなら……ごめん」
たしかに本人の言う通り、恭子は優衣と負けず劣らずナイスバディである。
「そういえば、優衣に薄着しろって言ったんだって?」
「あー、だってゆっこと並んでると、あたしっていかにも遊んでるように見られるっていうかさー」
そう見られたくないんだろうか。そのわりには脚だってなんかエロいストッキングを愛用しているし、女心はやはり複雑だなと幸也は思った。
「自重すればいいだろ……目のやり場に困るし」
恭子相手でもついつい見てしまうのは男のサガだろう。
「あ~、これいちおう異性に効果ありって感じのやつだから」
「そ、そうなのか、たしかに恭子の脚は一級品だもんな。スゲー似合ってる」
「自慢だからね、いちおう美脚っぷりは」
「……うん、すごく綺麗だと思う。それに恭子は面倒見もいいし、外見とかからはむしろ逆の印象だな」
そもそも恭子と優衣の関係は、引っ込み思案というか人見知り傾向のある優衣の世話を恭子がやいていて深まった仲だ。
「最近じゃ言われなかったねそんなこと……まあ、あんたしか言ってくんないけどさ」
少し、ほんの少し出会ったばかりのころにもどった気がした。
今なら悩みを相談すれば、聞いてくれるような気がする。
「あ、あのさ……」
「……な、なに?」
意を決して声をかけると、恭子は少し驚いたように目を見開く。
しかしすぐに冗談っぽくニヤリと笑う。
「あ、もしかしてあたしのこと、狙ってるぅ~? うけるーでもマジ勘弁なんだけど?」
「いや……あのさ、優衣のことなんだけど……」
優衣の名前が出た瞬間に、恭子の顔からパッと笑顔が消えた。
むしろ不快そうな表情を浮かべる恭子の態度に戸惑ってしまう。
「な、なんでそんなあからさまに嫌そうな顔するんだよ」
「あんたみたいなやつを腐るほど見てきたっつーのっ。なんであたしがゆっこの色恋事情語らなきゃいけないの? 付き人かあたしはっ!」
「ま、まだなにも言ってないだろっ」
「つーかまるわかりだっつーの! とっとと告白のひとつでもしたらどーなの!?」
明確に悩みを伝えたわけでもないのに、ここまでつっこんだ話をされても回答に詰まってしまう。それに恥ずかしい。
しかも告白などできる気がまったくせず、今の幸也は押し黙るしかなかった。
「あんたのほうが付きあい長いでしょう? 幼馴染さん?」
幸也が何も言えないでいると、恭子は矢継ぎ早にまくしたてる。
「いいこと教えてあげる。ゆっこってあんたのこと、幼馴染だからって特別扱いしてんのよ。もうそんなの古いって言ってんのに聞かないのよねー」
「そ、そうな──」
「あんたさー、幼馴染だからって甘えてるんじゃないのー? 毎日一緒に来てさ。付きあってるわけじゃないのにねー? ばっかじゃないのっ? あぁ~~~ムカつく。だいたい最近暗いのをゆっこのせいにするとか最低じゃないっ……ゆっこだってっ……ゆっこも……」
怒りにまかせて好き放題に文句を言いまくる恭子だったが、一瞬言葉に詰まる。
何か迷っている様子だったけど、少し声のトーンを落として話し始める。
「ゆっこ……レイプ願望、ありそうなんだよねー」
「……は?」
「犯されたい襲われたいってやつ? もしかしたら、あんたが強引に迫ったらオーケーしそう? な~んてね、あはははははっ」
あまりに予想外のことを言われて思考が停止する。
強引に……レイプ願望があるって言った……あの優衣が。何度も脳内を恭子の言葉だけがループする。
「……ねぇ。なんであたしばっかりしゃべってんの? あんたも何か言いなさいよ」
「う、嘘だろ、恭子?」
「さぁねー、信じる信じないはあんたの勝手でしょー。意外な性癖ってあるとおもうけどなー、チェリーにはわかんないかもね」
そんなはずがない。そんな……そんな願望……男に、自分以外の男に、犯されても、襲われてもいいって……。ありえない。ありえない……絶対にありえない……。
「ん……なわけないだろッ! 恭子こそ、くだらないことしゃべってんじゃねーよっ! なんで優衣がそんな……そういう……ありえないだろっ!」
思わず怒鳴ってしまい、今度は恭子が驚いた顔をする。
「あ、あら、わからないよー? ゆっこだって年頃の女だもーん」
「仮に、仮にそうだとしたって恭子が言うべきことじゃないだろっ、バカはどっちだ」
「な、何よ……こわい顔して、あーこわいこわい。そーじしーよおっと」
「……っ、お前なぁっ!」
「わーったわーった、訂正するからあと少しだしとっとと終わらせよっ」
あまりといえばあまりのことに動揺がおさまらない。
掃除を終わらせるべきだというのはわかる、だが身体がうまく動いてくれない。
頭のなかではレイプ願望と優衣が結びつかない。
そのくせ──まさか……本当に、そうだとしたら──そんなことを考えてしまう。
「……優衣、が……犯されたい……?」
恭子に聞こえないように言葉にしてみても、まだ実感がわかない。わかないけど──頭をグルグルと回り続ける。
普通なら馬鹿らしくて笑ってしまうけど、優衣を一番よく知っている友人の恭子が言うんだから、もしかして──。
「……ゆっこゆっこって……バカ……」
おかげで恭子の独り言は幸也の耳には届かなかった。
◇ ◇ ◇
進学校だからではなく、少子化のあおりで空き教室が増えてきている。
あきらかに他の教室と少し離れたところにある、なるべくしてなった空き教室は静かで気分が落ち着く。
施錠されておらず、守衛や教員でさえ来ないので、昼寝ができるようにダンボールとシーツを用意してあったりもする幸也のお気に入りの場所だ。
歳が歳ならタバコでもふかしてみたい気分になる憩いの場。
「…………う」
だが今日は憩いどころか、拷問のような時間になってしまった。
理由はもちろん──。
『ゆっこ……レイプ願望、ありそうなんだよねー』
『犯されたい襲われたいってやつ?』
という恭子の言葉である。
つまり誰かが強引にせまったら……優衣は受けいれてしまうのか──。
付きあってもいないのに、独占欲なんて完全にひとりよがりだ。
独善的な考えであることは百も承知だが、そんな願望があるんだとしたら、優衣とやりたい、犯したい、襲いたい。そんな欲望が体の奥から湧き上がってくる。
大人っぽさと無垢さを併せ持つ顔、細い首に魅力的な声をだす喉、成長していくたびに女らしくそそる曲線と盛り上がり。
それに恭子のように自信があって見せびらかすような雰囲気こそないが、最高の美脚の持ち主だ。
「はぁ……が、学園だぞ……」
何を考えているのだろうと思ったその時──。
「最近、放課後に見かけないなって思ってたら、こんなところにいたんだ」
ドアが開き、そこに立っていたのは、脳内でレイプしようとしていた美少女。
こんなタイミングで現れるなんて。
こんなことを考えている自分にやさしい声をかけて近づいてくるなんて。
レイプ願望があると思われてもしかたないと思う。
夕陽のせいか頬を染めているようにも見え、色っぽいのが余計にそう思わせた。
「何か、用事でもあるの?」
幸也が声をかけると、優衣ははにかむように視線をそらした。
「うっ、その、とくべつ用事ってわけでも、ないんだけど……シーツとか勝手にひいてるけどだいじょうぶなの?」
「先生の許可はないけど、ここ、きっと誰も来ないんだ」
「そうなんだ……じゃあ、邪魔しちゃ悪かったのかな」
優衣も、そしてもしかしたら幸也も普段とは少し違う。
会話も少しいつもと違う気がするが、もっとも違和感があるのは雰囲気だった。
いたたまれないような、くすぐったいような、そんな空気だ。
「それでさ、何、してるの?」
「あ、いや……ちょっと考えごとをね……」
「ふうん……そっか」
空気を変えようとしたのか、優衣は少しからかうように明るく呟いた。
「わた、私でよければ相談して、くれない……かな」
「え……え~っと」
ふたりっきりという、こんなシチュエーションだからか、鼓動も速くなる。
優衣への想いはともかく、勉強のことぐらいなら相談してしまえばいいのにもかかわらず、上手く言葉がでてこない。
「あのね、私……ちょっと心配してたの。最近のあなたって、その、えっと……う、憂いてるみたいで」
「あぁ……うん、元気はなかったかな」
「そ、それで私がなんとかできないかなって……私じゃ役に立てないかもしれないけど」
幸也はもじもじとする優衣の下肢に視線をおとし、舐めるように目にやきつける。
目がギラついているのを好意的に解釈したのだろうか。優衣が笑顔を浮かべる。
「でも……でも朝よりは少し元気っていうか、その、目力? みたいなのが……」
優衣の身体を視線で舐め回し、強く誰にも渡したくない独占欲が噴出する。
ここなら──誰にも気づかれずに優衣を。
「……そんなに見つめられても……う、その、私……私……」
「優衣は……優衣は、強引に犯されたい?」
「な、何……いきなり、きゃっ!?」
幸也は、優衣を押し倒した。
自分がたまに昼寝する空き教室のベッドに、優衣があおむけになっていて、そのうえに自分がいる。
刺激的な脚を掴むと、夢に描いた以上に心地いい感触が広がった。
「まっ、や、やめてっ、見えちゃう~~~ッ!」
恥ずかしさにわななく優衣の片脚を抱き上げ、反対の脚も牽制するようにふとももを押さえつける。
力任せに脚を掴んだせいでストッキングが裂け、優衣の抵抗が弱まる。
「え、え? ……んン!?」
幸也は鼻息を荒くしながら、優衣の足に脚を近づけ、ストッキング越しに膝を舐めた。
想像のなかの味よりも、いい香りつきで、そのままふくらはぎのほうへペロペロと舌をはわせていく。
「ンぁ……や、き、汚い、ああ、やめ……ンぁ、あ……ン、ふぁっ……」
優衣は再び身体をよじり、抵抗をみせる。それでも幸也はお構いなく愛撫を続ける。
ふとももは柔らかいが、しなやかな強さがあり、伸ばした手でふとももを軽く揉むようにさすった。
「ンくっ……はっ! い、いたい、よ? あ、あぁ、ァンっ……」
優衣の反応がやたらとよくて、幸也は脚責めに熱中していく。
「こ、怖いっ……あなた、じゃないみたいっ、あ、やだ、こわいっ……」
きっと、自分は今ギラついた目をしているに違いない。
ふと柔らかい膝裏に指が挟まり、その感触に幸也は目を見張る。
「あ……こ、こういうことって、その、私たち、まだ……あぁ……ッ!」
幸也がズボンのジッパーに手をかけると、優衣がハッと息を呑む。
その息遣いが余計に興奮を煽り、強引に優衣の脚を掴んで怒張を膝裏に挟んだ。
「あ、熱い……何か、挟んで……んっ、やだ」
膝を曲げさせて圧迫すると予想以上にちょうどいい感触が得られ、優衣もじわりと汗を滲ませていたことを知る。
腰を軽く振って感触とコツを把握しながら、片手でその美脚をなぞり、さきほど舌で通ったルート順で楽しむ。
「脚撫でないでっ、んふぅっ、ン……ぁ、あぁ……」
「こんなこと、されても……いいんだ」
「え? ふぁ、あぁ、ン……」
優衣は力なく身を任せている。
それならばと制服に手をかけ、胸元を肌蹴させていく。
「……あぁ……あぁぁ……ン、ぬがさ、れて……」
ハァハァと吐息が交じり、優衣の顔は赤みを帯びていく。
あらわになった乳房をススッと撫でる。
「ま、まってっ……ンンぁ!? ふぁ、はっ、はっ……えぇ……ンっ~~~!」
優衣は身体をギュッと強張らせ、膝をさらに閉じる。
「あぁっ、打ちつけないで、あぁ、やーっ、撫でちゃ……ン、あぁ、あつ、熱いっ……ああ、ハァハァ、ハァッ……ンっ!」
幸也が力強く腰を打ちつけると、優衣のしなやかな脚が開いたり閉じたりして揺らめき妙に艶めかしかった。
乳房のほうをいじると恥ずかしそうにさらに身を強張らせる優衣。
ピンクの先端を硬く尖らせ、甘い吐息をもらす優衣の顔が余計に興奮を誘う。
「ンぁ、あぁッ……っ……やぁ、あぁ……やめ、てぇン」
彼女が身を任せながら、好き放題にされるのを望んでいるような甘えた声をあげるせいで、幸也はもう我慢できなくなってしまった。
「あぁッ……そ、そんなにっ……興奮、して……私に……や、やめてっ……ンあぁ!」
背中をよじる優衣の動きを利用して強引に位置をやりやすい体勢にしていき、さっきまでのコツを思い出して膝のなかで擦る。
周辺のしなやかな筋肉から浮き出る骨っぽさがある関節、曲げていることで膝裏に近い横にある大きな筋が陰茎を囲う。
そしてそんなアクセントのなかで、柔らかい膝裏の肉を犯す。
ときに、曲げてできた大きな皺、そして大量の細い皺が変化に富んだ刺激をもたらし、優衣の汗と先走り汁で汚らしく下品に濡れる。
「ン、はぁはぁっ、なんで、そんなに……あぁァッ……ンンッ、こわい、よ……」
犯されたい願望があると聞いたときから、都合のいい免罪符が脳内でリフレインする。
「いぁ、いたぁいぃ……あぁ、ァンッ……ン!」
ずっと曲げられた膝が痛くなってきたのか、ここにきて初めて手に抵抗らしい力のベクトルを感じた。
「に、げ、ないからぁ、痛く、しないでぇ……ン、あぁ、ァンッ!」
甘えるような喘ぎ声で懇願されると、我慢が限界に達する。
「くッ……で、出る!」
「──え? あ、あぁっ! つ、つよ、いっ、跡ついてっ……ンああっ!」
彼女の脚に爪痕を残さんとばかりに無理矢理抑えこみ、固定すると射精衝動のままに膝裏を犯した。
そして熱い欲望の塊を放出する。
「な、何……きゃっ……あぁ、あぁぁッ!」
ブルッと震えながら射精するなか、優衣もまた細かく身体を震わせる。
「脚に出て……熱いの……感じる……はぁ、はぁ、ンッ……ふぁあぁ、あぁ……」
タイツを撫でていく白濁。
「はぁ、あぁ……くすぐ、たい……あぁ……はっはぁ……」
射精しながら優衣が精子に熱い視線を送っているのを見る。
ふたたび悦びと絶望、あるいはこんな優衣じゃないと思っていたというある種の裏切られたような想いが噴出する。
「ンぁ、膝で、ヒクヒクして……こんなに……あ、ああぁ……はあぁッ!」
搾り出した精子のうち一滴が優衣の股間を下着越しに撫でた。
「あぁ、や、あぁ……ン……あふぁぁ……あつ、すぎ……こ、こんなに……ンっ……」
息を乱し、頬を火照らせる優衣。
一度射精したくらいで欲情はおさまるはずもなく、自然と彼女の身体に手が伸びた。
「ひゃんっ! ンッ、あぁっ……!」
強引に脚を押し開くと、優衣はびくっと身体を震わせ、顔を引きつらせながらどうしていいか分からず硬直する。
幸也は夢にまで見たそこをジッと見つめていた。
「うっ……あぁ……うぅっ……」
おそるおそる指先で触れてみると──クチリッと濡れていた。
薄い茂みがムッとした臭いを強く溜め込み、そのなかでいやらしく濡れ光る秘所。
まるでこうされることを待っていたように見える。
やっぱり優衣は犯されたいようだ。
「あッ……や、めて……やめてっ……」
陰茎をあてがうとようやく弱々しく反応する。
「くそっ……なんで……」
なかなか肉棒が奥に入っていかない。
優衣を犯す、優衣を犯す、と気ばかりが焦ってしまい、性器をこすりつけ愛液を広げただけだった。
「あぁン、ンぁっ……やめ、て、おねがぃ……だからぁ……あぁ……」
かぼそく聞こえる拒否は早く挿れてほしいのだと受け取り、幸也は落ち着いて腰をゆっくり位置につける。
先端で押し込みながら膣口を探りあて、脳が鼓動を打っているのではないかというぐらい興奮しているなか肉孔を押し広げる。
「つっ~~~~~~~! あッ……あぁ、あぁあぁ……ッ!!」
塗布された愛液で粘膜ではない入り口近くの肉が挟まり、さらに進めると熱い粘膜にたどりつく。
先端が甘噛みされているような感覚のなか、ゆっくりと優衣への挿入を味わおうと押し進める。が──抵抗を感じた。
「ンぁ、おっおぉ……はぁ、おっきっ! やめ、てぇっ、さけちゃうぅ!」
優衣がその声をきちんとあげたとき、亀頭をチュッとキスする粘膜の感触がすさまじく自然と腰が動きだす。
「────あぁっぁあぁぁっ!!」
聞いたことのない優衣の悲鳴は痛がっているのだとわかってはいるものの、陰茎を飲み込んでいる粘膜の感触が衝撃的でそれどころではなかった。
こんなに陰茎は気持ちよくなるものなのかとショックを受け、さらに優衣とつながった興奮が腰を自然と往復させた。
「い、痛っ、い、や、焼けてっ、あ、アァッ! や、やあぁ、すりきれて、るッ!」
センチ単位の動きでも痛がるものの、幸也はズルリと陰茎を擦り上げる性器の粘膜は恍惚をもたらし何度か抽送する。
初めての感触に思ったように前後できず、背すじがゾクゾクと震え、これ以上気を抜くと力加減を間違えそうだ。
「ンクッ! あッ……や、め、ほ、ほんとに……い、痛いっ、動かない、で……!」
腰を振りながら妙に懐かしい気分に陥る。
子どものころに感じていた『好きな子にいたずらしたい』といった言葉になっている情熱。
「優衣……」
幸也はようやく落ち着いてくる。
「あ……はぁ、はぁ……はぁ……ン……ッ」
ようやく止まったことに安堵する優衣だが、よほど痛いらしくふと接合部を見ると血が出ていることに気づいた。
「あぁ……初めてだったんだ。嬉しいよっ!」
「……えぇ……え?」
あの抵抗は処女膜だったのか。
突き破ったとき、そして今も妙に陰茎の一部に当たっているこの感触は処女膜だった。
「優衣の初めては、全部俺が貰うから……!」
続きは12月25日発売のオトナ文庫『強引にされると嬉しくて初めてでもよく喘いじゃう令嬢な幼馴染 優衣』でお楽しみください!
(c)MISORA KANZAKI/over-dose
気分のほうは複数の要因で浮かない。近頃、言いようのない焦燥感または不安といったよくわからない気分のときが多い。
「ある意味このなんとなしに逃げるのもダメなんだろうなぁ……」
自分の不甲斐なさを確認するが、これは日課のように考えることであって気分が落ちる理由にはなっていない。朝の日差しを半分恨めしく、半分気持ちよく受けながら通学路を歩いていると本格的に目が覚めてくる。
すると──あるはずのない顔がそこにあった。
「あ、おはよう」
「ゆ、優衣? どうして……」
「最近、お寝坊さんだね?」
彼女と一緒に行きたくなくて、家を出る時間を少し遅めにした。
そんな苦労を台無しにされてしまった。
幸也のそんな気持ちなど知らず、柚木優衣は心配そうに声をかけてくる。
「調子悪いの? 顔色は悪くないみたいだけど」
「あ、ああ、ちょっとね……」
優衣に顔を覗きこまれ、そのまっすぐな視線から顔をそむけてしまう。
姿勢よく伸びる女性らしいラインがもっとも長くあらわれる腰から脚は、見てはいけない気もするが、顔はもっと見れない。
「ふぅ~ん……じゃ、行こう」
優衣はいわゆる幼馴染であり、一緒に登下校することも多い。
そして彼女の存在が最近落ちこんでいる理由だった。
学園生活中、なにかと一緒になるもののカップル的な意味の彼女なんかではなく、通う道が同じというだけ。おそらく顔見知りとしか思われていない。
根拠となる理由はいくつもある。
首都圏からは離れているものの、優衣は広大な敷地にある豪邸に住んでいる才色兼備文武両道が当たり前の完璧お嬢様。
それに引き換え幸也は単なる庶民。あまりに生きている世界が違いすぎて、並んで歩いていると自虐的にもなってしまう。
これが単なる他人だったらこんなに悩んだりしない。
だけど幸也はいつのころからか、彼女にお熱だった。毎日毎日釣りあいっこない高嶺の華に憧れつつ、自分の情けなさを自覚する日々だった。
幼馴染なのでもちろん普通に話していたこともあるはずなのに。もう今の幸也はそんなこともできず、ただ優衣の姿に見とれるばかり。
だけど優衣は今でも親しげに語りかけてくる。
子どものころ優衣を連れ回していた思い出。コンビニなどの町中を大人へのあこがれから背伸びして歩き、公園や近所の石塀をいたずらっこよろしく駆けまわった日々。
思い出すたびに恥ずかしく、今よりはマシかもしれない過去の自分。
そんなことを考えていたら、学園の近くまで来ていた。
「恭子がね、薄手の服を勧めてきて困るんだよ」
「へぇ、困るんだ」
不意に優衣が話しかけてきた。
だけどとっさに上手い切り返しも思いつかず、ぶっきらぼうな返事しかできない。
「……さ、最近、なんだか元気ないね?」
「そう、かな?」
「何か悩みでもあるの?」
やさしい優衣らしい、だけど幸也にとっては不釣りあいな心配。
しいて言えばこんな自分に一番悩んでいる。
「誰でも、あるよね……私も、少し悩み事があるの……」
優衣は歩みをとめたのか、声が少し後ろから聞こえてくる。
彼女の悩みは気になるものの、あまりゆっくりしている時間はない。
「急がないと遅刻してしまう」
「え? あっ……」
昔のくせか手を握って走ろうとしてしまった。
「ご、ごめん」
やっぱり一緒に歩くものじゃない。
顔の辺りが熱く自分でも赤くなっていることがわかる。
幸也は優衣から顔を隠すようにそっぽを向いた。
「ほら、い、急がないと遅刻するよ」
「あ……うん」
子どものころはともかくとして、今ではまともに優衣と接することができない。
手を握るだけでも彼女を犯しているような気がしてならない。
毎晩のように優衣と──優衣の裸を妄想してしまっていることを、手から読み取られるのではと怖気づいてしまう。
今の優衣の身体つきは制服の上からでもよくわかるほど女らしく、そして理想的に育っていた。見たい、触れたい、そんな思いを抑えて見ないようにと努力するもののついつい見てしまうほど魅力的だ。
「はっ、はっ……」
規則正しく呼気を用いて走る優衣の太ももがスカートを跳ね上げ、脚の動きから遅れて物理現象でもどる。とくべつスポーツ万能というわけではないが、ひき締まった、しかし柔らかそうな筋肉の筋が浮かび上がる。
地を蹴るたびにプルッと一瞬だけ震え、関節をしなやかに動かしていく。
「あ、ま、前っ……!」
「え? うおッと……」
目の前を自転車が通り過ぎた。幸也は慌てて視線を前へとむける。
早足で歩きながら、ふと疑問が浮かぶ。
そういえば今朝、優衣はどうしてあんな時間に。いつもはもっと早く登校しているはずで、家柄と当人の性格からして生活習慣をそう変えるとは思えない。
もしかして自分を待っていてくれてたり──。そんな都合のいいことを一瞬考えてしまったが、むなしくなってすぐに考えるのをやめた。
今日も授業が終わる。
優衣と同じ進学校になんとか入ったものの、幸也にはハイレベルすぎてまったくもって学業についていけていない。
受験勉強のときは優衣と一緒にと、今よりは前向きな気持ちでもっとポテンシャルがあるのだと思っていたが、それは間違いだったのかもしれない。
いや、まったくもって勘違いだったと認めてしまったほうがいいんじゃなかろうか。
自信も一緒に過去に置いてきてしまったような寂しさを感じつつもう一度奮起してやろうという気が起きない自分が哀しい。
あのころの自信が今の自分に宿ってくれたら、どんなにいいだろうか。
「ねー、ちょっとあんた邪魔なんだよね」
ボーっと考え事をしていると、不意に背後から声をかけられる。
「それにさー、なんだか暗いよね。人生楽しまないとダメじゃん? あ、ゆっこ、行こー暗いのうつったらやだしー」
「…………うん」
優衣をつれて教室を出ていった明るく見るからにリア充な彼女の名前は筧井恭子。
派手な外見や勝気な性格は置いておいて、優衣のことを大切な友達と考えているらしく良い奴。会ったばかりのころは優衣の女友達というだけでなく、とても話しやすくてむしろ優衣よりも会話が弾んだ記憶がある。
しかし見ての通り、今はどういうわけか嫌われてしまったようで、その態度はいつもそっけない。でも原因には心当たりがあるので、こちらから文句も言えない。
それでも優衣に今時のちょっとした寄り道や遊びなんかを教えた張本人であり、相変わらず学園でもあのふたりはいつも一緒にいる。
恭子がいるおかげで学園の男から優衣への過剰なアプローチは抑えられているらしく、感謝しろと言われたことがあった。たしかに、感謝するべきだろう。
そもそも幸也の優衣への気持ちにも気づいているようなので、無碍に扱ったりはできない。
いっそのこと恭子に悩みを相談してみようかと思ったけど、なんと言えば上手く今の気分を表現できるか分からない。それぐらいネガティブな要素が多すぎる。
色々とありすぎて自分でも今何で悩んでいるのか、何で落ち込んでいるのか分からないぐらい幸也は落ち込んでいた。
「……はぁ、便所いこ」
薔薇色とまでは望まないけど、もうちょっと色のある学園生活を送りたい。
突然。布団越しに殴られた感触で目が覚めた。
「……やっと起きた。目覚まし鳴ってたよ? うるさいったらないよ」
「……………………はい」
ベッドの側に立っていたのは妹の深雪。
昔はよく優衣と三人で遊んだりもしたけど、最近はこの通り兄の扱いはぞんざいだ。
「おにぃのお嫁に行く人はたいへんだよ。もうちょっと寝起きよくならない?」
「……ふぁあぁ……ありがと」
昨日は遅く出たのにばったり優衣に会ってしまったので、今日は逆に早めに行くつもりだった。
だからこうやって起こしてもらえてありがたい。
実際に本気でやるわけじゃないけど、朝の支度をしていると早く学園に行ったついでに予習もしなきゃなと思う。でも思うだけ。
きっとやらない。いつからこんなふうになったのか。
「おはよ。もう行くけど二度寝しないでよ」
大きくため息をついて、深雪は忙しい朝の日課にもどる。
その背中を見つめながら、ふと思った。
さすがに幸也が優衣にあこがれていることは感づいているだろう。
なにせ深雪は優衣のことを『ゆいねぇ』と呼んでいる。かつては本当に仲良しで、本当は優衣の姉妹なんじゃないかと考えるほどだった。
でも最近は一定の距離感を保っている気がする。
それは幸也ではなく、幸也を心配する優衣に気を使っているからだろう。
「サボんなよー……今日もアンニュイか」
今日は掃除の当番だった。しかも恭子とふたりきりで。
そっとしておいて欲しい、そんなことを思いながら恭子の方を見る。
外見からはサボりそうに見られがちだけど、中身は幸也が知るかぎり優衣の次ぐらいに真面目な娘だ。ひとりで手際よく掃除をかたづけていく。
掃除自体は手際とやる気の問題なので、勉強やスポーツとは違い気張ることがない。
ネガティブな精神には意外にもうってつけで、自分でも驚くぐらい没頭できた。
すると不意に恭子が話しかけてくる。
「ちょっと元気になった? 最近あんたいっつも暗いからさー」
「あ、あぁ……まぁ、作業で気が紛れたんだろうな。筧井しか周りにいないし」
コンコンとちりとりからゴミを落とし、ほうきについている埃の塊をこそぎ落とす。
「あたしは気楽なのかー、こ~んなナイスバディといるってのに」
「え? 気に障ったなら……ごめん」
たしかに本人の言う通り、恭子は優衣と負けず劣らずナイスバディである。
「そういえば、優衣に薄着しろって言ったんだって?」
「あー、だってゆっこと並んでると、あたしっていかにも遊んでるように見られるっていうかさー」
そう見られたくないんだろうか。そのわりには脚だってなんかエロいストッキングを愛用しているし、女心はやはり複雑だなと幸也は思った。
「自重すればいいだろ……目のやり場に困るし」
恭子相手でもついつい見てしまうのは男のサガだろう。
「あ~、これいちおう異性に効果ありって感じのやつだから」
「そ、そうなのか、たしかに恭子の脚は一級品だもんな。スゲー似合ってる」
「自慢だからね、いちおう美脚っぷりは」
「……うん、すごく綺麗だと思う。それに恭子は面倒見もいいし、外見とかからはむしろ逆の印象だな」
そもそも恭子と優衣の関係は、引っ込み思案というか人見知り傾向のある優衣の世話を恭子がやいていて深まった仲だ。
「最近じゃ言われなかったねそんなこと……まあ、あんたしか言ってくんないけどさ」
少し、ほんの少し出会ったばかりのころにもどった気がした。
今なら悩みを相談すれば、聞いてくれるような気がする。
「あ、あのさ……」
「……な、なに?」
意を決して声をかけると、恭子は少し驚いたように目を見開く。
しかしすぐに冗談っぽくニヤリと笑う。
「あ、もしかしてあたしのこと、狙ってるぅ~? うけるーでもマジ勘弁なんだけど?」
「いや……あのさ、優衣のことなんだけど……」
優衣の名前が出た瞬間に、恭子の顔からパッと笑顔が消えた。
むしろ不快そうな表情を浮かべる恭子の態度に戸惑ってしまう。
「な、なんでそんなあからさまに嫌そうな顔するんだよ」
「あんたみたいなやつを腐るほど見てきたっつーのっ。なんであたしがゆっこの色恋事情語らなきゃいけないの? 付き人かあたしはっ!」
「ま、まだなにも言ってないだろっ」
「つーかまるわかりだっつーの! とっとと告白のひとつでもしたらどーなの!?」
明確に悩みを伝えたわけでもないのに、ここまでつっこんだ話をされても回答に詰まってしまう。それに恥ずかしい。
しかも告白などできる気がまったくせず、今の幸也は押し黙るしかなかった。
「あんたのほうが付きあい長いでしょう? 幼馴染さん?」
幸也が何も言えないでいると、恭子は矢継ぎ早にまくしたてる。
「いいこと教えてあげる。ゆっこってあんたのこと、幼馴染だからって特別扱いしてんのよ。もうそんなの古いって言ってんのに聞かないのよねー」
「そ、そうな──」
「あんたさー、幼馴染だからって甘えてるんじゃないのー? 毎日一緒に来てさ。付きあってるわけじゃないのにねー? ばっかじゃないのっ? あぁ~~~ムカつく。だいたい最近暗いのをゆっこのせいにするとか最低じゃないっ……ゆっこだってっ……ゆっこも……」
怒りにまかせて好き放題に文句を言いまくる恭子だったが、一瞬言葉に詰まる。
何か迷っている様子だったけど、少し声のトーンを落として話し始める。
「ゆっこ……レイプ願望、ありそうなんだよねー」
「……は?」
「犯されたい襲われたいってやつ? もしかしたら、あんたが強引に迫ったらオーケーしそう? な~んてね、あはははははっ」
あまりに予想外のことを言われて思考が停止する。
強引に……レイプ願望があるって言った……あの優衣が。何度も脳内を恭子の言葉だけがループする。
「……ねぇ。なんであたしばっかりしゃべってんの? あんたも何か言いなさいよ」
「う、嘘だろ、恭子?」
「さぁねー、信じる信じないはあんたの勝手でしょー。意外な性癖ってあるとおもうけどなー、チェリーにはわかんないかもね」
そんなはずがない。そんな……そんな願望……男に、自分以外の男に、犯されても、襲われてもいいって……。ありえない。ありえない……絶対にありえない……。
「ん……なわけないだろッ! 恭子こそ、くだらないことしゃべってんじゃねーよっ! なんで優衣がそんな……そういう……ありえないだろっ!」
思わず怒鳴ってしまい、今度は恭子が驚いた顔をする。
「あ、あら、わからないよー? ゆっこだって年頃の女だもーん」
「仮に、仮にそうだとしたって恭子が言うべきことじゃないだろっ、バカはどっちだ」
「な、何よ……こわい顔して、あーこわいこわい。そーじしーよおっと」
「……っ、お前なぁっ!」
「わーったわーった、訂正するからあと少しだしとっとと終わらせよっ」
あまりといえばあまりのことに動揺がおさまらない。
掃除を終わらせるべきだというのはわかる、だが身体がうまく動いてくれない。
頭のなかではレイプ願望と優衣が結びつかない。
そのくせ──まさか……本当に、そうだとしたら──そんなことを考えてしまう。
「……優衣、が……犯されたい……?」
恭子に聞こえないように言葉にしてみても、まだ実感がわかない。わかないけど──頭をグルグルと回り続ける。
普通なら馬鹿らしくて笑ってしまうけど、優衣を一番よく知っている友人の恭子が言うんだから、もしかして──。
「……ゆっこゆっこって……バカ……」
おかげで恭子の独り言は幸也の耳には届かなかった。
◇ ◇ ◇
進学校だからではなく、少子化のあおりで空き教室が増えてきている。
あきらかに他の教室と少し離れたところにある、なるべくしてなった空き教室は静かで気分が落ち着く。
施錠されておらず、守衛や教員でさえ来ないので、昼寝ができるようにダンボールとシーツを用意してあったりもする幸也のお気に入りの場所だ。
歳が歳ならタバコでもふかしてみたい気分になる憩いの場。
「…………う」
だが今日は憩いどころか、拷問のような時間になってしまった。
理由はもちろん──。
『ゆっこ……レイプ願望、ありそうなんだよねー』
『犯されたい襲われたいってやつ?』
という恭子の言葉である。
つまり誰かが強引にせまったら……優衣は受けいれてしまうのか──。
付きあってもいないのに、独占欲なんて完全にひとりよがりだ。
独善的な考えであることは百も承知だが、そんな願望があるんだとしたら、優衣とやりたい、犯したい、襲いたい。そんな欲望が体の奥から湧き上がってくる。
大人っぽさと無垢さを併せ持つ顔、細い首に魅力的な声をだす喉、成長していくたびに女らしくそそる曲線と盛り上がり。
それに恭子のように自信があって見せびらかすような雰囲気こそないが、最高の美脚の持ち主だ。
「はぁ……が、学園だぞ……」
何を考えているのだろうと思ったその時──。
「最近、放課後に見かけないなって思ってたら、こんなところにいたんだ」
ドアが開き、そこに立っていたのは、脳内でレイプしようとしていた美少女。
こんなタイミングで現れるなんて。
こんなことを考えている自分にやさしい声をかけて近づいてくるなんて。
レイプ願望があると思われてもしかたないと思う。
夕陽のせいか頬を染めているようにも見え、色っぽいのが余計にそう思わせた。
「何か、用事でもあるの?」
幸也が声をかけると、優衣ははにかむように視線をそらした。
「うっ、その、とくべつ用事ってわけでも、ないんだけど……シーツとか勝手にひいてるけどだいじょうぶなの?」
「先生の許可はないけど、ここ、きっと誰も来ないんだ」
「そうなんだ……じゃあ、邪魔しちゃ悪かったのかな」
優衣も、そしてもしかしたら幸也も普段とは少し違う。
会話も少しいつもと違う気がするが、もっとも違和感があるのは雰囲気だった。
いたたまれないような、くすぐったいような、そんな空気だ。
「それでさ、何、してるの?」
「あ、いや……ちょっと考えごとをね……」
「ふうん……そっか」
空気を変えようとしたのか、優衣は少しからかうように明るく呟いた。
「わた、私でよければ相談して、くれない……かな」
「え……え~っと」
ふたりっきりという、こんなシチュエーションだからか、鼓動も速くなる。
優衣への想いはともかく、勉強のことぐらいなら相談してしまえばいいのにもかかわらず、上手く言葉がでてこない。
「あのね、私……ちょっと心配してたの。最近のあなたって、その、えっと……う、憂いてるみたいで」
「あぁ……うん、元気はなかったかな」
「そ、それで私がなんとかできないかなって……私じゃ役に立てないかもしれないけど」
幸也はもじもじとする優衣の下肢に視線をおとし、舐めるように目にやきつける。
目がギラついているのを好意的に解釈したのだろうか。優衣が笑顔を浮かべる。
「でも……でも朝よりは少し元気っていうか、その、目力? みたいなのが……」
優衣の身体を視線で舐め回し、強く誰にも渡したくない独占欲が噴出する。
ここなら──誰にも気づかれずに優衣を。
「……そんなに見つめられても……う、その、私……私……」
「優衣は……優衣は、強引に犯されたい?」
「な、何……いきなり、きゃっ!?」
幸也は、優衣を押し倒した。
自分がたまに昼寝する空き教室のベッドに、優衣があおむけになっていて、そのうえに自分がいる。
刺激的な脚を掴むと、夢に描いた以上に心地いい感触が広がった。
「まっ、や、やめてっ、見えちゃう~~~ッ!」
恥ずかしさにわななく優衣の片脚を抱き上げ、反対の脚も牽制するようにふとももを押さえつける。
力任せに脚を掴んだせいでストッキングが裂け、優衣の抵抗が弱まる。
「え、え? ……んン!?」
幸也は鼻息を荒くしながら、優衣の足に脚を近づけ、ストッキング越しに膝を舐めた。
想像のなかの味よりも、いい香りつきで、そのままふくらはぎのほうへペロペロと舌をはわせていく。
「ンぁ……や、き、汚い、ああ、やめ……ンぁ、あ……ン、ふぁっ……」
優衣は再び身体をよじり、抵抗をみせる。それでも幸也はお構いなく愛撫を続ける。
ふとももは柔らかいが、しなやかな強さがあり、伸ばした手でふとももを軽く揉むようにさすった。
「ンくっ……はっ! い、いたい、よ? あ、あぁ、ァンっ……」
優衣の反応がやたらとよくて、幸也は脚責めに熱中していく。
「こ、怖いっ……あなた、じゃないみたいっ、あ、やだ、こわいっ……」
きっと、自分は今ギラついた目をしているに違いない。
ふと柔らかい膝裏に指が挟まり、その感触に幸也は目を見張る。
「あ……こ、こういうことって、その、私たち、まだ……あぁ……ッ!」
幸也がズボンのジッパーに手をかけると、優衣がハッと息を呑む。
その息遣いが余計に興奮を煽り、強引に優衣の脚を掴んで怒張を膝裏に挟んだ。
「あ、熱い……何か、挟んで……んっ、やだ」
膝を曲げさせて圧迫すると予想以上にちょうどいい感触が得られ、優衣もじわりと汗を滲ませていたことを知る。
腰を軽く振って感触とコツを把握しながら、片手でその美脚をなぞり、さきほど舌で通ったルート順で楽しむ。
「脚撫でないでっ、んふぅっ、ン……ぁ、あぁ……」
「こんなこと、されても……いいんだ」
「え? ふぁ、あぁ、ン……」
優衣は力なく身を任せている。
それならばと制服に手をかけ、胸元を肌蹴させていく。
「……あぁ……あぁぁ……ン、ぬがさ、れて……」
ハァハァと吐息が交じり、優衣の顔は赤みを帯びていく。
あらわになった乳房をススッと撫でる。
「ま、まってっ……ンンぁ!? ふぁ、はっ、はっ……えぇ……ンっ~~~!」
優衣は身体をギュッと強張らせ、膝をさらに閉じる。
「あぁっ、打ちつけないで、あぁ、やーっ、撫でちゃ……ン、あぁ、あつ、熱いっ……ああ、ハァハァ、ハァッ……ンっ!」
幸也が力強く腰を打ちつけると、優衣のしなやかな脚が開いたり閉じたりして揺らめき妙に艶めかしかった。
乳房のほうをいじると恥ずかしそうにさらに身を強張らせる優衣。
ピンクの先端を硬く尖らせ、甘い吐息をもらす優衣の顔が余計に興奮を誘う。
「ンぁ、あぁッ……っ……やぁ、あぁ……やめ、てぇン」
彼女が身を任せながら、好き放題にされるのを望んでいるような甘えた声をあげるせいで、幸也はもう我慢できなくなってしまった。
「あぁッ……そ、そんなにっ……興奮、して……私に……や、やめてっ……ンあぁ!」
背中をよじる優衣の動きを利用して強引に位置をやりやすい体勢にしていき、さっきまでのコツを思い出して膝のなかで擦る。
周辺のしなやかな筋肉から浮き出る骨っぽさがある関節、曲げていることで膝裏に近い横にある大きな筋が陰茎を囲う。
そしてそんなアクセントのなかで、柔らかい膝裏の肉を犯す。
ときに、曲げてできた大きな皺、そして大量の細い皺が変化に富んだ刺激をもたらし、優衣の汗と先走り汁で汚らしく下品に濡れる。
「ン、はぁはぁっ、なんで、そんなに……あぁァッ……ンンッ、こわい、よ……」
犯されたい願望があると聞いたときから、都合のいい免罪符が脳内でリフレインする。
「いぁ、いたぁいぃ……あぁ、ァンッ……ン!」
ずっと曲げられた膝が痛くなってきたのか、ここにきて初めて手に抵抗らしい力のベクトルを感じた。
「に、げ、ないからぁ、痛く、しないでぇ……ン、あぁ、ァンッ!」
甘えるような喘ぎ声で懇願されると、我慢が限界に達する。
「くッ……で、出る!」
「──え? あ、あぁっ! つ、つよ、いっ、跡ついてっ……ンああっ!」
彼女の脚に爪痕を残さんとばかりに無理矢理抑えこみ、固定すると射精衝動のままに膝裏を犯した。
そして熱い欲望の塊を放出する。
「な、何……きゃっ……あぁ、あぁぁッ!」
ブルッと震えながら射精するなか、優衣もまた細かく身体を震わせる。
「脚に出て……熱いの……感じる……はぁ、はぁ、ンッ……ふぁあぁ、あぁ……」
タイツを撫でていく白濁。
「はぁ、あぁ……くすぐ、たい……あぁ……はっはぁ……」
射精しながら優衣が精子に熱い視線を送っているのを見る。
ふたたび悦びと絶望、あるいはこんな優衣じゃないと思っていたというある種の裏切られたような想いが噴出する。
「ンぁ、膝で、ヒクヒクして……こんなに……あ、ああぁ……はあぁッ!」
搾り出した精子のうち一滴が優衣の股間を下着越しに撫でた。
「あぁ、や、あぁ……ン……あふぁぁ……あつ、すぎ……こ、こんなに……ンっ……」
息を乱し、頬を火照らせる優衣。
一度射精したくらいで欲情はおさまるはずもなく、自然と彼女の身体に手が伸びた。
「ひゃんっ! ンッ、あぁっ……!」
強引に脚を押し開くと、優衣はびくっと身体を震わせ、顔を引きつらせながらどうしていいか分からず硬直する。
幸也は夢にまで見たそこをジッと見つめていた。
「うっ……あぁ……うぅっ……」
おそるおそる指先で触れてみると──クチリッと濡れていた。
薄い茂みがムッとした臭いを強く溜め込み、そのなかでいやらしく濡れ光る秘所。
まるでこうされることを待っていたように見える。
やっぱり優衣は犯されたいようだ。
「あッ……や、めて……やめてっ……」
陰茎をあてがうとようやく弱々しく反応する。
「くそっ……なんで……」
なかなか肉棒が奥に入っていかない。
優衣を犯す、優衣を犯す、と気ばかりが焦ってしまい、性器をこすりつけ愛液を広げただけだった。
「あぁン、ンぁっ……やめ、て、おねがぃ……だからぁ……あぁ……」
かぼそく聞こえる拒否は早く挿れてほしいのだと受け取り、幸也は落ち着いて腰をゆっくり位置につける。
先端で押し込みながら膣口を探りあて、脳が鼓動を打っているのではないかというぐらい興奮しているなか肉孔を押し広げる。
「つっ~~~~~~~! あッ……あぁ、あぁあぁ……ッ!!」
塗布された愛液で粘膜ではない入り口近くの肉が挟まり、さらに進めると熱い粘膜にたどりつく。
先端が甘噛みされているような感覚のなか、ゆっくりと優衣への挿入を味わおうと押し進める。が──抵抗を感じた。
「ンぁ、おっおぉ……はぁ、おっきっ! やめ、てぇっ、さけちゃうぅ!」
優衣がその声をきちんとあげたとき、亀頭をチュッとキスする粘膜の感触がすさまじく自然と腰が動きだす。
「────あぁっぁあぁぁっ!!」
聞いたことのない優衣の悲鳴は痛がっているのだとわかってはいるものの、陰茎を飲み込んでいる粘膜の感触が衝撃的でそれどころではなかった。
こんなに陰茎は気持ちよくなるものなのかとショックを受け、さらに優衣とつながった興奮が腰を自然と往復させた。
「い、痛っ、い、や、焼けてっ、あ、アァッ! や、やあぁ、すりきれて、るッ!」
センチ単位の動きでも痛がるものの、幸也はズルリと陰茎を擦り上げる性器の粘膜は恍惚をもたらし何度か抽送する。
初めての感触に思ったように前後できず、背すじがゾクゾクと震え、これ以上気を抜くと力加減を間違えそうだ。
「ンクッ! あッ……や、め、ほ、ほんとに……い、痛いっ、動かない、で……!」
腰を振りながら妙に懐かしい気分に陥る。
子どものころに感じていた『好きな子にいたずらしたい』といった言葉になっている情熱。
「優衣……」
幸也はようやく落ち着いてくる。
「あ……はぁ、はぁ……はぁ……ン……ッ」
ようやく止まったことに安堵する優衣だが、よほど痛いらしくふと接合部を見ると血が出ていることに気づいた。
「あぁ……初めてだったんだ。嬉しいよっ!」
「……えぇ……え?」
あの抵抗は処女膜だったのか。
突き破ったとき、そして今も妙に陰茎の一部に当たっているこの感触は処女膜だった。
「優衣の初めては、全部俺が貰うから……!」
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